この記事をまとめると
■マイナーチェンジを敢行したMAZDA2の開発責任者にインタビュー
「カッコイイ一辺倒」だったMAZDA2に新たな選択肢! ポップさ全開の「BD」も登場してコンパクトカーに旋風を巻き起こす
■今回のマイナーチェンジでは機関系には変更が入っていない
■環境に配慮した素材を多く導入しているのも特徴だ
ガラリとイメージを変えたMAZDA2の狙いとは
1月27日に大幅商品改良を実施したマツダのコンパクトカーであるMAZDA2。その狙いを開発担当者に直撃した。まずお話を伺ったのは、新型MAZDA2の開発責任者である水口浩司さん。
水口さん曰く、従来のMAZDA2は、魂動デザインに代表される内外装の仕立てのクオリティや走りという面では高い評価を集めていた一方で、クルマに詳しくないと乗れないというような、一種のハードルの高さがあると感じていたとのこと。
そこで今回は、その間口のハードルを下げ、ユーザーが好きなものを選んでもらえるようにグレード体系の一新を含む大型改良に踏み切ったということなのだ。
とくに、エントリーグレードでもある「BD」系はさまざまなカラーの組み合わせのバリエーションが用意されており、選ぶ楽しみをプラスしているのだが、これは同社の代表的な車種でもあるロードスターのユーザーのように、ボディとルーフ(ロードスターでいうソフトトップ)のカラーを変えてもらったり、アクセサリーを追加したりして自分だけの1台を作り上げる楽しみを味わってもらいたいという想いが込められている。
なお、今回はパワートレインなどハード面での改良はなされていないが、これはすでにMAZDA2自体が完成の域に達しているという自信の現れもあるようだ。
とはいえ、最近のコンパクトカーには環境性能も求められるところ。現状、電動化などもなされていないMAZDA2ではあるが、じつは今回の商品改良で、生産工程におけるカーボンニュートラル化に向けた革新がなされている。そのひとつが今回の改良で追加されたルーフフィルムだ。
近年のコンパクトカーでは人気の高いツートンカラーではあるが、当然ながらルーフ部分を別カラーで塗装するためにコストはもちろん、塗装時や乾燥時に発生するCO2量はバカにできないもの。
そこでMAZDA2は、ルーフ部分を塗装ではなくルーフフィルムとすることで、従来の塗装工程で発生するCO2(ツートンカラー時)の発生量を半分に抑えることに成功しているのである。
さらに貼り付け時の施工性も大きく向上し、熟練の職人が時間をかけていた作業を量産化することで美しい意匠をより多くのユーザーに手ごろな価格で提供することを実現。もちろん耐候性はメーカークオリティということで、数年で劣化が発生することもないようになっている点も見逃せない。
国から表彰を受けるほどの最先端素材を採用!
そしてもうひとつの環境保全としての取り組みが、「バイオエンプラ(バイオエンジニアリングプラスチック)」の採用だ。
このバイオエンプラは、従来の石油系プラスチックとは異なり、植物由来材料で作られている点が大きな違いとなっており、環境負荷が小さいというのが最大の特徴。
このバイオエンプラは透明性の高い素材であるため材料着色が可能となっており、製造コストが高いというデメリットを塗装工程を省くことで解決し、従来の石油系プラスチックと同等の価格で提供することを可能としているのだ。もちろん塗装工程が不要ということは、ルーフフィルムと同じく塗装工程で発生するCO2の削減にもつながっている。
そして材料着色とすることで、分厚い塗膜を乗せたときと同じような深みのある色合いを実現することが可能となっており、高い質感を持っている点も特徴のひとつだ。
今回のMAZDA2では、内装のデコレーションパネルにこのバイオエンプラを用いたプラスチック部品が採用されているが、それ以外にもスポルト系グレードのグリルもこのバイオエンプラが使用されているなど、すでに大型部品にも採用が始まっているほか、じつは現在日本国内で販売されているすべてのマツダ車に何かしらバイオエンプラを使用した部品が採用されているのである。
そして今後は、石油系プラスチックを使用しているパーツもバイオエンプラに置き換えられていくとのことで、マツダ車ユーザーは知らず知らずのうちにカーボンニュートラル化に貢献しているというワケなのだ。
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