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「XYVYX」ってなんて読むの? いくらなんでも奇抜過ぎた「国産不人気車」5選

掲載 更新 22
「XYVYX」ってなんて読むの? いくらなんでも奇抜過ぎた「国産不人気車」5選

気が付いたら手が届かない価格に……

 数え切れないほどの種類があるクルマ。特に日本車はこれまでに生まれてきた車種が多いだけでなく、それぞれがフルモデルチェンジで世代を重ねているうえに、特徴的なグレードやボディバリエーション、限定車まで無数に存在する。

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 その中にはクルマ好きからも忘れられかけている車種もある。今回はそんなクルマたちから、中古車市場や街中でも、まったくといっていいほど見かけなくなった「絶滅寸前」の5台を集めてみた。

憧れのイタリアンブランドで固めたホットハッチ【ダイハツ・シャレード デ・トマソ】

 ひと昔前は、セダンと並んで販売の主流だったハッチバック車。中でも、性能を高めスポイラーなどで装ったスポーティモデルは「ホットハッチ」「ボーイズレーサー」と呼ばれて人気を博した。ベース自体がリーズナブルで手軽なため、気軽にレーシーな雰囲気を楽しめることから、1980~90年代には、国内外のさまざまなメーカーがホットハッチを発売していた。

 ホットハッチには、アルミホイールやハイグリップタイヤ、前後スポイラー、3本スポークのステアリング、ホールド性がよいシートなどが奢られ、ノーマルモデルと差をつけていたが、そのパーツ類も「ブランド」が重要で、イタリアン・ブランドも憧れの的だった。

 そんな時代真っ只中の1984年。ダイハツの2代目シャレードに追加されたのが、その名も「シャレード・ デ・トマソターボ」だった。80psを発生した1L直3SOHCターボエンジンは、ノーマルボディのグレードにも積まれており、最高出力は不変だったものの、スーパーカーブーム期に名を知らしめた「デ・トマソ」によるエアロチューン、カンパニョーロ製アルミホイール、ピレリP8タイヤ、モモ製本革巻ステアリングを装着。多くのクルマ好きを虜にした。

 3代目ではスキップされたデ・トマソバージョンは、1993年に登場の4代目で復活。このデ・トマソではターボを積まず、その代わりに1.6L直4SOHC(125ps)が搭載された。専用エアロパーツ&ホイール、専用メーター、レカロ製シート、ナルディ製本革巻ステアリングなどのバリューが高い装備は、このデ・トマソ版でも踏襲されていた。

 どちらのシャレード・デ・トマソも魅力的だが、すでにシャレード自体が絶滅危惧種という状態で、デ・トマソはさらにレアなモデルになっている。

いつまでも時代が追いつかない!? コンセプトが奇抜すぎる【ミラージュ・XYVYX(ザイビクス)】

 販売の花形だったハッチバック車には、スポーティ版から女性向け、上級モデル、営業向けの廉価グレードまでさまざまな仕様が存在した。1987年デビューの三菱「ミラージュ」3代目でも、性格の異なる4つのバージョンを設定。それが、女性向けでおしゃれな印象の「ファビオ」、ほどよくスポーティな「スイフト」、DOHCエンジンを搭載した高性能版「サイボーグ」、そしてこの「XYVYX(ザイビクス)」だった。

 ご覧のように、ザイビクスはリヤウインドウがボディカラーと同一、足元もスチールホイールのまま。車内も、低廉グレードのような質素なシートと内装で、しかも後部座席はなく、まるで2ドアバンのような出で立ちだった。というのも、サイビクスは豊富なオプションを用いて「自分好みのクルマに仕立てる」ことがコンセプトだったため。屋根後半に装着するカプセルにソニー製のAVキットを組み込めば、車内で映画を見ることもでき、9スピーカーのオーディオを奢れば、車内はリスニングルームになる……と謳われた。

 しかし、もともと車高が高くないふつうの3ドアハッチバックで、リヤシートを撤去して実用性も減少し、さらにリヤのスペースを活用するアイデア自体もさほどなく、トランスミッションは5速MTのみ。そのため、ザイビクスはまったくと言っていいほど売れず、約1年でカタログ落ちした。当時でも、街ゆくザイビクスを見て驚いた記憶がある。

 現在では、自分流にクルマを作っていくユーザーも多いため、ザイビクスはたしかに時代を先んじていたのだけれど、あまりにも発想が奇抜だった。いつかこのアイデアに時代が追いつく日がくるのだろうか。

現代のSUVブームの前身「都会派ライトクロカン」【ダイハツ・ロッキー(初代)】

 初代ダイハツ・ロッキーも、完全に絶滅危惧車種だ。中古車市場でも、もうほとんど見ることができなくなってしまった。

 ダイハツのロッキーといえば、販売が絶好調な1LクラスのコンパクトSUV。現在ではごく一般的になった、モノコックボディのFFハッチバック車を、ワイルドに装ったクロスオーバー車である。しかし、初代ロッキーは、ランドクルーザーやジープのような悪路に強いラダーフレームを備えた、本格的なRV(クロスカントリー車)だった。

 初代ロッキーのデビューは1990年。1970年代以降のレジャーブームも後押しして、RVにも乗用車のような快適性が求められ始めていたことから、1983年の「三菱・パジェロ」登場以降は、「スズキ・エスクード」や、このロッキーのように、オンロードや都市部での使用を前提とした車種が増えていた。しかしロッキーはあくまでも中身はハードなRV。外観は無骨で、車体後半が取り外せる仕様まであった。

 なお、とてもややこしいことに、海外では「ダイハツ・ラガー」をロッキーと呼んでいた。ラガーは、ジープさながらのワイルド&タフな4WDだった「ダイハツ・タフト」の後継で、快適性を備えたパジェロクラスのRVだった。そのタフトも、いまや軽のSUVとしてネーミングが復活。こちらも人気を博している。

夢、破れる……しかし残した遺産は大きい【日産・フォルクスワーゲン・サンタナ】

 自動車メーカーの歴史は、他社との吸収・合併・提携・再編などの繰り返しだ。その対象は国内だけでなく、海外のメーカーも含まれており、1970~80年代にかけての日産も、海外戦略のためにアルファロメオやフォルクスワーゲンと提携を進めた結果、いくつかの協業車種を生み出している。

 フォルクスワーゲンからは、本国ドイツ(当時は西ドイツ)では5ドアハッチバックとワゴンしかなかった2代目「パサート」のセダン版だった「サンタナ」が供給されることになり、日産の座間工場で年間6万台ほどをノックダウン生産することを決定。1984年から日本での販売が開始された。なおパサートとデビュー時のサンタナは、ヘッドライトやグリル、バンパーの意匠が異なっていた(サンタナ後期型では、パサートと同じ顔になる)。

 もともとがフォルクスワーゲンのフラッグシップで装備も豊富、上級モデルでは5気筒エンジンも搭載していたサンタナ。同クラスの輸入車「アウディ80」よりもぐっと買いやすい価格に設定されていたものの、当時はまだ輸入車が今ほど受け入れられておらず、初期に頻発した「故障が多い」というイメージも拭えず、販売は低空飛行。1989年までに合計5万台ほどが売られたのみで、その生涯を終えた。それゆえ、サンタナも現在では、絶滅が危惧されるクルマである。

 確かに日産がこのクルマにかけていた期待に比し、結果はイマイチだった。しかし日産はサンタナで「ドイツ車のクルマ作りを学んだ」とされ、パッケージに優れ、極めて欧州色が強かった初代「プリメーラ」の開発に大きく寄与した。サンタナが残した遺産は大きかったのだ。

使用シーンが思い浮かばない? 2シーターの本格クロカン【スズキ X-90】

 1990年以降、各メーカーからは「試しに出してみよう」的な車種がたくさん登場。車種を削り、ニューモデルも売れ筋に絞られ、冒険が少なくなった現代とは大違いだ。でも、今考えてもいくらそんな時代だったとしても「これをどうして売ろうと思ったのか」というクルマが販売されていた(しかも何車種も)。スズキの「X-90」はその最たる一台かもしれない。 1995年から販売されたX-90は、なんと2シーターのRVだった。ベースはエスクードなので、シャーシはラダーフレームだったが、その上には丸っこくてオフロード車らしくないボディを載せていた。しかもルーフはTバー式で、外せば開放感は抜群。内装も乗用車ライクなものだった。

 しかし案の定、中身はRVだから悪路走破は得意、だけど性格はオンロード寄り、RVなのに2シーターで実用性は低い……という謎コンセプトが受け入れられることもなく、わずか2年ほどで販売を終了。その台数は1400台に満たないというのだから、当時から珍車だった。

 では、なぜ発売に踏み切ったのかというと、このクルマはもともとコンセプトカーで、展示したところ欧米での反応が良かったから。でもその欧米でもX-90は売れず(非情)、1998年頃には輸出を停止。メイン市場と見込んだアメリカでさえ、7000台ほどが販売されたに留まった。 そんなX-90は、もはや完全に絶滅種だ。イベントなどで見かけることも奇跡に近い。路上で見たら超ラッキー。きっといいことがあるに違いない。

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みんなのコメント

22件
  • ラガー、ロッキー・・・
    太陽にほえろ!じゃん。
  • ロッキーはライトクロカンという言葉で墓穴を掘ったような気がする
    車自体の中身は実質ジムニーシエラのライバル車だったし
    その点では出来もそんなに悪くはなかった

    サンタナは高速道路になると途端に快適になり燃費も良くなる典型的な欧州車だった
    いかんせん、当時のレベルでもATがあまりにもお粗末で
    これでは国産車には勝てんなと思ってMTを買った変わり者です
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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