乗り心地の良いクルマと走るためのクルマ
クーペは実用性よりも趣味性の高いモデルとして知られているが、具体的にはどのようなクルマを指すのだろうか? クーペの意味や語源、セダンとの違いやおすすめの車種などを紹介したい。
利点だった「荷室」や「後席」が狭い! 「本末転倒」感のあるデザイン優先の「SUV」が続々登場するワケ
■セダンとクーペの違いとは?
セダン
セダンはスリーボックス型の乗用車で、2列シート、4人以上が同時に乗車することができ、どの席でも乗り込みやすい4ドアが主流となる。エンジンや乗車スペース、トランクが全て分かれていることによって、運転、乗車時の快適性と居住性の高さが特徴だ。セダンの名前の由来は一人乗りの椅子かご「セダンチェア」にさかのぼる。
「サルーン」もセダンと同じ意味合いがあり、座席が2列合計で4席以上、側面に2枚、または4枚のドアがあり、側面に4枚の窓がある箱型の乗用車を指す。屋根が開放、格納できるものをコンバーチブルサルーン、箱型で前後の座席の間に仕切りがあり、6枚以上窓があるものをリムジンと呼ぶ。
クーペ
クーペの語源は中世にさかのぼる。「切られた馬車」を表す「カロッス・クぺ」が語源と言われており、クーペの形状も1列シートの2ドアスタイルが主流だ。セダンと同じくスリーボックススタイルではあるものの、居住性よりも運動性能やデザインを重視しているため、車内空間の広さや荷物の積載量は少なくなっているのが特徴。
2列シート4席を持つクーペも増えているが、後部シートが狭くなっていることも多いため、後部座席に乗り込む際には前列のシートを倒して乗り込む必要がある。
■クーペのメリット・魅力
クーペは車高が1400mm以下のモデルが多く、美しさやカッコよさを強調するデザインのモデルが多い。また、車高が低いため、車両重心位置が下がるためロールが少なくなり、操縦安定性が高い。乗員が大きく前後左右に振られないため、乗り心地もよく、スポーツ走行も楽しめる。
また、風の影響も少ないため燃費の向上や強い横風に当たるときにもハンドルを取られる場面が少なくなる。
クーペは2ドアでフロント座席優先の車両であるため、リヤシートがないモデルやあっても緊急用で使用される想定で設計されているものがほとんど。そのため、スポーツカーであればレーシーなコックピット感がある。スタイリッシュなクーペモデルはデートカーの定番だが、デートの雰囲気も高めてくれるだろう。
しかし、乗車定員が限られることや荷物がほとんど載せられないこと、車内空間が狭いと言ったデメリットから、ファミリーカーとしては不向きだ。ほかにも大排気量エンジンを搭載しているモデルでは燃費が悪い、自動車税が高額になると言ったコストの高さや、車両本体価格が高いといった面もあり、一般的には独身のうちに買っておいたほうが良いと言われている。
クーペならではのスタイルや走行性能には魅力がたっぷり!
■編集部が厳選!オススメのクーペ
ここでは、国産車、輸入車から2台ずつオススメのクーペを紹介しよう。
国産車
1)マツダ・ロードスター
ロードスターはライトウェイトスポーツの代表的なモデルだ。現行マツダ・ロードスターは2015年に登場している。軽量ボディとダウンサイジングした直4 1.5Lエンジンを搭載する。ボディサイズは、全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mm。ホイールベースは2310mmとなる。先代モデルとなる3代目は全長4020mm×全幅1720mm×全高1245mm、ホイールベース2330mmと、ひと回り小さくなったような印象だ。
マツダのデザインコンセプトである「魂動」を採用しており、自分がクルマと一体になったかのような感覚で運転できる「人馬一体」を感じられる。前後の重量比が50:50という理想的なバランスやマツダ独自のスカイアクティブテクノロジーから生み出される操作性の高さは「クルマを操っている」ことを実感させてくれる。
2)日産フェアレディZ
1969年に誕生したフェアレディZは現在発売されているZ34型で6代目となる、伝統あるスポーツカーだ。現行モデルが登場したのは2008年と長寿モデルであるが、いまだに多くのファンを抱えている。現行モデルはVQと呼ばれる日産車に多く搭載されるV型エンジンを採用しており、3.7リッターという大排気量の自然吸気NAエンジンは、最高出力336馬力/7000rpm、最大トルク365N・m/5200rpmを発揮。
スムーズな吹け上がりを楽しめ、今ではスポーツモデルでも貴重となった6速MTを操る楽しさは格別だ。また、2020年に次期モデルのプロトタイプが発表されたことでも話題になった。
輸入車
1)BMW Z4
Z4はトヨタ・スープラの兄弟車で、「M40i」グレードでは340馬力/500N・mの直列6気筒を縦に搭載する。車両重量は約1.5トンだが、0-100km/h加速が4.6秒、ドイツのニュルブルクリンク・オールドコースではオープンカーとしては最速の7分55秒台を叩き出した文字通りのハイパフォーマンスモデルだ。
スープラと比較されることも多いが、Z4の2リッターターボエンジンは、Mスポーツまで含めてスープラSZと同じ仕様になる。最高出力は197馬力、最大トルクは32.7kg-mと大人しい。スープラSZ-Rは同じ2リッターターボでも258馬力・40.8kg-mだが、日本市場においてはZ4でこのエンジンは選べないため、スープラとBMW Z4では、価格帯は重複しているが車両の性格は異なると言って良いだろう。
2)アウディTTクーペ
初代から独特なフォルムが特徴的なTTクーペ。現行モデルはボディフレーム上部をアルミとするコンポジット構造で、外板もアルミを使用することで軽量化を実現、車両重量1300kgと約30~50kg先代モデルよりも軽くなっている。ボディサイズは4190×1830×1380mm、エンジンは直4DOHCターボで最高出力197馬力/4350~6000rpmを発揮する。
メーターパネルも液晶ディスプレイが用いられ、LEDヘッドライトを全グレードで採用するなど先進的な進化も遂げた。2017年からは日本市場でトップモデルのTT RSも販売され、5気筒エンジンでありながら最高出力400馬力/5850~7000rpm、最大トルク480Nm・1700~5850rpmを発揮する。2020年内にTTシリーズは生産終了となってしまったが、アウディのスポーティなイメージを作ったモデルと言えるだろう。
まとめ
人の乗り降りや荷物の積み下ろし、ドアの開閉のしづらさなどの実用面では劣るが、クーペならではのスタイルや走行性能に魅力を感じる人も多く、根強い人気がある。最近では安全性や燃費などにも重点をおいたモデルが増えてきているため、クーペモデルを検討している人は注目してみてほしい。
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みんなのコメント
幌車はいつからクーペになったのだ??
まあ、かつてロードスタークーペっていう訳分からない名前の派生車種があったが。