現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 3つの条件下で行ったテストから分かる、ウルスの圧倒的な性能

ここから本文です

3つの条件下で行ったテストから分かる、ウルスの圧倒的な性能

掲載 更新
3つの条件下で行ったテストから分かる、ウルスの圧倒的な性能

ランボルギーニ ウルスについての細かな説明は、もはや不要だろう。独自性で他を圧倒するスーパースポーツカーであるアヴェンタドールやウラカンのエモーショナルなスタイリング、卓越したパフォーマンスといったDNAを継承しつつ、高い実用性とユーティリティ、そして悪路走破性という新たな魅力を身に着けたウルスは、登場するや大きなセンセーションを巻き起こした。そして、ブランド自らが公言する通りの“スーパー・スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル”という新たなセグメントを見事に打ち立てたのだ。

今回、参加したのは栃木県にあるGKNドライブライン ジャパン プルービンググラウンドにて開催されたウルスのテストドライブイベント。ウルス自体はすでに数回、試乗済みではあったが、舞台が舞台だけにそのポテンシャル、とくに普段は体験しがたいオフロードでのそれをフルに引き出すことができるのでは、という期待を胸に、現地に向かったのである。

ランボルギーニ・ウルスで紳士の修学旅行── 仲間4人でマウンテンGALA

プログラムはケイ・コッツォリーノ氏、高木虎之介氏などモータースポーツファンなら誰もが知る人気ドライバーを講師に迎えた豪華なもの。当日は3つのパートが用意されており、筆者は「オフロード」、「スポーツ」、「オンロード」の順で試した。

まずは“オフロード”。ウルスのコクピットに乗り込み、タンブーロと呼ばれる走行モード切り替えレバーで、“テッラ(=グラベル)”モードを選択し、コースに入る。他のランボルギーニではもちろん、一般的なセダンでも腹を打ち付けてしまうに違いないモーグル路面を難無く通過できるのは、高い地上高に大径タイヤという組み合わせだけでなく、状況に応じて左右輪の締結度合いを自動制御するアクティブアンチロールバーの効果も大きい。

その先に急勾配の登坂路が見えてきた。他に選ぶべき道は無いということは、つまりここを上ることになるのか、ウルスで。聞けば、勾配は実に50%。角度は最大で29度にもなるという。乗る前に確認したウルスのタイヤは標準のピレリP ZERO CORSA。オフロード用ではない。

しかしウルスは、勢いをつけることなく10km/h前後の速度で入っていっても、まるでホイールスピンなどさせることなく、スルスルと登っていく。しかも、である。途中で敢えて一度停止してからの再発進を試みても、クルマが後ずさりすることも路面をズルッと引っ掻くことすら無く、当たり前のように走り出すのだ。

続いては、同様に勾配40%、20~21度の急斜面を下りていく。車両の前方、そしてその下方の景色はまったく目視できないが、ウルスにはフロントカメラが備わるので、状況確認は容易い。そして、ゆっくりと進んでいきノーズが下を向いてきたら……あとはステアリングだけしっかり保持していればいい。“テッラ”モードではヒルディセントコントロールが自動的にオンになり、速度を一定に保ってくれる。人間がブレーキで速度を調整しようとして仮にロックさせてしまうと滑落したり、姿勢が乱れたりすることもあり得るが、そうした心配は無用である。

水を撒いた滑りやすい上り勾配を行き、水深30cmほどの水の中を通過して……と、やはり普通のクルマなら立ち往生必至の行程が続くが、ウルスは何事も無かったように難関をクリアしていく。いずれも、車両が4輪の状態、路面のミュー、アクセルの踏み込み量と速さ等々をつぶさにチェックし、ドンピシャの制御を行なっているからこその芸当。これだけで、十分に感心させられてしまった。

続いては“スポーツ”プログラムの時間である。ここでは、まず静止状態から100km/hまでフル加速、そして今度は0km/hまでのフルブレーキングを試す。ちなみに公表値によれば前者はわずか3.6秒で到達し、後者はたった33.7メートルしか要さないという、いずれも当然、クラスベスト。大径ローターを用いたカーボンセラミック・ブレーキの威力は大きい。

続いて、バンクを抜けて立ち上がりから再度フル加速して、圧倒的な速度の伸びを体感したあと、高木虎之介氏がステアリングを握る先導車ウラカン ペルフォルマンテのあとについてタイトなテクニカルコースへと進入していく。

レーシングカートの方が似つかわしいほどの狭く、曲がりくねった道。しかしながらウルスはその車体の大きさを意識させない身のこなし、重心の高さをものともしない平行移動するかのようなコーナリングで、嬉々として駆け抜けられるのだから驚いてしまう。特に4輪操舵の効果は絶大と見たが、それを含めて山盛りの電子制御を巧みに制御することで実現したリニアリティたっぷりのハンドリングには、“乗せられている感じ”とは無縁の操る歓びがある。おかげでコーナー立ち上がりなど、V型8気筒4.0ℓツインターボエンジンの、瞬時にもたらされる850Nmもの強大なトルクを活かして、あの元F1ドライバーの駆るペルフォルマンテとの距離が縮まる感すらあったのだから、全開で飛ばす筆者の顔、きっとニヤニヤしていたに違いない。

但し、さすがに周辺視界は良くないし、車両感覚も掴みやすいとは言えないクルマである。コースアウトだけには注意だ。

こうして走りの快感を存分に味わったあとには、最後の“オンロード”プログラム。ケイ・コッツォリーノ氏の先導する車両で敷地の外へ出ていく。正直、周囲をぐるっとドライブするだけかな……と思った矢先、先導車が交差点よりも手前の、よく見なければ通り過ぎそうなほどの狭い路地へと、後輪を思い切り逆位相にステアしながら曲がっていった。

あとを追いかけると、そこは農道といっていいような狭い未舗装路。もちろん生活道路なので這うような速度でそろりそろりと進んでいくが、それでも計3台のウルスが突然現れたのだから、遭遇した人はさぞびっくりしたことだろう。その先で、川沿いの舗装路に入り、少しペースアップ。更に先を行くと、何とそこには河原へと降りる道が現れた。SUVじゃなければ、たどり着けなかったゴールである。

実際のところ、筆者自身はGKNのこのコースはこれまでも何度も訪れているから、プログラムの内容自体は、まあ予想の範囲内だった。しかしながらウルスが何よりインパクトがあったのは、体験したプログラムすべてで、圧倒的な性能を見せつけたことだ。驚異的なオフロード性能を見せたのと同じクルマが、スポーツ走行では凄まじい加速と減速、軽快なフットワークを堪能させてくれる。かと思えばオンロードでは景色を楽しむ余裕ある走りに浸ることができるのだ。この全方位にスーパーなパフォーマンスこそ、ウルスの真骨頂と言うべきだろう。

正直、登場当初は「ランボルギーニまで流行に乗ってSUVか…」と思わなかったわけではない。もちろん、実際にそういう側面もあるのだろうが、やると決めたら徹底的にという姿勢はまさに痛快で、ランボルギーニそのものだなと感じた次第だ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
レスポンス
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
LE VOLANT CARSMEET WEB
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
バイクのニュース
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
AUTOSPORT web
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
THE EV TIMES
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
バイクブロス
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
motorsport.com 日本版
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
くるまのニュース
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
VAGUE
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
バイクのニュース
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
モーサイ
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
Webモーターマガジン
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
バイクブロス
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」  理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
くるまのニュース
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2868.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2760.06880.0万円

中古車を検索
ウルスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2868.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2760.06880.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村