現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ミッドシップのLM001! ディーゼルのLM003! 7リッターV12のLM004! 「チータ&LM002」だけじゃなかったランボルギーニ「SUV計画」の全貌

ここから本文です

ミッドシップのLM001! ディーゼルのLM003! 7リッターV12のLM004! 「チータ&LM002」だけじゃなかったランボルギーニ「SUV計画」の全貌

掲載 8
ミッドシップのLM001! ディーゼルのLM003! 7リッターV12のLM004! 「チータ&LM002」だけじゃなかったランボルギーニ「SUV計画」の全貌

 この記事をまとめると

■ランボルギーニのクロスカントリー4WDとなる「LM002」には数々のプロトタイプがある

「ガルウイングのミニバン」に「ガチオフロード4WD」ってこれがランボ!? ランボルギーニのワンオフモデルを調べたらあまりに自由すぎて衝撃【後編】

■「チータ」はよく知られているが市販車「LM002」の前には「LM001」や「LMA」も存在した

■「LM002」のあとにもディーゼルエンジンなどを搭載した「LM003」や「LM004」もあった

 チータはアメリカ軍への納入を計画した軍用車だった

 ランボルギーニがSUVブームのなか、2018年にデリバリーを開始したSSUV(スーパースポーツSUV)の「ウルス」。このウルスが誕生したことによって、改めてクローズアップされたのがランボルギーニの歴史にその名を残すクロスカントリー4WD車の「LM002」だ。

 今回はこのLM002が誕生するに至った背景とともに、その前後に開発されたプロトタイプを含めて、ランボルギーニ製クロスカントリー4WDの流れを、もう一度振り返ってみたい。

 ランボルギーニがクロスカントリー4WDを開発するに至った直接の理由。それは、アメリカの軍用車両メーカー、MTI(モビリティ・テクノロジー・インターナショナル)によって基本的なコンセプトが決定されていた軍用のオフロード4WD車(高機動車)を、ランボルギーニで設計、製造して納入しようという計画にあった。

 ランボルギーニによって決定されたその仕様は、基本骨格を強固なチューブラーフレームとし、サスペンションは4輪独立懸架式に。そしてリヤにクライスラー製の5.9リッターV型8気筒エンジンを3速ATと組み合わせ搭載するというものだった。

 1977年のジュネーブショーで発表された、そのプロトタイプには「チータ」の車名が与えられていたが、不運なことにそれがアメリカ軍に正式採用されることはなかった。納入に成功すれば、チータはランボルギーニにこれまでとは比較にならないほどの利益を生み出したはずだが、それは幻となり、ランボルギーニに逆に大きな損失を与えてしまった。

 さらに、当時のランボルギーニは、BMWとのジョイント・プロジェクトでE26、すなわちあの「M1」の生産を請け負う計画にも失敗。1970年代半ばのランボルギーニの経営状態は、このふたつのプロジェクトによって大きくマイナス方向へと傾く結果となった。

 チータからLM002に至るまでの間にもプロトタイプがある

 それでもランボルギーニは、チータの進化型として新たなオフロード4WDを市場に送り出すという計画を進めていく。1981年のジュネーブショーではチータのスタイルを色濃く残した民生用のオフロード4WDプロトタイプ、「LM001」が発表された。このモデルはAMC(アメリカン・モーターズ)製の5.9リッターV型8気筒エンジンをミッドに横置き搭載したもので、ボディはチータと同様のロールバー付きのオープンと、いかにも民生用ともいうべきクローズドの両仕様が選択できるという計画になっていた。

 さらに、ランボルギーニはさらなるパフォーマンスを求め、カウンタックLP500S用の4.7リッターV型12気筒DOHCエンジンの搭載にもチャレンジ。その最高出力は332馬力と発表され、最高速も180km/hを記録するに至った。

 だが、これだけの高性能エンジンをミッドに搭載するのは操縦安定性の面で問題が大きく、ランボルギーニはその対策としてエンジンの搭載位置をリヤミッドからフロントへと移すことを決断する。そして誕生したプロトタイプが「LMA」であり、そのコンセプトを継承したプロダクションモデルこそが、1986年のブラッセルショーで発表された「LM002」にほかならないのだ。

 そのスタイルは、基本的にはLM001のそれに共通するコンセプトだったが、これまでエンジンルームだった部分はエマージェンシーシートを備えたデッキへと姿を変えている。

 チューブラーフレームやサスペンションにもさらにチューニングの手が入れられ、搭載エンジンはデビュー当初はLMAと同様の332馬力版が用意された。シリーズ途中でカウンタックが5000クワトロバルボーレに進化すると、それに使用された450馬力の5.2リッターV型12気筒へとLM002のパワーユニットも変更された。ちなみにこの5.2リッター版のLM002が誇った最高速の公称値は201km/hという数字だった。

 さらに、LMシリーズには3.5リッターのディーゼルターボエンジンを搭載する「LM003」や、パワーボート用の7リッターV型12気筒エンジンを使用した「LM004」も製作されたが、これらはいずれもプロトタイプのままで量産に移行することはなかった。

 唯一の量産モデルとして1993年まで販売が継続されたLM002の生産台数は328台(ほかに321台などの説もある)。フロントフェンダーに備わる三角形のエアアウトレットの造形は、現代のウルスにも継承されていることは周知のとおり。LM002とウルスは、ランボルギーニの歴史のなかで、長い空白の時間こそあれ、確実なつながりをもつモデルにほかならないのだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[DSP大全]「イコライザー」をプロ並みに使いこなすスペシャル・テクを紹介!
[DSP大全]「イコライザー」をプロ並みに使いこなすスペシャル・テクを紹介!
レスポンス
ホンダウエルカムプラザ青山が本社ビル建て替えのため2025年3月31日で休館。最後のイベントを開催へ
ホンダウエルカムプラザ青山が本社ビル建て替えのため2025年3月31日で休館。最後のイベントを開催へ
AUTOSPORT web
F1タイヤの34%が未使用で”ムダ”に。ピレリのデータから浮き彫りになる対策の必要性
F1タイヤの34%が未使用で”ムダ”に。ピレリのデータから浮き彫りになる対策の必要性
motorsport.com 日本版
どうして隣の車にビタ付きで走るの…? 謎の「トナラー運転」の行動心理を交通心理士がズバリ解説
どうして隣の車にビタ付きで走るの…? 謎の「トナラー運転」の行動心理を交通心理士がズバリ解説
乗りものニュース
レクサスの“小さな高級車”「LBX」がスゴい! 全長4.2mの小型ボディに“クラス超え”高級インテリア採用! どんなモデル?
レクサスの“小さな高級車”「LBX」がスゴい! 全長4.2mの小型ボディに“クラス超え”高級インテリア採用! どんなモデル?
くるまのニュース
マルチスズキ、『ワゴンR』発売25周年を祝う…3年連続インドベストセラー車に
マルチスズキ、『ワゴンR』発売25周年を祝う…3年連続インドベストセラー車に
レスポンス
新たなF1公認番組の製作が進行中か。ダニエル・リカルドのHuluシリーズに似た作品に?
新たなF1公認番組の製作が進行中か。ダニエル・リカルドのHuluシリーズに似た作品に?
motorsport.com 日本版
ティムの息子ヤコブ・ベルグマイスターがSFライツテストに参加「父とまた日本に来ることができたら」
ティムの息子ヤコブ・ベルグマイスターがSFライツテストに参加「父とまた日本に来ることができたら」
AUTOSPORT web
『ADVAN Sport』全面訴求。横浜ゴムがTAS2025でタイヤ、ホイール、カスタムカーなど幅広い展示
『ADVAN Sport』全面訴求。横浜ゴムがTAS2025でタイヤ、ホイール、カスタムカーなど幅広い展示
AUTOSPORT web
横浜ゴムはタイヤ/ホイールの2ブース出展、織戸茉彩選手の『MAAYA GR86』展示も…東京オートサロン2025
横浜ゴムはタイヤ/ホイールの2ブース出展、織戸茉彩選手の『MAAYA GR86』展示も…東京オートサロン2025
レスポンス
スバル/STI、BRZ GT300とWRX NBR CHALLENGEの2025年モデルを展示へ。東京オートサロンの出展概要を発表
スバル/STI、BRZ GT300とWRX NBR CHALLENGEの2025年モデルを展示へ。東京オートサロンの出展概要を発表
AUTOSPORT web
F1ドライバーとFIA間に横たわる溝。ラッセル「ベン・スレイエム会長は、ドライバーたちに目標を伝えるべき」
F1ドライバーとFIA間に横たわる溝。ラッセル「ベン・スレイエム会長は、ドライバーたちに目標を伝えるべき」
motorsport.com 日本版
佐藤琢磨&岩佐歩夢のF1トークイベントを東京オートサロンで開催。オートスポーツweb読者限定で観覧ご招待
佐藤琢磨&岩佐歩夢のF1トークイベントを東京オートサロンで開催。オートスポーツweb読者限定で観覧ご招待
AUTOSPORT web
ホンダや日産が「人気ミニバン」に相次いで採用! 斬新「ボタン式シフト」に反響多数! もはや「シフト“レバー”」は古い!? 最新の「“すっきり”シフト」に賛否の声集まる!
ホンダや日産が「人気ミニバン」に相次いで採用! 斬新「ボタン式シフト」に反響多数! もはや「シフト“レバー”」は古い!? 最新の「“すっきり”シフト」に賛否の声集まる!
くるまのニュース
コンビニコーヒーが冷めにくいタンブラー&ドリンクホルダーが新登場!【特選カーアクセサリー名鑑】
コンビニコーヒーが冷めにくいタンブラー&ドリンクホルダーが新登場!【特選カーアクセサリー名鑑】
レスポンス
ダイハツ「コペン」から「エクスプレイ」がなくなった!? 一部改良で安全性能を強化し価格は約10万円アップの198万3000円から
ダイハツ「コペン」から「エクスプレイ」がなくなった!? 一部改良で安全性能を強化し価格は約10万円アップの198万3000円から
Auto Messe Web
スバルが東京オートサロン2025の出展概要を発表。BRZ STIスポーツパープルエディションを初公開
スバルが東京オートサロン2025の出展概要を発表。BRZ STIスポーツパープルエディションを初公開
Webモーターマガジン
日産『キックス』旧型を「キックス プレイ」として併売へ
日産『キックス』旧型を「キックス プレイ」として併売へ
レスポンス

みんなのコメント

8件
  • T-O
    >フロントフェンダーに備わる三角形のエアアウトレットの造形は、現代のウルスにも継承されていることは周知のとおり。LM002とウルスは、ランボルギーニの歴史のなかで、長い空白の時間こそあれ、確実なつながりをもつモデルにほかならないのだ。

    エアアウトレットの造形だけじゃんwww
    ウルスは中身Q8だろwww
  • vince
    LM002見たら「チーター」「チーター」言ってる人はよく読む様に。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1500.02000.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1529.02570.0万円

中古車を検索
LMの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1500.02000.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1529.02570.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村