<新エンジンは北米仕様で430Nmの大トルクを実現!>
レクサスが新世代モデルの第1弾としてクロスオーバーSUVの新型「NX」を発表しました。レクサス初のプラグインハイブリッド、高効率エンジンを載せた2.5Lハイブリッドや自然吸気エンジン、そして2.4Lターボと4種類のパワーソースが用意され、プラグインハイブリッドと2.4Lターボは4WDのみ、ハイブリッドと自然吸気エンジンはFFと4WDが設定されます。
今回注目したいのは、この完全新設計の2.4Lガソリン直噴ターボ。レクサスとして初めてセンター噴射の直噴システムを採用し、「T24A-FTS」という新しい型式が与えられていることからも、現行型NXが搭載する2.0Lターボの「8AR-FTS」とは異なる素性をもつエンジンと想像できます。
このエンジンに組み合わされるトランスミッションも新開発の高トルク対応型8速ATで、4WDシステムも75:25~50:50の範囲で前後駆動トルクを可変させ、どんな状況でもリアに駆動が流れる仕組みになっています。
この新型2.4L直噴ターボはかなり大トルクの持ち主ではないかと予想できます。新型は排気量が2→2.4Lへ排気量が20%拡大されていることから、単純計算で現行型の2.0Lターボの350Nmを1.2倍しても420Nm。北米仕様では最高出力275PS、最大トルク約430Nmを発揮すると公表されています。いずれにしても400Nmを楽に超えるスペックを有しているの間違いありません。
<トランスミッションも大トルク対応型に置き換えられた>
それは「高トルク対応型8速AT」というキーワードからも裏付けられるでしょう。対応できるトルクの上限はトランスミッションの設計値で決まっていて、トヨタが使うアイシン製の8速ATの場合、中容量タイプは350Nmまで、高容量タイプは480Nmまで対応するのが従来のラインナップです。2.4Lターボになって高容量タイプの8速ATと組み合わせたということは、それだけトルクフルになったという意思表示といえ、なんなら仕様によっては高容量タイプの上限値である480Nmを出している可能性さえあります。
<公式動画からはツインスクロールターボが判明か?>
さらに、YouTubeに公開されているT24A-FTSの解説動画(https://www.youtube.com/watch?v=2o12MHbHY8E )を見ると、ツインスクロールターボチャージャーが採用されていることが見て取れます(※エグゾーストの導入路が2つ見える)。
これも一般論ですが、ツインスクロールターボは低回転域でのターボラグを減らすことができるため、低回転から最大トルクを発生します。従来型NXに搭載されていた2.0Lターボは1650~4000rpmで最大トルクを発生していました。排気量の余裕もありますからT24A-FTSは、それ以上に低回転で最大トルクを発生させることができていることでしょう。
そして大トルクであれば、フロントタイヤだけで受け止めるのは難しくなり、2.4Lターボ車がフルタイム4WDだけの設定というのも納得というわけです。
<エンジン受難の時代にレクサス&トヨタが漢気を見せる>
それにしても、レクサスの新世代を示すNXのフルモデルチェンジにおいて、あえて電動化と真反対の排気量アップしたターボエンジンを用意するというのは、レクサス(トヨタ)がエンジンにもこだわっていくという強い意思を感じさせます。
もちろん、高効率なハイブリッドやプラグインハイブリッドも用意しているからメーカー全体として燃費基準をクリアすることができるわけで、その余裕がターボエンジンを新設計できることにつながっている面はあります。
レクサスの漢気に意気を感じ2.4Lターボを選ぶユーザーはどれほどいるのでしょうか。グレード別の受注状況にも注目しましょう。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
※写真
1、5枚目:次期レクサス NX
2、3枚目:新型2.4L直噴ターボエンジン(T24A-FTS)
4枚目:次期レクサス NX、ターボモデルのパワートレーン図
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みんなのコメント
トヨタってエンジン技術遅れてんだよね
十年前位に出してたら喜ばれたかも知れないけど