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同じプラットフォームでもここまで違う!! フォルクスワーゲンID.4とアウディQ4 e-tronを乗り比べてみた

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同じプラットフォームでもここまで違う!! フォルクスワーゲンID.4とアウディQ4 e-tronを乗り比べてみた

Q4とID.4は同じパワートレインを使用している。ご存じのとおり、ともにフォルクスワーゲングループ傘下であり、当然、共通のプラットフォームを導入することが開発費やコスト削減につながり、ひいては利益拡大をもたらす。しかし、そこで独自の味付けやキャラクターを仕立てるのが各ブランドの腕の見せ所。ではいったい何がどう違うのか? ここでは、そのあたりの真実を明らかにしてみる。

双子というよりいとこ同士?

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ご存じのとおり、アウディとフォルクスワーゲンはともにフォルクスワーゲングループのブランドで、横置きエンジンのモデルに限れば、「MQB」と呼ばれる共通のプラットフォームを採用している。同じクラスA1とポロ、A3とゴルフなどは強い結びつきが感じられるが、バッジだけを変えた”双子”ではなく、せいぜい”いとこ同士”というくらいの関係性で、ブランドの個性が強く感じられる仕上がりである。

では、今回採り上げるアウディQ4 e-tronとフォルクスワーゲンID.4はどこが同じで何が違うのか? 昨年末にID.4のオーナーになった私としても、興味津々である。

コンパクトSUVタイプのEVであるQ4 e-tronとID.4は、どちらもフォルクスワーゲングループがEV用に開発した「MEB(モジュラーエレクトリフィケーションプラットフォーム)」をベースとしており、全長は4590mmと4585mm、ホイールベースも2765mmと2770mmでほぼ同じサイズだ。しかし、アウディからはクーペスタイルのQ4スポーツバックe-tronを引っ張り出したこともあって、外観は別物の仕上がり。ドアミラー、ドアハンドル、充電口のフラップといった細部にいたるまで、別のデザインでつくられていた。

【写真23枚】同じプラットフォームでも操作性や走行性能は別物!! フォルクスワーゲンID.4とアウディQ4 e-tronの詳細を写真で見る

室内を覗いてみても、その印象はまるで違う。A3とゴルフにように、これまでも両社のインテリアは違う雰囲気だったが、Q4 e-tronが従来のアウディの延長線上にあるのに対して、ID.4がまったく新しいデザインを採用したことで、Q4 e-tronとID.4のコクピットは似ても似つかぬ眺めである。両者を見比べて発見した共通のパーツは、天井にあるインテリアライトスイッチとルームミラー、あとは荷室のフロアボードくらいなものだ。

ID.4のコクピットは、大きなセンターディスプレイと小さなメーターパネルだけが目立つシンプルさが特徴。シフトレバーがメーターパネルに直付けされ(これが使いやすい!)、そのぶんセンタークラスターがすっきりとしていることもあって、開放感が際だっている。ダッシュボード上にはステッチが施された人工皮革が貼られ、Q4 e-tronよりもむしろ上質に思える仕上がりだ。

ただ、見た目の美しさとは裏腹に、使いやすさではQ4 e-tronに軍配が上がる。ID.4は極力物理スイッチを排しているぶん、何か操作しようとしたときにひと手間多くなる。たとえば、シートヒーターを調節するには、センターディスプレイでクライメートコントロールの設定画面を呼び出し、画面をタッチしてシートヒーターの強さを調節し、終わったら元の画面に戻す、という具合だ。その点、Q4 e-tronはシートヒーターの調節スイッチが用意されているので操作は一発で済む。運転席側のドアにあるパワーウインドーのスイッチも、ID.4は左右2個だけで、後席側のウインドーは”REAR”の切り替えスイッチを押してから操作する必要があるのだ。

操作性と走行性能も異なるキャラクター

アウディの他のモデルと共通のイメージでデザインされたコクピット。使用頻度の高い操作が物理スイッチで行なえるのはありがたい。純正ナビは標準装備。上下フラットなステアリングホイールはアウディ初。 シンプルなデザインで開放感溢れるコクピット。極力スイッチ類を排しすっきりとまとまっているが、操作性には難あり。純正ナビの設定はない。前席のパワーシートはマッサージ機能が備わる贅沢なつくり。


ドライバーインフォメーションディスプレイと呼ばれるメーターパネルは、ステアリングコラムと一緒にチルトとテレスコピック調整できるため小さくても見やすいが、表示されるデータの種類は固定されており、ドライバーが自由に選ぶことができないし、パワーメーターももう少し大きく表示させてほしいところだ。一方、Q4 e-tronのメーターは新鮮さこそないものの、見やすく、ほしい情報が手に入るという意味では、とてもありがたい。〝お客様ファースト〞な配慮が、実にアウディらしいところである。

では、走行性能に違いはあるのだろうか? 前述のとおり、MEBプラットフォームを用いる両者は、前後アクスル間の床下に駆動用バッテリーを積み、リアのモーターで後輪を駆動。カタログを見ると、バッテリー容量はQ4 e-tronが82kWh、ID.4が77kWhとあるが、表示方法が総容量と実容量と異なるだけで実際は同量。モーターの最高出力も150kWで同じだ。

それゆえ、とりたたてスポーティな印象はないが、スムーズで余裕ある加速を見せてくれるのは、ともに期待どおり。その一方で、加速や回生ブレーキによる減速の味付けが微妙に違っているのが興味深い。たとえばアクセルペダルを軽く踏んで加速する場面では、Q4 e-tronに比べてID.4はややのんびりした印象。回生ブレーキを一番強いレベルにしてアクセルペダルから足を離したときも、ID.4では回生ブレーキがひと呼吸おいて利き始めるといった具合で、Q4 e-tronのほうがEVらしい素早いレスポンスが感じられる一方、ID.4はガソリン車から乗り換えても違和感が少ない味付けといえる。

前/マクファーソンストラット、後/マルチリンクのサスペンションは、どちらもマイルドな乗り心地を示すとともに、SUVっぽさを感じさせない安定した挙動は、車両重量があり、低重心のEVならでは。強いて乗り心地の違いを挙げるとすれば、19インチタイヤを履くQ4 e-tronのほうが、20インチのID.4より多少バネ下が軽く感じられる程度だ。

価格はQ4スポーツバック40e-tronアドバンスドが709万、ID.4プロが648万8000円で60万円以上の開きがある。コスパの高さで選ぶなら、電動シートやパノラマガラスルーフなども備わるID.4、操作性の良さならQ4 e-tronがオススメである。

【SPECIFICATION】フォルクスワーゲンID.4プロ
■全長×全幅×全高=4585×1850×1640mm
■ホイールベース=2770mm
■車両重量=2140kg
■バッテリー総電力量=77kWh
■モーター最高出力=204ps(150kW)/4621-8000rpm
■モーター最大トルク=310Nm(31.6kg-m)/0-4621rpm
■トランスミッション=1段固定式
■1充電走行距離(WLTCモード)=618km
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ドラム
■タイヤサイズ(F:R)=235/50R20:255/45R20
■車両本体価格(税込)=6,488,000円
■問い合わせ先=フォルクスワーゲングループ ジャパン☎0120-993-199

【SPECIFICATION】アウディQ4スポーツバック40e-tronアドバンスド
■全長×全幅×全高=4590×1865×1615mm
■ホイールベース=2765mm
■車両重量=2100kg
■バッテリー総電力量=82kWh
■モーター最高出力=204ps(150kW)
■モーター最大トルク=310Nm(31.6kg-m)
■トランスミッション=1段固定式
■1充電走行距離(WLTCモード)=594km
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=ディスク:ドラム
■タイヤサイズ(F:R)=235/55R19:255/50R19
■車両本体価格(税込)=7,090,000円
■問い合わせ先=アウディ ジャパン☎0120-598-106

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