この記事をまとめると
■倒産目前だったメーカーをたった1台で救ったとも言える救世主がいた
市場を切り開いた偉大なクルマが敗北! 「後出しじゃんけん」でバカ売れしたクルマ4選
■革命的なクルマでも当時ではイロモノ扱いされていた
■売れすぎてラインアップを拡充した車種もある
メーカーの未来を決定づけたと言っても過言ではないクルマたち
名車と呼ばれるクルマは数多いが、その中でもメーカーの危機を救ったり、メーカーの方向性を決めたり、メーカーのイメージを決定づけたりというようなターニングポイントとなった車種も存在する。
そこで今回は、そんなメーカーが生まれ変わるきっかけとなった革命的な名車を独断と偏見でピックアップしてみた。
1)マツダ・デミオ(初代)
バブル景気に乗って多チャンネル化を実施し、全体的な販売台数の底上げを狙った90年代のマツダ。しかしバブル景気は崩壊し、各チャンネル向けにリリースした兄弟車はイマイチ個性のわかりにくい中途半端な仕上がりということで、販売台数の底上げどころか経営危機に陥ってしまったマツダ。
そんなマツダを救ったのが、1996年に誕生した初代デミオ(現MAZDA2)である。
すでにリリースされていたコンパクトカー、オートザム レビューのプラットフォームを流用しながらも、使い勝手のいいコンパクトワゴンとし、クラスを超えた荷室容量と立体駐車場にも対応する全高というスタイルで、加飾を抑えた道具感のあるシンプルなルックスも相まって一躍人気車種となったのだ。
この大ヒットはマツダの経営危機を救うほどのものとなり、当のデミオも時代に合わせてモデルチェンジごとに微妙にキャラクターを変えることでその存在感を示し続けてきた。
現在販売中のMAZDA2の前身となる4代目モデルでは、新たにプレミアムコンパクトというキャラクターと、ライバルにはラインアップされないディーゼルエンジンを持ち、未だに根強い人気を誇っている。
今では革命児的扱いでも当時はキワモノだった
2)トヨタ・プリウス(初代)
今ではクルマに興味のない人でも、ハイブリッドカーの代名詞として浸透している感のあるトヨタ プリウス。しかし1997年に初代モデルが登場した時点では当然ながら量販市販車初のハイブリッド車ということで、今のような人気のモデルではなく、“新しいもの好きが買う特殊な車両“というイメージが強かった。
実際のところ、5ナンバーサイズのセダンとしては215万円という価格は高額で、同時期に販売されていた3ナンバーセダン(2.2リッター)のカムリグラシアの218.8万円に匹敵するものだったのだ。
また、当時のプリウスは今のハイブリッド車のようにパワフルなモーターで発進時に強力にパワーをアシストしてくれるようなものでもなく、動力性能的にも平凡な仕上がりだったため、28.0km/L(デビュー時のカタログ値)という驚異的な燃費性能以外は一般ユーザーによって魅力的な点は少なかったと言える。
実際、初代プリウスは販売台数ランキングのトップ10に入ることは一度もなかったのだが、それでもトヨタは改良を重ね、2000年のマイナーチェンジでは車両型式がHNW10からHNW11に変わるというフルモデルチェンジに匹敵するレベルで変更をするなど、大切に育ててきた。
その結果、現在ではトヨタのラインアップのほとんどでハイブリッド車が選べるようになり、プリウスもハイブリッド車の代名詞として認知されるまでになったというワケである。
3)日産ノートe-POWER
比較的安価な価格と広い室内でスマッシュヒットを記録していた2代目ノートに、2016年11月のマイナーチェンジのタイミングで追加された「e-POWER」モデルは、エンジンは発電専用とし、100%モーター駆動の電気自動車的な走り味が楽しめるクルマとして瞬く間に大ヒットを記録した。
日産はそれ以前も量販電気自動車であるリーフをリリースしており、「電動車=日産」というイメージは持っていたが、このe-POWERの大ヒットによってそのキャラクターをより強固なものにしたと言えるだろう。
なお、e-POWER追加後のノートは約30年振りに月間販売台数ランキングのトップを獲得し(2016年11月度)、2017年度の販売台数もコンパクトセグメントで20年ぶりの1位となるなど破竹の快進撃をみせた。
そして2018年2月にはミニバンであるセレナにもe-POWER仕様が追加されるが、これは当初予定されておらず、ノートe-POWERの大ヒットによって急遽搭載が決定したとも言われている。それほどにノートe-POWERが日産に与えた影響は大きかったと言えるだろう。
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救世主にブッ込まれて草