パンクしたまま走るとタイヤがボロボロになってしまいます……とか、エンジンオイルが完全になくなってしまったらエンジンが焼き付くことありますとか、そんな当たり前のことが原因のトラブルについては多く人が持っている知識でしょう。
しかし、意外なことが原因で起きるトラブルということがあります。ほんのちょっとの知識があれば避けることができたトラブルというのも意外とあるものなのです。
【ボンネットマスコット、ドアバイザー、背面タイヤ…】絶滅危惧装備の現状と行方
クルマに乗ってるならぜひとも蓄えておきたいそんな知識5選を紹介します。ちょっとしたトリビアですが、きっと「知っててよかった!」と思うネタの集大成です。
文:諸星陽一/写真:平野学、TOYOTA、SUBARU、ベストカー編集部
見落とし厳禁! コインパーキングの落とし穴
駐車禁止の取り締まりが厳しくなったこともあり、最近はあちこちにコインパーキングができてきました。気軽に使うことができるコインパーキングですが、規約をきちんと理解して使わないと思わぬ出費に見舞われることがあります。
最近のコインパーキングは上限価格が設けられていることが多いのですが、イベント会場近くのコインパーキングなどでは、曜日によっては上限価格が適用にならないこともあります。
こうしたところに上限価格があると思って止めてしまうと、料金は青天井で上がり続けますので注意が必要です。
また上限価格が設定されていても繰り返し適用されないこともあります。最初の24時間は上限価格で止まったものの24時間を過ぎたら10分単位で加算され続けるということもあるのです。
上限価格についてもいろいろな規定があります。例えば10分100円·当日2000円(繰り返しなし)という上限設定のコインパーキングの場合は、24時を過ぎると上限設定を超えてしまい、繰り返しも適用されません。
20時00分に入庫し、翌日の20時00分に出庫した場合、当日分は2000円ですが、翌日の20時間分の1万2000円が加算されます。24時間2000円と当日2000円はずいぶんと差があることがわかります。
また銀行や商店などが契約しているコインパーキングもあり、それらを利用すれば割引きや無料になることはあっても、一般使用だととんでもなく高額になることもあるなど、さまざまなパターンがあります。コインパーキングはきちんと料金体系を理解して使うことが大切なのです。
タイヤ交換で最悪車両火災が発生!?
ちょっと前までタイヤはタイヤショップやカー用品店、ガソリンスタンドなどで交換したものでした。今もそうしている人は多いでしょうが、ネットでタイヤを買って、そのまま自分で装着してしまう人も増えてきました。
タイヤショップやカー用品店でタイヤ交換を行う場合は、プロがチェックしますのでミスはほとんどありませんが、よく知らないアマチュアが自分の思い込みでタイヤ交換をしてしまうと思わぬトラブルに見舞われることがあります。
最近はフルタイム4WD(スタンバイ4WD)のクルマも増えてきました。フルタイム4WDの場合は基本的に前後のタイヤが同サイズとなっています。
前後サイズを同じように変更すればいいですが、前後で異なるタイヤサイズを履いてしまうとその回転差を吸収するためにセンターデフなどがつねに差動していることになり過熱を招き最悪火災になることもあります。
前後で極端にタイヤの減り方が違うときも同様の現象に近づくので、4WDの場合は前後ローテションも大切になります。
また、ホンダのN-VANやハイエースバンなどは、商用車となるため、最大積載時の荷重をクリアしなくてはならないので、乗用車用タイヤだと車検に通らないこともあります。
現場判断なので乗用車用タイヤでも車検クリアできることもありますが、基本的には商用車には商用車タイヤを装着しておいたほうが無難と言えます。
契約時にくまなくチェック! リースの落とし穴
新しいクルマの持ち方として注目されているのがリースです。従来のリースはクルマの全額をリースとして計算していました。
つまり総額300万円のクルマならば300万円分をリース契約して、リースにかかる諸費用や利息などを計算していました。
しかし、現在個人ユーザーで人気となっているのは残価設定リースというものです。これはリース終了時の残価を見越してそのぶんは据え置いてリース契約を結ぶものです。
例えば総額300万円のクルマの3年後の価値が150万円と設定したら、150万円ぶんだけのリース契約を結ぶものです。リース契約する金額が少なければその分の利息などが減り支払い額を減らすことができます。
このように便利で魅力的な残価設定リースですが、気をつけないといけない部分もあります。
残価設定に当たってはリース終了時の走行距離をあらかじめ決めておきますが、この走行距離をオーバーしてしまうとオーバーした距離に応じて設定残価からマイナスされる仕組みです。
また、キズやへこみなどについても同様で、サイズによってはマイナスされることがあります。ごまかそうと思って自分で修理に出すと、その行為自体がマイナスポイントとなることもあります。
リース中に修理を行いたいときは、リース会社としっかりと相談することが大切です。
リースアップしたクルマは最終的には買い取ることもできるので、走行距離やキズがついた場合は買い取っちゃえばいい……、と単純に考えるかも知れませんが、購入前提の金利とリース時の金利は異なるため、あとから購入は結局損することが多いのです。
ディーラートラブルは違法改造かどうかが分岐点
よく聞かれる話に「改造しているとディーラーでは整備や車検を受けられない」というものがあります。この話は本当なのでしょうか?
この話、本当でもあり、ウソでもあります。大切なのはどんな改造をしているか? なのです。
高速道路のPAやSAに貼られているポスターで“STOP THE 不正改造”と書かれたものを見たことがないでしょうか? これは自動車点検整備推進協議会という団体が行っている運動で、不正改造を無くすためのものです。
この団体には自動車ディーラーはもちろんモータースなどが加盟する団体も参加しています。つまり業界をあげて不正改造を無くそうとしています。
つまり改造車が整備を受けられないのではなくて、不正改造車が整備を受けられないということなのです。所有者が不正だと思っていなくても、不正な改造が行われたクルマがあり、それらはディーラーでは整備を断るという訳です。
そうしたクルマを整備すると今度はディーラーが処罰されます。
もちろん不正改造部分を自分で直してから整備に出せば整備も車検も受けられますし、不正改造部分を直してもらうことも可能です。整備が断られたら、なぜ断られたのかを聞いて、対応策を見つけることが大切です。
ETC関連のトラブルが頻発中!
もはや高速道路や有料道路の料金支払いはETCによる自動徴収がメジャーになってきています。しかしときどきETCゲートで止まっているクルマを見かけることがあります。最新システムとは言え、トラブルがある時はトラブります。
ETCのゲートが開かないときの多くはカードが差し込まれていない、カードの期限が切れている、カードの接触が悪いといったカードと車載器の間で起きていることが原因となっていることが多いようです。
このようなことが原因でETCゲートで停止、後続車に追突された場合、停止した側のクルマ(つまり先頭車)にも過失が認められることがあると言います。
多くの場合は追突したクルマに100%の過失を課すのですが、そうでないこともあるというのでETCゲートでは止まらないようにしたいものです。
ETCカードを入れっぱなしの人はイグニッションオン(システム起動)時に、毎回差し込む人は差し込んだときにETCが正常に働くことを示すマークや音、ランプの確認が大切です。
ただし、この表示がされてもETCカードの期限が切れているとゲートは開きませんので、カードの期限には注意するようにしましょう。月を挟んで出かけるときは、行きは使えても帰りは使えない……ということ起きます。
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