MVを引き立てるバイプレーヤー的車種に注目
今、若者たちの間で人気の4人組ミクスチャーバンド、King Gnu(キングヌー)をご存じだろうか。
なぜ「シーマ」だったのか? バブル絶頂時に「現象」を巻き起こしBMWやベンツすら凌駕した恐るべき日産車
2019年1月にメジャーデビューを果たして以降、ドラマの主題歌になり第70回紅白歌合戦でも演奏した「白日」をはじめ数多くの神曲を配信リリース。デジタルシングルランキングでは初登場で常に上位にチャートインするなど、現在最も勢いがあり、話題性もあるバンドと言っても過言ではない。
彼らのミュージックビデオ(以下MV)はYoutubeで配信されおり、King Gnu公式チャンネルや同バンドの顔である常田大希(Gt.&Vo.)が主宰のクリエイティブレーベル「PERIMETRON」でチェックできる。
中にはクルマ好きなら「おっ!」と気になってしまうマニアックな車種が登場するMVもあり、曲はもちろん視覚でも楽しめる。そこで今回は、King GnuのMVに登場する「あのクルマ」をチェックしていきたい。
『Vinyl』× 日産・セドリックワゴン(Y30)
King Gnuの1stフル・アルバム「Tokyo Rendez-Vouz」に収録され、人材派遣会社のTVCMソングにも選ばれた「Vinyl」。MVでは車内でメンバーがバンギングしまくって、それに合わせてクルマも上下に揺れているのが印象的。
そのクルマは一体何かというと、日産・セドリックワゴン。兄弟車のグロリアと共に日産の歴史に名を刻んだ高級セダン、セドリックの派生モデルである。MVに登場するワゴンは1983年にフルモデルチェンジを行った6代目(Y30系)で、ハードトップ&セダンと同時にデビュー。ワゴンと共通のボディ形状を持つ4ナンバーバンも設定された。
ハードトップ&セダンは1987年にY31系へとモデルチェンジを行ったが、ワゴン&バンはそのまま販売を継続。基本的なカタチは変わらず、1999年まで16年間も生産された。
ワゴンはフロアATの7人乗り、ベンチシート&コラムATの8人乗りを設定。ステーションワゴンとしては珍しい大人数の乗車が可能だが、3列目シートは後ろ向きに着座する格納式で、あくまでも補助席扱い。また国産車離れした押し出し感あふれるスタイリングに加え、純正でボディにウッド調パネルを採用するオシャレな演出も後押しし、アメリカンカスタムのベース車としても人気が高い。ゆえに中古車の相場も高値である。なおMVに登場する車両はドアミラーだが、写真のようにフェンダーミラーの設定もあった。
『Tokyo Rendez-Vous』× いすゞ・117クーペ
King Gnu名義としては初となるアルバムのタイトルにもなっている、初期を代表するナンバー。MV序盤でいきなり登場するのは、ヒップラインが美しい2ドアクーペ。今のクルマにはない華奢なプロポーションに、目を奪われた若者も多いはず。その後井口理(Vo.&Key.)がハンドルを握り、メンバーがフルで乗車。夜の高速を歌いながら疾走するのがまたカッコいい。
このMVに登場するクルマは、いすゞ・117クーペ。1968年にデビューし、1981年まで生産されたロングセラーモデル。現在いすゞは日本国内での乗用車製造から撤退しているが、今もなお愛好家が多い1台。その理由は当時の国産車では斬新な、優雅で洗練されたスタイリング。デザインはイタリアのカロッツェリア・ギアが担当。チーフデザイナーは後にイタルデザインを設立して数多くの名車のスタイリングを手がけた、ジョルジェット・ジウジアーロ。
初期のモデルは芸術的なスタイリングを当時の自動車技術で再現するのは難しく、生産工程のほとんどを手作業で行ったことから「ハンドメイド」とも呼ばれた。初期型の生産台数は3年間でわずか2458台と、非常に少ない。
掲載した写真はハンドメイドの初期型だが、MVに登場する117クーペはすでに量産体制を整えた状態で1977年にマイナーチェンジを行った後期型。外観の特徴はヘッドライトがそれまでの丸型から、当時最先端の角型4灯に変更されたこと。前後のバンパーやフェンダーミラーの形状も変わっている。
『The hole』× トヨタ・クラウンステーションワゴン(130系)
メジャーデビュー後にリリースした2ndアルバム、「Sympa」のラストを飾るに相応しい渾身のバラード。発売後に制作されたMVがまた衝撃で、男2人・女1人の切ない三角関係を描いた物語は大きな話題を呼んだ。
その中盤に登場するクルマは、MVに登場する主人公の男が運転。主人公と彼女が楽しいデートの後にケンカして、土砂降りの中クルマから降りた彼女。すぐに主人公が追いかけて強く抱きしめ、その後車内で朝を迎える——。上記2曲と比べるとクルマの露出は少ないが、物語の重要なシーンを静かに引き立ててくれた。
その主人公が乗るクルマは、1987年に登場したトヨタ・クラウンステーションワゴン(130系)。大ヒットした130系クラウン・ハードトップのバリエーションのひとつとして、セダン・バンと共にラインアップ。前述のセドリックワゴンと同じく、ハードトップが次の型にモデルチェンジしてもワゴンだけはボディ形状を変えず、マイナーチェンジを繰り返しながら1999年まで販売された。
MVに登場する車両はリアゲートにガーニッシュが内蔵されており、またサンルーフとルーフレールを装備していることから、おそらく最上級グレードのロイヤルサルーンと思われる。しかしMVをよ~く見てみると、なぜかバン用のフロントグリルとメッキバンパーが装着されている謎多き(?)クルマである。
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みんなのコメント
カクカクしたボディーがメッチャかっこよかった。
ブルメタにオールペンしてフェンダーミラーをドアミラーに付け替えた。
当時流行ったメッキホイールにインチダウン、メッキミラー(死角なし)、ダッシュボードに白のムートン、ステアリングはスーパーボールみたいなラメ入り。
当時サーフィンをやってて毎週辻堂・おでんセンター前でした。
聞いてた音楽は。。。ガンズ!
あの頃は毎日が楽しかった。