月に200店ものディーラーを周り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回まずは、コロナ禍によって新車販売が低迷するなか、ハリアー ヤリス RAV4 PHVなどトヨタ新型車の販売・予約好調のニュースから。「乱売」なんてワードも!!?
いよいよ世界初公開!! 日産初のSUV型ピュアEVに勝算はあるのか
ほか、人気モデルの納期情報などを中心に、国内自動車業界の最新情報をピックアップ。またギャラリーではどこまで増えるのか誰もわからないトヨタのSUVラインナップを総まとめ!
【画像ギャラリー】いったいどこまで増やす気なのか? トヨタの最新SUVラインナップほかをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年6月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年7月10日号
■新型ハリアーは先行予約で半年待ちと絶好調!
6月17日に発売する新型ハリアーの売れゆきが絶好調の滑り出しを見せそうです。
首都圏では従来専売だったトヨペット店が5月10日、新たに扱い店になったトヨタ店、カローラ店、ネッツ店が5月15日を中心に事前予約を開始しています。
5月24日現在の納期は、3カ月待ちの8月下旬となっています。正式な発売日にはさらに納期は延びて、半年以上の納車待ちになることが予想されます。
6月17日発売の新型ハリアー。予約は好調な推移を見せている。クオリティを高めながら、価格を抑えたことが好評な様子
好評である要因としては大幅にクオリティアップしながら、従来とほぼ同じ価格に設定にしたことがあげられます。今のところ予約での売れ筋は、2WDの最上級グレードであるZ、Zレザーパッケージが中心になっています。
発売日までに予約数は1万台を突破する勢いですが、コロナ禍でスムーズに生産できない状況にあります。そのためこれが登録台数に結び付くには生産を100%軌道に乗せる必要があるので、かなり先になる見通しです。
■販売絶好調のヤリスだが、4系列店併売で乱売も
今年5月から新型ヤリスは、これまでのネッツ店専売からトヨタ全系列店の併売へと変わりました。
これによって売れゆきはさらに加速がつき、最近では3カ月以上の納車待ちになっていますが、4つの系列店同士で競合するため、値引き競争も加速している状況にあります。
ネッツ店の専売時ではナビ、ETC付きで値引きは15万円引き程度に抑えていたのですが、4系列店の併売態勢では20万円以上にも拡大しています。特にネッツ店とカローラ店での販売競争が激しく大幅値引きをするケースが目立っています。
ちらほらと街なかで見かけるようになってきたトヨタ ヤリス。じつは今が購入のチャンス!?
■RAV4 PHVの納期も半年待ちに
トヨタが6月8日に発売したRAV4 PHVも好調な滑り出しを見せており、先行予約の段階で納期が半年待ちの11月頃になっています。
あまり待たされるとキャンセルになる可能性があるため、扱う販売店各社はRAV4のハイブリッド車やプリウスPHVへの鞍替えを促しているケースも出始めています。
RAV4 PHV。納期の関係からRAV4ハイブリッドに切り替える希望者も目立ち、このことがRAV4の売れゆきに再び火が付いている要因になっている
■新商品情報不足にやきもきする日産販売店各社
日産は今後、国内向けの新商品展開へ積極的なスタンスで臨む方針ですが、傘下の日産販売店各社は極端な情報規制にやきもきした気持ちを抑えられない状況にあります。
ここ数年は軽自動車以外にニューモデルの投入はゼロで、デビューから年数の経つモデルばかりでは壊滅的に新車が売れない状態にあるからです。
キックスをはじめ、今後新型車の投入を予定している日産だが、その新型車の情報が発売直前まで伝わってこない販売店は準備に苦労しているという
6月中旬デビュー予定の新型キックスはようやく見積もりが取れる状況にありますが、5月末現在はオプションや付属品、サービスパックなどの価格が決まらず、納期が示せない状況にあります。
今秋から年末ないしは2021年はじめには新型のノートとエクストレイル、新型電気自動車の登場が予想されますが、日産店には最近までスケジュールさえもまったく明らかにされていません。
トヨタやホンダだと年初に今後1年間の新商品計画のアウトラインや大まかな戦略を提示するので、販売店はそれに沿った準備ができますが、日産は新型車を発売する数週間前までまったく情報ゼロの状態なのです。
そのためスムーズなスタートダッシュができない状況にあり、不満が爆発直前の状態にあります。
本記事のあと、7月15日にアリアの発表会をアナウンスした日産。このあとは新作ラッシュ!!?
■今秋発売のホンダeはリース販売でスタート
今年の秋発表&発売予定の電気自動車「ホンダe」の販売は、まずリース販売からスタートする見込みです。
車両本体が300万~350万円で定めるものの、車両自体はユーザー名義の設定ではなく、リース会社に所属させます。これによってアフターケアを万全にし、さまざまな技術的なノウハウを蓄えることを優先させます。
ホンダ ホンダe
なお、リース販売のみからスタートするのは燃料電池車「クラリティ」と同様であり、これは量販を先送りすることを意味します。
したがってホンダeの生産規模は月間数百台止まりと、かなり限定されることになりそうです。1年程度リース販売に限定し、その後通常の販売に移行させるものと思われます。
■ホンダの今年後半の新型車戦略のメインは3車
今年8~12月のホンダにおける新型車戦略はN-BOXを筆頭に、N-ONE、オデッセイの3車種を軸に展開する見通しです。N-BOXとオデッセイはビッグマイナーチェンジでN-ONEはフルモデルチェンジとなります。
2020年ホンダ3銃士の一角にして本命、N-BOX。なお2021年2月にはヴェゼルが一新される予定だ
■ハスラーは引き続き販売好調で半年待ちに
スズキが年初に発売した新型ハスラーが引き続き好調な販売推移を見せています。
3月頃までは納期が3カ月待ちだったのが、5月下旬現在では今秋の11月と半年待ちに延びているのです。
好調続くハスラー
その要因は、ハスラー自体の人気の高さに加えて、コロナ禍によって工場の組み立てラインが時折休止になったりするためです。
そして、こうした状況はしばらく続く見通しです。また、人気が高いために見込み発注をする販売店が正規店にも業販店にも多いことも要因となっています。
■ジムニー&ジムニーシエラの納期は依然1年以上に
ジムニー&ジムニーシエラの納期がここにきて再び1年以上と長期化する傾向を強めています。
年初までは8カ月待ちに納期が短縮していたのですが、コロナ禍による生産調整によって、再び先送りとなっているためです。こうした状況は少なくとも年内は続く見通しです。
ジムニー&ジムニーシエラ。もう飽きちゃう人も出るかも!?
■ムーヴは今年末のフルモデルチェンジ
ダイハツは今年末にも主力のハイトワゴンであるムーヴをフルモデルチェンジする見込みです。
現行モデルの登場は2014年12月ですから、6年ぶりの世代交代となります。
次期型は昨年7月に一新したタント同様にプラットフォーム、エンジン、足回り、駆動系を全面刷新して、先進安全システムの「スマートアシスト」も最新バージョンを標準装備します。
これによって同ジャンルでのトップセラー復帰を目指す構えです。
ダイハツは年末にムーヴのフルモデルチェンジを予定している。新型はタントと同様にプラットフォームからエンジンまですべて一新される(画像はベストカー予想CG)
■軽自動車初のストロングハイブリッドはダイハツ タントのビッグマイナーチェンジ時?
ダイハツは軽自動車初のストロングハイブリッドを2022年夏にもビッグマイナーチェンジするタントに採用して発売する方針です。
1モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせるハイブリッドシステムで、同クラス最高の低燃費を実現させます。
その後1~1.3Lエンジンとの組み合わせのハイブリッドも実用化し、小型車クラスにも順次拡大採用する方針と思われます。
ダイハツは軽自動車初のストロングハイブリッドを2022年夏にもビッグマイナーチェンジするタントに
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みんなのコメント
やっぱりね、という感想しかない。
ホンダはいつもそう。