日本よりも自転車の取り締まりが厳しい
ドイツ在住の池ノ内みどりさんは、欧州のモータースポーツを取材するために自動車で移動しています。しかし、休息日など自宅周辺の移動では、自転車を使っているそう。日本では自転車や電動キックボードの交通違反などが話題になっていますが、ドイツはどうでしょうか? ミュンヘンの自転車事情を解説します。
知らないと怖い「アウトバーンの正しい走り方」…どこでも速度無制限は過去の話、真ん中の走行車線を走り続けているとプロドライバーでも煽られます【みどり独乙通信】
都市部では自転車移動のほうが便利で快適
ひと雨ごとにすっかり秋が深まり、世界中からとんでもない数の観光客が集まる世界最大のビール祭り、オクトーバーフェストで盛り上がるミュンヘンですが、お酒をほとんど飲まない私には、ほとんど縁のない場所です。この時期になると、街には焼き栗のお店が出て、秋になったなぁと感じます。
日本では自転車や電動スクーターのマナーやルール違反の取り締まり強化についてニュースに上がっていますね。私は自家用車を所有していますが、市内ではほとんど運転することはありません。都市部近辺に住んでいることもあり、街の中を日々自転車で移動しているのです。そこで、ドイツ・ミュンヘン市の「自転車事情」を紹介します。
この街で自転車に乗り始めたころには、見様見真似でルールを把握したつもりで運転していましたが、いわゆる日本流と言いましょうか、好きなように走っていた部分もあります。しかし、そう甘くはなく、ルールに非常に厳しいドイツですから、自転車移動のベテランになるまでは、痛い経験を何度も重ねてきました。
自転車や電動キックボードのルールは基本的に自動車と同じで右側通行になりますが、自転車だけに適用されるルールもありますので、それに注意しながら走行をしなければなりません。ミュンヘン市内にはたいがいの歩道の脇に自転車道が整備されており、そこを通る必要があります。しかし、自転車道がない道路は車道の右端を走行します。
日本でも地域によっては小学校などの交通安全教室で習った覚えがあるかもしれませんが、ドイツの場合ですと自転車で車道を走り、左折をする際には左手で手信号を出します。少しだけ逆走したら目的には近いのに! という場合ついついやってしまいがちですが、それもNGです。代表的な自転車用の道路標識をいくつか写真を撮ってきました。ドイツへ観光で来た際、自転車や電動キックボードをレンタルする方もいるかと思いますが、道路標識や信号をよく確認してから走行しましょう。
ドイツでは毎年交通規則などが改定される
ドイツの道路交通法に基づき、毎年「Bußgeldkatalog(ブスゲルトカタログ)」という違反の点数や罰金の一覧表が更新され、それには自転車や電動キックボードに関する項目もきっちり記載されています。警察官に叱られて何度か痛い思いをした経験もあり、いまは優良自転車乗りだと自負している私ですが、過去に私が犯してしまった違反を紹介します。
まずは赤信号無視。いわゆる、誰も通らないような道にある信号であっても、赤でそのまま渡ってしまい、裏に隠れていた覆面警察官に停められました。続いて無灯火は、ライトの故障であっても同様に罰金の対象になります。さらに、歩道へ前輪が進入した直後に警察官に停められ、歩道進入でNGとなりました。ちなみに歩行者は誰もいませんでしたが、歩行者妨害の危険性ありと言われました。
そのほか、自転車道の逆走ではこれまでに結構な反則金を支払ってきました。日本のように警察官が柔らかく丁寧な口調で注意喚起し「次回から気を付けてくださいね」と解放されることはなく、いきなり威圧的な感じで接してくるのはもちろんのこと、言い訳無用で即切符を切られます。
ちなみに2024年の罰金カタログによると、赤信号無視:60ユーロ(約9800円。すでに赤信号になって1秒以上経過している際に通過した場合は100ユーロ、約1万6400円)、無灯火:20ユーロ(約3200円)、歩道走行:55ユーロ(約9000円)、歩行者妨害:70ユーロ(約1万1400円)だそうです。また、電動キックボードも同じルールが適用されます。
ミュンヘン市では2019年に対し、2023年は自転車に乗る人が30%増えたそう。「Fahrradstraße(ファーラッズシュトラッセ)」(自転車優先道路)が市内であちこち増え、バイクや自動車も通れますが、自転車が優先されるので時間帯によっては大量の自転車に囲まれることに……。30km/h規制ではありますが、さらに超スロー走行しかできない、自転車だらけで右折左折が非常にしにくいという状況になってしまうのです。
まさしく私が住むアパートの前の道路がその状態で、とくに春から秋の朝夕のラッシュ時期は、猛スピードの自転車の軍団が走っていますので、自動車で出かける際はその時間帯をなるべく避けるようにしています。自転車同士の事故も多いですし、自転車優先ということで自動車ドライバーがいくら注意しても、物凄い怒号を浴びせてきたり、ボンネットやトランクをバシンと叩かれることもあります。
最近はミュンヘン市内の道路は大工事中なのですが、その多くの目的は車道を減らして自転車道の拡張整備工事を進め、増え続ける自転車に対応を急いでいるため。きっちりと車道と自転車道がわかれていてくれた方が自動車のドライバーとしては助かりますよね。日本よりは少ないとはいえ、突然車道を逆走してくる電動キックボード、暗がりから飛び出す自転車に何度ヒヤリとさせられたことか……。
9月には完全に自転車専用の「Fahrradstraße」(自転車優先道路)第1号がミュンヘン市内にも作られました。そこは自動車の通行は禁止となり、今後もそのような道路がどんどん増えるようです。また、バイエルン州最初の自転車専用高速道路なるものが誕生し、ミュンヘンから郊外のガルヒングまでの片道23.3kmを整備中なのですが、その一部がすでに開通しているとのこと。私もこの秋の天気の良い日に、相棒の自転車でぜひ走りに行ってみたいと思います。一体、どんな風になっているんでしょうか。楽しみです。
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みんなのコメント
でも車は比較的厳しく取り締まるけど、自転車や歩行者は取り締まりも罰則もいい加減だからやりたい放題では無いでしょうか。
逆走のママチャリや、左折で信号を無視して突っ込んでくるバカが多すぎる。
車のスピード違反を物陰から取り締まるよりも、自転車の逆走を取り締まる方が効率がいいと思う。
そして、反則金をちゃんと取れば、税収が増えて言うことなし。