■2019年輸入車ナンバーワンのMINIだが、なくなったモデルもある
MINIの人気が好調だ。これまで輸入車といえば、フォルクスワーゲン「ゴルフ」が2015年まで27年連続で外国メーカー車モデル別新車販売台数でトップだったのだが、2016年にMINIが逆転。それ以来、2019年まで4年連続して輸入車ナンバーワンの地位を続けている。
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MINIが日本でのブランド展開を始めた2002年の登録台数は1万24台。昨年2019年は2万3813台と、2倍以上の数字を達成している。
そもそも、日本ではクラシックminiと呼ばれる先代ミニの人気が高かった。クラシカルなデザインとコンパクトで合理的なボディ、FF車のパッケージを作り上げたというその歴史も相まって、モデル末期も末期の1989年には9950台、1990年にはなんと1万2758台を登録している。このころは、生産された台数のうちかなりの割合が日本向けだったという。
そういう経緯もあり、日本で新生MINIが人気を博すのには時間がかからなかった。ただし、いまのように輸入車ナンバーワンになるには、豊富なボディラインナップを用意したことも大きいだろう。ちなみに日本でMINIブランドを展開しはじめた2002年は、わずか1車種だった。
現行型MINIは、通常モデルの「MINI3ドア」、3ドアをベースにホイールベースを延長した「MINI5ドア」、3ドアをベースにしたオープン4座「MINIコンバーチブル」、Cセグメントとひと回り大きめのエステートモデル「MINIクラブマン」、SUVの「MINIクロスオーバー(欧州名:カントリーマン)」の5つのボディラインナップを揃えている。
これにスペシャルモデルの「ジョン・クーパー・ワークス(JCW)」やガソリン/ディーゼルモデル、そしてプラグイン・ハイブリッドの「MINI E」と、きめの細かい多彩なラインナップを展開している。
現行MINIは3代目になるが、いまのラインナップにはないモデルもある。そんな「消えたMINI」と呼ばれるモデルを紹介しよう。
●MINIクーペ
「MINIクーペ」は、量産モデルのMINIとしてははじめて、2シータークーペのコンセプトを採用したモデルだ。日本では2011年9月27日に発表されている。
MINIファミリーとしては「MINI」「MINIコンバーチブル」「MINIクラブマン」「MINIクロスオーバー」に続いて5番目のモデルとして登場している。
全長3740mm×全幅1685mm×全高1380mm(MINIクーパークーペ)と、当時の2代目MINI(3ドア)の全高1430mmよりも50mm低い全高を持ち、Aピラーの角度が13度小さくなっている。また「ヘルメットルーフ」と呼ばれた低くて平らな屋根が特徴だった。
これによりCd値(空気抵抗係数)が下がり、優れた加速性能を実現していた。発売当初から設定されたJCWモデルは、当時としては歴代のMINIモデルの中では加速性能がもっとも高く、0-100km/h加速は6.4秒だった。
またMINIとしては初めてアクティブリアスポイラーを採用。80km/h以上で走行するとスポイラーが自動で上昇した。
発売当時の車両価格はクーパーが297万円(6速MT。消費税込、以下同様)/310万円(6速AT)、クーパーSが339万円(6速MT)/352万円(6速AT)、JCWが426万円(6速MTのみ)だった。
■販売台数は振るわなくても希少性もあり中古市場では人気
●MINIロードスター
MINIファミリー6番目のモデルとして、日本では2012年1月に発表された2シーターオープンモデル「MINIロードスター」だ。
基本的なボディ構造は、MINIロードスターが発売される3か月前に日本に上陸した「MINIクーペ」と同じ。MINIクーペがハードトップを持つのに対し、MINIロードスターはソフトトップを採用している。
ソフトトップは手動開閉式で、コンパクトな設計のためわずか数秒での開閉が可能だった。また電動開閉式を採用しなかったことで軽量化することができたと同時に、クラシカルでエレガントなロードスターを演出していた。
オープンモデルなのにもかかわらず、トランク容量は240リッターを確保。2人乗りということもあり、レジャーや小旅行にも使えるクルマだった。
ちなみに初代から現行型まで用意される人気モデル「MINIコンバーチブル」もソフトトップを採用するオープンモデルだが、こちらはリアシートのある4座となっている。
MINIロードスターのグレードはMINIクーペと同じで、発売当時の車両価格はクーパーが334万円(6速MT)/347万円(6速AT)、クーパーSが364万円(6速MT)/377万円(6速AT)、JCWが451万円(6速MTのみ)だった。
●MINIペースマン
「MINIペースマン」は7番目のMINIファミリーとして、日本では2013年3月2日のMINIの日に登場したモデルだ。
SUVである「MINIクロスオーバー」をベースに2ドア化。考え方としては、現在のBMWのSUV、Xシリーズの奇数数字モデル(「X1」「X3」「X5」「X7」)に対する偶数数字モデル(「X2」「X4」「X6」)のようなもので、SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)を名乗っていた。
2013年当時、MINI5ドアは発売されておらず、また当時のMINIクラブマンは右側がクラブドア、左側が1枚ドアの「変則1+2ドア」で、後席ドアを持つモデルはMINIクロスオーバーのみだった。
「MINI(小さい)なのに大きい」と揶揄されながらも、その広さと使い勝手から、当時のMINIラインナップのなかでMINIクロスオーバーは一番の人気があり、販売の主流だった。
そんなMINIクロスオーバーをベースとしたMINIペースマンは、4人がゆったりと座れる室内空間が魅力。MINIのラインナップとしてはじめて「ラウンジコンセプト」を採用、ゆとりある後席はとくに人気が高かった。
発売当時の車両価格はクーパーが312万円(6速MT)/325万円(6速AT)、クーパーSが362万円(6速MT)/375万円(6速AT)。4WDのクーパーS ALL4は396万円(6速AT)だった。
のちにクリーンディーゼルエンジン搭載のクーパーDや、JCWも登場している。
※ ※ ※
今回紹介したMINIの3つのボディタイプは、現行モデルではすでに販売されていないが、その希少性もあってか中古車市場では高値で流通している。
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みんなのコメント
CR-Xに並ぶFFの誕生背景の合理性を無視してFFの他駆動方式より有利な部分だけを追究しスポーツに振り切ったモデル。
そこにスペシャリティさも醸し出した、全てにおいて無駄とわかりきっても格好いいし速いんだから良いじゃんしかないある意味潔い車。