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2024年版 世界最速のクルマ 15選 恐るべき性能を持つ「市販車」たち

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2024年版 世界最速のクルマ 15選 恐るべき性能を持つ「市販車」たち

「世界最速」の栄冠を求めて

1886年にカール・ベンツ氏が初めてパテント・モートルヴァーゲンのエンジンに火を入れて以来、「世界最速のクルマ」の称号は熱く争われてきた。

【画像】ブガッティから「世界最速」の座を奪えるか?【ケーニグセグ・ジェスコを写真で見る】 全22枚

パテント・モートルヴァーゲンは、体重の軽いドライバーと恵まれた天候のもとで最高速度16km/h(10mph)を記録した。その後140年近くにわたる発展により、今日の最速のクルマは490km/hという途方もないスピード記録を有している。

世界初の自動車は勇敢なドライバーをもってしても毎秒4.4mしか出せなかったが、2019年のブガッティ・シロンはアンディ・ウォレス氏の運転により秒速136mを記録した。

このレベルのクルマがV-MAX(最高速度)に到達できる場所は、地球上でもほんのわずかしかない。しかし、トップの座を争う自動車メーカーには事欠かない。

このことを念頭に置いて、今回は市販ロードカーで最速のクルマをランキング形式で紹介する。その多くは、加速性能においても最速クラスである。

1. ブガッティ・シロン・スーパースポーツ300+ – 490.4km/h

誰もが認める世界最速チャンピオンは、ブガッティだ。

30台限定の特別仕様車「スーパースポーツ300+」は、フォルクスワーゲン・グループのエーラ・レッシェンというテストコースで、英国人ドライバーのアンディ・ウォレス氏の運転によって490.484km/hを記録した。

北欧神話の雷神「トール」の名を冠したW16クワッドターボエンジンは、記録走行挑戦時に最高出力1600psを発生した。また、高速走行用に最適化されたロングレシオのトランスミッションと、独自のフロント&リアバンパーが与えられていた。

2. SSCトゥアタラ – 475km/h

SSCトゥアタラは当初、最高速度533km/hを “公式” 記録として謳い、ちょっとした論争を巻き起こした。しかし、誤解を招くような “証拠” 映像や、データ記録キットの “精度” に問題があった可能性を遅ればせながら認めたことで、記録はすぐに否定された。

とはいえ、5.9L V8ツインターボを搭載するトゥアタラは、E85バイオエタノール燃料を使用した場合で最高出力1750psを叩き出す。2022年初頭に米フロリダ州ケネディ宇宙センターでオーナーのラリー・キャプリン氏が475km/hを記録したように、決して遅いクルマではない。

3. ゼンヴォ・オーロラ・トゥール – 450km/h(公称値)

デンマークのゼンヴォが生み出したオーロラはV12クワッドターボチャーと3基の電気モーターを搭載しており、その合計出力は1850psに達する。

「トゥール(Tur)」モデルの0-100km/h加速はブガッティ・シロン・スーパースポーツより0.1秒速い2.3秒で、ゼンヴォの発表によれば最高速度は450km/hに達するという。

ショートギアの「アジル(Agil)」モデルの加速力も凄まじく、0-300km/h加速を約10秒で駆け抜ける。

4. ケーニグセグ・アゲーラRS – 447km/h

ケーニグセグは2017年、顧客所有のアゲーラRSを使用して当時の最高速度の世界記録を樹立した際、同時に公道における速度記録も獲得した。

それまで「公道最速」の王座を守ってきたのはメルセデス・ベンツで、1938年に高度に改造されたグランプリカーのW125がアウトバーンの閉鎖区間で431km/hを記録している。約80年越しの記録更新というわけだ。

記録走行に挑戦したアゲーラRSは無改造の市販仕様で、最高出力1360ps(1メガワット)という途方もないパワーを発生する。

5. ヘネシー・ヴェノムF5 – 437km/h

ロータス・エキシージをベースとした先代モデルとは異なり、ヴェノムF5はヘネシーが一から設計した同社独自のハイパーカーである。

カーボンファイバー製シャシーと6.6L V8ツインターボを搭載し、最高出力1817ps、最大トルク165kg-mを発生。0-402km/h加速わずか15.5秒と、ブガッティ・シロンの半分のタイムを誇る。

ヘネシーは最高速度550km/hを謳っているが、437km/hがこれまでの最高記録である。

6. ヘネシー・ヴェノムGT – 435km/h

ヴェノムGT(ロータス・エキシージをベースとしている)は、ブガッティから当時の最高速度記録を奪うことになった。ただ、ここで一波乱起きている。

2014年2月、ヴェノムGTは米フロリダ州ケネディ宇宙センターにある全長約5.2kmのスペースシャトル着陸用滑走路で、往路で435.3km/hを記録した。

しかし、NASAは復路(逆方向)の走行を許可せず、片方向のみの走行であったこともあり、公式なギネス世界記録には認定されなかった。

7. ブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツ – 431km/h

ブガッティは、米国の新興企業SSCに奪われた王座を取り返すべく、ヴェイロンを大幅に改良したヴェイロン・スーパースポーツを投入する。

30台のみの限定生産車で、最高出力1200psにパワーアップされ、400km/h以上の速度に対応するためにエアロダイナミクスが刷新された。

2010年7月、ブガッティのテストドライバーであるピエール=アンリ・ラファネル氏の手により、エーラ・レッシェンのオーバルコースで最高速度431.072km/hを記録した。

=9. アスパーク・アウル – 415km/h

毎週のように新しいハイパーカーが発表されているように思えるが、日本のアスパーク・アウルのように胸を張れるものはほとんどない。

リマック・ネヴェーラと同様、アウルも数々の記録を打ち立てている。最高速度415km/hは市販EVで最速、1/8マイル(201m)の平均速度は309km/h、1/4マイル(402m)では318.8km/hを記録した。

アスパークによると、アウルは「ユニーク」なバッテリーを搭載しており、航続距離450kmを謳う。バッテリー容量は64kWhと、リマックやロータスよりも小さい。

=9. リマック・ネヴェーラ – 415km/h

「EVは遅い」という神話を覆したクルマがあるとすれば、それはリマック・ネヴェーラだ。

クロアチアのリマックが開発したネヴェーラは最高速度415km/hで、アスパーク・アウルと並んで世界最速の市販EVとなった。また、1/4マイル(8.582秒)、0-100km/h加速(1.95秒)、0-160km/h加速(4.3秒)も世界最速だ。

なお、顧客に納車されるネヴェーラの最高速度は350km/hに制限されているが、リマックの公式イベントではこれを解除してマックスパワーを発揮できる。

10. SSCアルティメット・エアロTT – 412km/h

2004年、シェルビー・スーパーカーズ(現SSC)は新型ハイパーカーのエアロを発表した。生産期間はそれほど長くなかったが、最高速度で当時のブガッティを追い抜くには十分だった。

高性能モデルのアルティメット・エアロは最高出力1200ps超のV8ツインターボを搭載し、2007年9月に米ワシントン本社近くの2車線の公道(閉鎖区間)を使った挑戦走行で、412km/h強の平均最高速度を記録した。

11. ブガッティ・ヴェイロン16.4 – 408km/h

当時、ブガッティ・ヴェイロンは史上最も高価で最もパワフルなロードカーだったが、フォルクスワーゲン・グループは公式に世界最速のクルマにしたいと考えていた。

8.0L W16クワッドターボエンジンは最高出力1000psを発生し、7速ATを介して四輪を駆動する。

特別なキーで「トップ・スピード・モード」を起動すると、リアスポイラーが格納され、フロント・エアディフューザーは閉じ、地上高もわずか6.5cmまで下げられる。その結果、最高速度408km/hを記録した。

12. マクラーレン・スピードテール – 403km/h

ゴードン・マレーが設計したマクラーレンF1の最高速度386km/hという世界記録は、その後18年間にわたって保持された。しかし、マクラーレン自身がこの記録を上回るまでには22年を要した。

スピードテールはF1同様、中央にドライビングポジションを持つ斬新な3シーターレイアウトが特徴だ。最高出力757psの4.0L V8ツインターボと最高出力313psの電気モーターの組み合わせにより、合計出力1070psを発生。最高速度は403km/hに達する。

13. Wモーターズ・フェニア・スーパースポーツ – 400km/h

Wモーターズといえばライカンの方が有名かもしれないが、ここで取り上げるのはフェニアだ。ポルシェのチューナーとして知られるルフ(RUF)が開発した最高出力900ps、最大トルク122kg-mの4.0Lツインターボ水平対向6気筒エンジンを搭載している。

フェニア・スーパースポーツは、カーボンファイバー製ボディとチューブ式アルミニウム製シャシーをベースにしている。パワーウェイトレシオはおそらく驚異的なものだろう。

最高速度は400km/h、0-100km/h加速は2.7秒以下であるとWモーターズは主張している。

14. ケーニグセグCCR – 388km/h

こちらは2005年2月、イタリアのナルド・リンクでマクラーレンF1を最高速度の王座から引きずりおろしたマシンである。

CCRはケーニグセグ史上2台目となる市販モデルで、4.7L V8ツインスーパーチャージャーを搭載し、最高出力806psを発生する。最高速度388km/hに達し、マクラーレンとの差はわずか2km/hであった。

しかし、この記録は長くは続かなかった。わずか2か月後、ブガッティが華々しくその栄冠を手にしたのである。

将来の世界最速車? ケーニグセグ・ジェスコ・アブソリュート – 530km/h以上(公称値)

ブガッティから最速記録を奪取する可能性が高いのはケーニグセグだ。

ジェスコ・アブソリュートはツインターボ化された5.0L V8エンジンにより最高出力1600psを超えるが、今のところ最高速度の公式記録は確認されていない。

シミュレーションによると、Cd値0.278という低い空気抵抗と独自のマルチクラッチ式9速トランスミッションの効果もあって、最高速度は531km/hに達すると言われる。

これが事実であれば王座は間違いないだろうが、あくまでメーカー公称値であり、またかなり突飛な数字なので(SSCトゥアタラの例に見られるように)、今回「第1位」として紹介するにはやはり公式記録を持つブガッティがふさわしいと判断した。

欧米メディアの報道では、ケーニグセグは2024年内にもジェスコ・アブソリュートの記録挑戦走行を実施するという話も出ている。コースの制約もあるため簡単な話ではないが、首を長くして待ちたい。

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みんなのコメント

7件
  • twi********
    唯一最高速ではプライドを保ってはいるものの、0-100km/h・0-400m加速では既にブガッティもケーニグセグも、リマックやテスラなどEV勢に勝てなくなってきた。

    こうして歴史は塗り替えられていく。
  • 忌み子として爆誕生だよ。
    ちょっとハイスピード・エトワールみたいな…夢のマシンですね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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