2021年7月4日に行われたF1第9戦オーストリアGPは、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅にとって、もったいないレースとなった。7番グリッドからスタートしながら、ちぐはぐなレース運びでポイントを獲得できず、同じパワーユニットを使うフェルスタッペンが素晴らしいレースを見せただけに、悔しい結果となった。
ソフトタイヤに苦しみレースペース上がらず
7番グリッドからスタート、上位進出が期待されたアルファタウリ・ホンダの角田裕毅にとって、オーストリアGPの決勝は苦い経験となった。
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角田は予選上位通過を狙ってのためかソフトタイヤで出走し、Q2をクリアして見事予選(Q3)7位を獲得した。しかし、Q3に進出したマシンは決勝スタートでタイヤを変更できない規定により、ソフトタイヤのままスターティンググリットに並ぶことに。結果的に決勝レースの展開が苦しいものとなってしまった。
ソフトタイヤでスタートしたもののレースペースを上げられらず、多くのミディアムタイヤ勢をオーバーテイクすることができないまま、早めのタイヤ交換が必要となってしまった。このため12周目にピットインしてハードタイヤに交換するが、後続とのタイム差が小さかったこともあり、これで順位を大きく下げてしまう。
しかも、角田はこのピットインの際にピット入口の白線をまたいでしまい、5秒のタイムペナルティを言い渡される。
この後、1回目のタイヤ交換が早かったことで2ストップ戦略となり、角田は51周目にピットインして再びハードタイヤに交換。これと同時に5秒ペナルティを消化して、またも後退。
さらに、この2回目のピットインする際にも再びピット入口で白線をまたぎ、2度目の5秒ペナルティを受けることになる。なんともちぐはぐな展開で、結局角田はフィニッシュ後に5秒を加算され、12位という最終結果となった。
レース後、角田は「難しい一日となりました。レース中のペースに苦しみ、タイヤマネージメントはとても難しかったです。予選がよかっただけにフラストレーションがたまりますが、気持ちを切り替え、今日の課題を振り返る必要があります。次のシルバーストーンで同じミスを繰り返すことがないようにしていきます」とコメントしている。
ガスリー9位、ペレス6位もすっきりしない結果
6番グリッドからスタートしたピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)も、序盤でペースを上げられず苦しんだ。角田と同じくソフトタイヤでスタートしたガスリーは、1回目のピットストップで作業に時間がかかりタイムロスして後退。45周目に2回目のピットストップを行い、なんとか9位でフィニッシュ、2ポイントを獲得した。
これによりアルファタウリ・ホンダの連続ポイント獲得は継続されたが、狙っていたのがもっと上位だっただけに、不満の残る結果となった。
ガスリーも「想像していた以上に厳しい戦いでしたが、なんとかポイント獲得を継続できました。2ストップ戦略はもっとうまく行くと考えていました。しかし、レース序盤で履いたソフトタイヤで予想以上に苦戦しました。予選以上の順位でフィニッシュできなかったことが残念です」とコメント。
一方、同じくホンダのパワーユニットを使うセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)は3番グリッドからスタート、序盤、2番手のランド・ノリス(マクラーレン)に迫るが、ターン4で押し出されてコースアウト。これで10番手までポジションを落とし、レース戦略が台無しになってしまう。
それでもペレスはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ダニエル・リカルド(マクラーレン)と激しいバトルを繰り広げ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の背後に迫る5番手でフィニッシュした。ただ、ルクレールとのバトルで2度のタイムペナルティを受け、最終結果は6位となった。
レース後、ペレスは「4周目にランド(ノリス)をアウト側から抜こうとしてコース外へ押し出されたことで、僕のレースは終わってしまったようなものです。シャルル(ルクレール)とのインシデントについてはコメントが難しいですが、2度目の接触では乱気流の中でリアを失ってしまいました。シャルルのレースに影響を与えてしまい、とても申し訳なく思っています」と語っている。
次戦、2021年F1第10戦イギリスGPは、7月16日、ノーザンプトンシャーのシルバーストン・サーキットで開幕する。
2021年F1第9戦オーストリアGP決勝 結果
1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)71周
2位 77 V.ボッタス(メルセデス)+17.973s
3位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+20.019s
4位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+46.452s
5位 55 C.サインツ(フェラーリ)+57.144s
6位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+57.915s
7位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+60.935s
8位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+61.195s
9位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+61.844s
10位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+1周
・・・・・・・・・・
12位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+1周
2021年F1ドライバーズランキング(第9戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 182
2位 L.ハミルトン(メルセデス) 150
3位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)104
4位 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) 101
5位 V.ボッタス(メルセデス) 92
6位 C.ルクレール(フェラーリ) 62
・・・・・・・・・・
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)39
14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)9
2021年F1コンストラクターズランキング(第9戦終了時)
1位 レッドブル・ホンダ 286
2位 メルセデス 242
3位 マクラーレン・メルセデス 141
4位 フェラーリ 122
5位 アルファタウリ・ホンダ 48
6位 アストンマーティン・メルセデス 44
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