ランボルギーニ ウルスについての細かな説明は、もはや不要だろう。独自性で他を圧倒するスーパースポーツカーであるアヴェンタドールやウラカンのエモーショナルなスタイリング、卓越したパフォーマンスといったDNAを継承しつつ、高い実用性とユーティリティ、そして悪路走破性という新たな魅力を身に着けたウルスは、登場するや大きなセンセーションを巻き起こした。そして、ブランド自らが公言する通りの“スーパー・スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル”という新たなセグメントを見事に打ち立てたのだ。
今回、参加したのは栃木県にあるGKNドライブライン ジャパン プルービンググラウンドにて開催されたウルスのテストドライブイベント。ウルス自体はすでに数回、試乗済みではあったが、舞台が舞台だけにそのポテンシャル、とくに普段は体験しがたいオフロードでのそれをフルに引き出すことができるのでは、という期待を胸に、現地に向かったのである。
ランボルギーニ・ウルスで紳士の修学旅行── 仲間4人でマウンテンGALA
プログラムはケイ・コッツォリーノ氏、高木虎之介氏などモータースポーツファンなら誰もが知る人気ドライバーを講師に迎えた豪華なもの。当日は3つのパートが用意されており、筆者は「オフロード」、「スポーツ」、「オンロード」の順で試した。
まずは“オフロード”。ウルスのコクピットに乗り込み、タンブーロと呼ばれる走行モード切り替えレバーで、“テッラ(=グラベル)”モードを選択し、コースに入る。他のランボルギーニではもちろん、一般的なセダンでも腹を打ち付けてしまうに違いないモーグル路面を難無く通過できるのは、高い地上高に大径タイヤという組み合わせだけでなく、状況に応じて左右輪の締結度合いを自動制御するアクティブアンチロールバーの効果も大きい。
その先に急勾配の登坂路が見えてきた。他に選ぶべき道は無いということは、つまりここを上ることになるのか、ウルスで。聞けば、勾配は実に50%。角度は最大で29度にもなるという。乗る前に確認したウルスのタイヤは標準のピレリP ZERO CORSA。オフロード用ではない。
しかしウルスは、勢いをつけることなく10km/h前後の速度で入っていっても、まるでホイールスピンなどさせることなく、スルスルと登っていく。しかも、である。途中で敢えて一度停止してからの再発進を試みても、クルマが後ずさりすることも路面をズルッと引っ掻くことすら無く、当たり前のように走り出すのだ。
続いては、同様に勾配40%、20~21度の急斜面を下りていく。車両の前方、そしてその下方の景色はまったく目視できないが、ウルスにはフロントカメラが備わるので、状況確認は容易い。そして、ゆっくりと進んでいきノーズが下を向いてきたら……あとはステアリングだけしっかり保持していればいい。“テッラ”モードではヒルディセントコントロールが自動的にオンになり、速度を一定に保ってくれる。人間がブレーキで速度を調整しようとして仮にロックさせてしまうと滑落したり、姿勢が乱れたりすることもあり得るが、そうした心配は無用である。
水を撒いた滑りやすい上り勾配を行き、水深30cmほどの水の中を通過して……と、やはり普通のクルマなら立ち往生必至の行程が続くが、ウルスは何事も無かったように難関をクリアしていく。いずれも、車両が4輪の状態、路面のミュー、アクセルの踏み込み量と速さ等々をつぶさにチェックし、ドンピシャの制御を行なっているからこその芸当。これだけで、十分に感心させられてしまった。
続いては“スポーツ”プログラムの時間である。ここでは、まず静止状態から100km/hまでフル加速、そして今度は0km/hまでのフルブレーキングを試す。ちなみに公表値によれば前者はわずか3.6秒で到達し、後者はたった33.7メートルしか要さないという、いずれも当然、クラスベスト。大径ローターを用いたカーボンセラミック・ブレーキの威力は大きい。
続いて、バンクを抜けて立ち上がりから再度フル加速して、圧倒的な速度の伸びを体感したあと、高木虎之介氏がステアリングを握る先導車ウラカン ペルフォルマンテのあとについてタイトなテクニカルコースへと進入していく。
レーシングカートの方が似つかわしいほどの狭く、曲がりくねった道。しかしながらウルスはその車体の大きさを意識させない身のこなし、重心の高さをものともしない平行移動するかのようなコーナリングで、嬉々として駆け抜けられるのだから驚いてしまう。特に4輪操舵の効果は絶大と見たが、それを含めて山盛りの電子制御を巧みに制御することで実現したリニアリティたっぷりのハンドリングには、“乗せられている感じ”とは無縁の操る歓びがある。おかげでコーナー立ち上がりなど、V型8気筒4.0ℓツインターボエンジンの、瞬時にもたらされる850Nmもの強大なトルクを活かして、あの元F1ドライバーの駆るペルフォルマンテとの距離が縮まる感すらあったのだから、全開で飛ばす筆者の顔、きっとニヤニヤしていたに違いない。
但し、さすがに周辺視界は良くないし、車両感覚も掴みやすいとは言えないクルマである。コースアウトだけには注意だ。
こうして走りの快感を存分に味わったあとには、最後の“オンロード”プログラム。ケイ・コッツォリーノ氏の先導する車両で敷地の外へ出ていく。正直、周囲をぐるっとドライブするだけかな……と思った矢先、先導車が交差点よりも手前の、よく見なければ通り過ぎそうなほどの狭い路地へと、後輪を思い切り逆位相にステアしながら曲がっていった。
あとを追いかけると、そこは農道といっていいような狭い未舗装路。もちろん生活道路なので這うような速度でそろりそろりと進んでいくが、それでも計3台のウルスが突然現れたのだから、遭遇した人はさぞびっくりしたことだろう。その先で、川沿いの舗装路に入り、少しペースアップ。更に先を行くと、何とそこには河原へと降りる道が現れた。SUVじゃなければ、たどり着けなかったゴールである。
実際のところ、筆者自身はGKNのこのコースはこれまでも何度も訪れているから、プログラムの内容自体は、まあ予想の範囲内だった。しかしながらウルスが何よりインパクトがあったのは、体験したプログラムすべてで、圧倒的な性能を見せつけたことだ。驚異的なオフロード性能を見せたのと同じクルマが、スポーツ走行では凄まじい加速と減速、軽快なフットワークを堪能させてくれる。かと思えばオンロードでは景色を楽しむ余裕ある走りに浸ることができるのだ。この全方位にスーパーなパフォーマンスこそ、ウルスの真骨頂と言うべきだろう。
正直、登場当初は「ランボルギーニまで流行に乗ってSUVか…」と思わなかったわけではない。もちろん、実際にそういう側面もあるのだろうが、やると決めたら徹底的にという姿勢はまさに痛快で、ランボルギーニそのものだなと感じた次第だ。
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