この記事をまとめると
■日本車は日本人が使用することを考えたクルマ作りがなされている
視界に入ってむしろ邪魔……って感じるのは設定が合っていない可能性! 賛否両論ある「ヘッドアップディスプレイ」の賢い使い方とは
■右ハンドル化したことで思わぬ弊害が発生している輸入車もある
■日本車には日本人特有のおもてなしの精神が表現されている
日本人だからできる気配りがクルマ作りにも出ている
欧米だけでなく、中国や韓国といった国のクルマも正規輸入されるようになり、多彩な輸入車に乗ることができる日本。個性的なモデルがたくさん揃うので、一度は乗ってみたいと憧れる人も多いのではないでしょうか。
でも数多くの輸入車に乗ってみて感じるのは、やはり日本車は日本人の使い方や日本の生活環境をよく考えて作られているなぁということ。今回は、とくにそう実感するポイントを挙げてみたいと思います。
まず、25年くらい前までは付いていない輸入車も多かったドリンクホルダー。装備されはじめてからも、手が届きにくい場所にあったり、500mlなどの高さのあるペットボトルが置きにくいなど、なかなか使いやすいドリンクホルダーが少ない印象でした。いまでこそ輸入車のドリンクホルダーもよく考えられていると思いますが、まだまだそこは日本車のほうがさすがだなと感じるポイントです。
とくに、ミニバンや軽自動車はすごい! 日本人はひとりでもペットボトルやカップ入りのコーヒーなど複数の飲み物を車内にもち込むことが多いため、ドリンクホルダーもいまやひとり2~3個は必要ということで、車内に10カ所以上あるミニバンもあるほど。また、ペットボトルのキャップを置くトレイがあったり、冬に温かさを保ってくれる保温機能まであります。これは日本車ならではの、まさに「おもてなし機能」といえるでしょう。
次に、シートポジションがしっくりくるクルマが多いと感じるのも日本車のいいところ。調整の幅やステアリング、シフトレバーなどとの位置関係まで、日本人の多くの人に合うように作られていることと、背もたれをリクライニングさせるレバーも、輸入車はダイヤル式がまだ根強く、くるくるとダイヤルを回して調整するため、時間がかかるしけっこう体勢がきついと感じます。日本車のリクライニングはレバー式が多いので、サッと簡単に調整できて使いやすいですね。
ただ、輸入車のダイヤル式は、間違えてバタンと一気に倒れてしまうと危険なシーンもあるため、一気に倒れないようにダイヤル式を採用しているという、メーカーの考え方の表れでもあります。
続いて、初めて輸入車を運転すると「どこ? どこ?」となかなか探し当てられず焦ってしまうことも多いハザードスイッチの位置。古くはステアリングの奥のダッシュボードにあったり、シフトレバーの横にあったり、エアコンスイッチと並べられていたり、現行モデルでもシボレー・コルベットは天井についているし、なかなか奇想天外なところにハザードランプが配置されていて驚くこともしばしば。
そこへいくと日本車は、センターパネルの上部など、日本人が「ここかな」と予想しやすい位置に配置されており、直感でサッと押すことができるモデルが多くなっています。
左ハンドルの右ハンドル化でネガが出ることもある
次に、左ハンドル車を基準に作られたものを右ハンドル車に作り直しているクルマに多くありがちな、ペダルレイアウトがなんとなくヘンなところ。クルマのダッシュボードやセンターコンソールには数多くのシステムが詰め込まれており、どうしても助手席側にはみ出して足もと空間が狭くなってしまう場合があります。
そうなると、本来は助手席側となる空間を運転席とするために、言葉を選ばずにいえば無理やりアクセルペダル、ブレーキペダルを配置することになり、少しペダルとペダルの間隔が狭くなったり、フットレストが入りきらない、といったことにもなりかねないのです。
運転席のペダルは、ドライバーが座ったときに体の中心を起点にして右足をスッと伸ばしたところにペダルがあり、体をねじることなく操作できるのが自然だといわれています。日本車は、そうした自然なペダルレイアウトになっているクルマが多いと感じます。
最後に、世界でも有数の複雑で難しい言語といわれる日本語。これを使うナビやインフォメーション表示は、輸入車にとって大きな壁となっていました。いまでこそ、流暢な日本語で表示される輸入車がほとんどとなりましたが、まれにいまでも英語をそのまま直訳した文字が表示されて「?」となってしまうことも。
たとえばシートヒーターが「ホット感触」などとなっていたり、やはりその点は、当たり前ですが日本人が理解しやすい表記ばかりの日本車がまだ少し、リードしているポイントではないでしょうか。
ということで、日本人が日本人のことを思い、知恵をしぼったからこそ、完成している日本車の美点がこうした使いやすさ。おもてなしの心の表れでもあると思いますので、今後も日本車ならではの装備や技術に注目していきましょう。
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えっ
そんなことしたことない…