2023年1月10日、新型プリウス(HEV)が発売開始された。今回のフルモデルチェンジで、アクセルペダルが吊り上げ式からオルガン式に変更になった。どのようなメリット、デメリットがあるのか等を解説していく。
文/吉川賢一、写真/TOYOTA、吉川賢一、ベストカーWeb編集部
ペダルも変わったぞ!! 新型プリウスがオルガン式ペダルを初採用したワケが衝撃
■アクセルペダルにも種類がある! ぶら下がっているのが吊り下げ式、フロアから生えているのがオルガン式
スタイリッシュに生まれ変わったデザインや、先代から大きく進化した動力性能で注目を集める新型プリウス。アクセルペダルはオルガン式に変更
2023年1月10日の発売開始を受け、いまもっとも注目が集まっている、トヨタ新型「プリウス」。カッコよく生まれ変わったデザインや、驚異的な燃費性能、PHEV車の怒涛の加速性能などに注目が集まっているが、新型プリウスはほかにも、先代までとは変わった点がいつくかある。そのひとつが「アクセルペダル」だ。
先代までは、吊り下げ式のアクセルペダルを採用していたプリウスだが、新型ではオルガン式ペダルへ変更されている。トヨタ車は他にも、RAV4やハリアーなど、徐々にオルガン式ペダルの採用が広がっている。
アクセルペダルの吊り下げ式とオルガン式それぞれの特徴、そしてメリットデメリットとともに、なぜ新型プリウスは、オルガン式ペダルへと変更したのかについて、考えていこう。
吊り下げ式アクセルペダルは、上から吊り下がっている形式のペダルだ。ステアリングホイールのシャフトの下あたりを支点として、リンク棒に装着されたペダルを、足裏の上半部で操作する形式となる。いっぽうのオルガン式アクセルペダルは、ペダルがフロアから生えている形式のこと。ペダルの下端を支点として、フロアに蝶番で固定されており、足裏全体で操作する方法だ。
■踏み替えがしやすく日本の交通事情に向いているのは「吊り下げ式」
吊り下げ式アクセルペダルは、軽自動車からコンパクトカー、ミニバンまで、多くの国産車で採用されているもので、最大のメリットは、踏みかえのしやすさだ。ブレーキペダルのすぐ横に、似た角度でアクセルペダルが配置されるため、右足かかとを軸としてペダルの踏みかえがしやすく、ストップアンドゴーが多い、日本のような交通事情での運転に向いている。
クルマをつくる側としても、足元のスペースが狭くてもレイアウトしやすいことや、(アクセルペダルとエンジンのスロットルがワイヤーで繋がれていた時代には)ペダルの動作機構やワイヤーの取り回しをシンプルにできたのでコストが安かった(ペダル部品も小さいもので済んだ)という良さもあった。
ただ、近い位置に、似たような角度でレイアウトされるため、アクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違える恐れがある。もちろん、オルガン式でも踏み間違えをしてしまう可能性はあるのだが、高齢者の場合、加齢によって股関節が開いてガニ股(つま先が開きがち)になることで、ブレーキペダルを踏んだつもりがアクセルペダルを踏んでしまう、ということがあるそうで、この場合、吊り下げ式だと、その確率が高まる可能性はあると考えられる。
スカイラインはオルガン式だが、R35 GT-Rは吊り下げ式を採用。コーナー手前でのブレーキングから、コーナー出口に向かって加速するときの、ペダル踏み換えにかかる極わずかなタイムロスを削るために吊り下げ型にした、といわれている
■アクセルの踏み加減を調節しやすく、高速連続走行でも疲れにくい、オルガン式
オルガン式を採用しているマツダ3のアクセルペダル
いっぽう、オルガン式アクセルペダルは、踏み込む際の足裏の軌跡と、踏み込まれたときのペダルの軌跡が同一の円弧を描くため、アクセルの微妙な踏み加減を調節しやすいことが最大のメリットだ。一定速を維持しやすいため、長距離走行では、足の疲労も少なく済む傾向となる。
オルガン式ペダルは、欧州の高級車メーカーで長年採用されてきたもので、国産車でも、トヨタ車(クラウン、カムリ、プリウス等)やレクサス車、日産車(スカイライン、フーガ等)、マツダ車などで採用されている。
デメリットは、吊り下げ式と違い、アクセルペダルとブレーキペダルとの位置関係が真横ではないため、右足のかかとを付けた状態での踏みかえが多少やりにくいこと。このため、欧州車でも、比較的小型なクルマ(=長距離移動よりも、近隣移動のために使われることが多いと思われるモデル)では、吊り下げ式を採用しているクルマが多い。
■「操作性改善のため」にオルガン式にしたと、トヨタはいうが…
ハリアーやRAV4もオルガン式アクセルペダルを採用
以上のように、吊り下げ式にもオルガン式にも、メリットもデメリットもあるのが現状だが、トヨタの担当エンジニアによると、新型プリウスがオルガン式を採用した理由は「(オルガン式の方が)ペダル操作性が改善し、運転が楽になるため」だという。
前述もしているように、確かにオルガン式には、一定速を維持するシーンでは足の疲労が少なく済む、というメリットがあるが、吊り下げ式のほうが踏みかえしやすいことを考えれば、必ずしも「ペダル操作性が改善」するとは思えない。冒頭で触れたように、この新型プリウスだけでなく、ハリアーやRAV4など、トヨタ車でオルガン式の採用が広がっている背景には、高級感を演出するということのほか、踏み間違えにつながる要素をすこしでも排除しよう、というトヨタの狙いがあるではないか、と考えられる。
■オルガン式が正解とは言い切れない
写真はフォルクスワーゲン T-Rocのペダル(筆者撮影)。左足用フットレストと対象の位置に、右足用のフットレストが存在する。ACC中に両足を置くと、腰への負担が大幅に軽減する。腰痛持ちにとっては非常に助かるアイテムだ
トヨタがオルガン式の採用を拡大する一方で、かつてはオルガン式を採用していたのに、近年、吊り下げ式へと変えてきているメーカーがある。ドイツのフォルクスワーゲンだ。量販車のポロやゴルフに限らず、高額車のパサートやアルテオン、そして同グループの高級ブランドのアウディでも最上級車A8まで吊り下げ式だ。A6やA8は日本円で1000万円強の高額車であるため、コストダウンが主目的とは考えにくく、その他のメリットを優先したものと考えられる。
追従型クルーズコントロールや自動運転(レベル2、レベル3)が当たり前になったいま、長距離移動の際の「疲れにくさ」を考える必要性は薄くなってきている。数年後には、吊り下げ型のアクセルペダルが、再び見直される時代が来るような気がしている。
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みんなのコメント
マット挟まってアクセル戻らないとかいうイチャモン対策でしょ
今でも言ってるアホ居るし