経済アナリストの森永卓郎氏が『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)という予言的な著書を上梓してから19年。時代は森永氏の予言のさらに先を行く事態になりそうな気配もあり、下手をすれば「年収200万円時代」が到来してしまうのかもしれない。
だが仮にそんな時代がやってきたとしても、変わらずに「クルマを愛し、維持し、そしてともに生きていける術」を、今のうちから習得しておこうじゃないか!
そうだあのクルマがあるじゃんか!!! 年収300万円時代をハイセンスに生き抜くための中古車選び術
今回は中古車の話。年収300万円時代においては新車だけにこだわらず、柔軟かつ確実に「お手頃価格の良質中古車」を見つけ出すテクが必要となるだろう。オススメ中古モデルもご紹介!
※本稿は2022年7月のものです
文/伊達軍曹、写真/AdobeStock、ベストカー編集部 ほか
初出/ベストカー2022年8月10日号
■「セクシーなクルマ」を安価に手に入れよう!
中古車販売店を「恐ろしい人外魔境」みたいに思っている人もいるかもしれないが、そんなことはない(xiaosan@AdobeStock)
別記事で紹介した100万円台の新車も素晴らしいが、それでもやはり「どうにも華がない」という欠点もあることは否定できない。
「クルマに華なんていらん!」という意見もあろうが、やはり男は(いや女も)カブいてこそ人生。ステイタスうんぬんではなくセクシーかつゴージャスなクルマにて、自らの人生を彩りたいとは思うのである。
だが当然の話として、100万円台の予算で「セクシーかつゴージャスなクルマ」を買うのは不可能なため、もしもそちら方面でカブきたい場合は「中古車」を選択することになる。中古車なら、おおむね100万円台くらいの予算でもけっこうなセクシー系を探せるものだ。
「でも……俺は中古車って好きじゃないし、信用できないんだよなぁ……」と言う人も多数いることだろう。
気持ちはわかる。わかるが、やはりそれは間違いだ。
探し方と選び方のツボさえ押さえれば、中古車なんてものは恐るるに足らずであり、むしろ「こんなにステキな買い物はない!」とさえ思えるものだ。
なぜならば、端的に言って「中古車は安いから」である。故・徳大寺巨匠もどこかの雑誌でおっしゃっていたとおり、中古車の本質的な魅力とは“安いこと”なのである。それゆえ、年収300万円時代を生きるカーガイにとって中古車は「必修科目」くらいに思ったほうがいい。
マツダ アテンザ ワゴン(最終型/注目相場:110万~150万円)…マツダ6ワゴンに車名が変わる前のアテンザワゴンなら、総額110万~150万円で5万km台までの物件がイケる。素晴らしいデザイン。まさかその値段には見えない一台だ
とはいえ中古車というのは文字どおり中古(ちゅうぶる)の品であるため、なかにはヤバいものも一定数存在している。そういった中古車を選んでしまっては、いくら車両価格が安かったところで意味はないというか、むしろ逆にカネがかかったりもする。
そういったヤバい系を回避する詳細テクの基本部分は次項に記したが、それ以前に、ギャラリーで紹介しているような車種を選べば(「比較的高年式」で、そのうえで「走行距離短め」であり、「内外装に荒っぽく扱われた痕跡がなく」「変な音が出たり、変なニオイがしていないもの」であれば)問題ない。
つまり「今あなたが乗っているクルマのようなクルマ」であれば、自動車というのは何をどう買ったところで、そう簡単に壊れるものでもない。過剰な心配は無用なのだ。
■「自称・中古車の達人」伊達軍曹が提唱する中古車購入時はココをチェックしろ!
中古車というのは結局のところ乗られ方とメンテナンス次第。そこを軸にチェックすればOKだ(Milan@AdobeStock)
●従業員の「社会性」
「敬語の使い方が間違ってる」「通りかかる社員が挨拶しない」という店はイマイチな場合が多い。
●店舗敷地内の「清潔感」
建物が仮に古くても全体の清掃がビッとしている店は、扱う中古車もビッとしていることが多い。
●商品車両の「清潔感」
プライスボードの置き方なども含めた「商品車両の清潔感」は経験上、中古車の品質と相関が高い。
●商品車両の「タイヤ」
「高級車なのにつるつるアジアンタイヤ」は、前オーナーが金欠でろくな整備をしてなかったかも。
●前オーナーの「几帳面さ」
定期点検以外の伝票や領収証などをきっちり保管している几帳面な前オーナーの物件は評価点高し。
●諸費用の「透明性」
納車費用などが高すぎたり、納車整備の内容が不明瞭な店の中古車は、たいてい状態もよくない。
●そのうえで「自分の第六感」
オカルトに走るわけではないが、最初に見たときの第一印象みたいなものはけっこう当てになる。
【番外コラム】中古車の「走行距離」は短ければ短いほどいいのか?
「走行10万km車」の評価は、その中古車の年式によって異なる
まずギャラリーで紹介しているような比較的高年式な物件は、走行距離は短めであるほうが好ましい。そのほうが基本的には内外装の傷みが少ないからだ。
しかしなかには走行3万kmの2年落ち車なのに、内装を信じられないほどボロボロにしまくるような前オーナーもいるので、走行距離“だけ”を指針にするのはNG。
そして年式的に古い物件では、走行距離は「参考程度」にして、整備履歴や内装のヤレの少なさなど、前オーナーの“愛”の有無をチェックするのがおすすめ。
また古い年式の超低走行物件は、内外装等がかなりキレイなのでおすすめではあるが、ゴムパーツなどは交換しないと使い物にならないことが多い。
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みんなのコメント
思ったより金がかかるなら食費なり交際費なり削れ