この記事をまとめると
■ペットとドライブするときに気をつけないと道路交通法違反となる場合がある
いま「毛」と「臭い」が中古車価格を下げる! ペットが査定に与える影響とは
■ドッグライフプロデューサーでもある筆者が愛犬をクルマに乗せている方法を紹介
■愛犬とのドライブで役に立つアイテムも紹介する
ペットとのドライブで注意すべきこと
ここ1~2年で、愛犬と泊まれる宿泊施設が急増。モータージャーナリスト&ドッグライフプロデューサーの筆者も毎月のように、新施設に訪問しているほどだ。
高速道路のSA/PAにドッグランが併設されているところも多く、つまり、愛犬とドライブ旅行する環境が、以前にも増して整ってきたことになる。観光地、リゾート地に向かう高速道路のSA/PAに立ち寄ると、愛犬連れの旅行客をいままでより格段に多くみられるのもその証拠と言っていい。
が、すべての愛犬家が、愛犬とのドライブで、愛犬を正しく乗せているかは、疑問だ。愛犬の乗せ方によっては、危険を伴い、また、道路交通法違反になることもあるから要注意である。
まず、可愛さのあまり、あるいは愛犬が寂しがり屋だからといって、ドライバーが愛犬を膝の上に乗せて運転している光景を見かける。これは完全にNG、道路交通法違反である。その根拠は道路交通法第55条2項(乗車又は積載の方法)にあり、「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装着の操作の妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安全を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない」という点で引っかかる。
当然、反則金と違反点数を課せられることになる(普通車で7000円、違反点数1点)。ゴールド免許ともお別れである。
あまり言いたくはない話だが、日本において、ペットは法律上モノ扱い。膝の上に大きな、運転の支障になるような荷物を乗せたまま運転しているのと同義なのである。
また、愛犬が窓から顔を出して走行しているのも、同様の道路交通法違反になる。これは、サイドミラーの視界を遮る可能性があるだけでなく、万一の際、愛犬が車外に放り出される危険があり、「愛犬が風に吹かれ、気持ちよさそうだから」なんていう理屈は、法律上、通用しない。
こちらは道路交通法第七十条に抵触し、普通車で反則金9000円、違反点数2点となる。
ところで、愛犬とドライブしているとき、愛犬が排泄するのは致し方ないこと。愛犬家ならすぐに拾い、適切に処理しているはずだが、その排泄物を、良かれという思いで、自宅に帰って処理するためビニール袋に入れてリヤワイパーに引っかけて走っているクルマを見かける。が、それもまた道路交通法違反なのである。
根拠は道路交通法第第11節(乗車、積載及び牽引)の55条(乗車又は積載の方法)にあり、「車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない」である。
リヤワイパーは積載場所ではないため、完全にアウト。しかも、万一、走行中に落下したとすれば、後続車がそれに驚き、事故に巻き込まれる可能性もあるから危険そのものだ。
安全で便利なアイテムを使えばペットとのドライブはさらに楽しい
と、カタイ話ばかりしてきたが、毎月のように仕事、プライベートでわが家の愛犬たちとドライブ旅行に出かけている、ドッグライフプロデューサーでもあるボクが、どうやって愛犬をクルマに乗せているかと言えば、基本は飼い主の目が届き、乗り心地、静粛性、空調環境面で犬にやさしい後席に乗せている(3列シートミニバンで、2列目席に飼い主が乗っている場合は、エアコン吹き出し口のある3列目席でもOK)。
しかも、人間は必須のシートベルトに代わる、拘束装置……というと大げさだが、リードフック付きのドライブベッドやペットカートのキャビンなどに乗せ(車内を抜け毛やヨダレで汚さない効果あり)、さらにリード&ハーネスセットを用い、ハーネスを装着させ、短めにしたリードの先をヘッドレストで固定して、二重の安全対策を施した上で、安全快適に乗せ、ドライブを楽しませてあげている(もちろん、飛び出し防止にも役立つ)。
ちなみにハーネスとは胴輪のようなアイテムで、首だけにかけるカラー(首輪)と違い、強いテンションがかかっても、首が締まらないため、愛犬用シートベルトとしても適切と考えている。下の写真のリード&ハーネスは、DOG DEPT2023年春夏新作カモフラソフトハーネス&リードセット。
ところで、寂しがり屋の愛犬と飼い主ふたりのドライブの場合、愛犬を後席に乗せると寂しくて可哀そう……という想いから、助手席に乗せたくなる飼い主もいるはずだが、何の拘束装置もないまま乗せるのは、先に説明した道路交通法違反になる。
万一の際のエアバッグ展開時に、愛犬が死に至るダメージを被ることもあり得るのだから、絶対にNGである。とはいえ、超小型犬を後席にひとりで乗せると、寂しくてわんわんうるさく、運転に集中できない……というケースもあるだろう。そこで、超小型犬、小柄の小型犬限定とはなるのだが、ホンダの純正アクセサリーにある、Honda Dogシリーズの「ペットシートプラスわん2」がお薦めだ。
後席、エアバッグが付いた助手席に、安全にしっかりと取り付けられ、ドライバーの飼い主ひとりと寂しがり屋の超小型犬、小型犬だけのドライブでも、助手席に装着することで、左右と上部にあるメッシュ窓によってお互いにアイコンタクトすることができ、安心。
通気性にも優れ、上からも横からも乗車させることができ、底部には飛び出し防止のリードフックが付いているので、快適性、乗降性、安全性も文句なしというわけだ(エアバッグの展開に対応した形状になっている。走行中は上部を閉めること)。
ちなみに、最近、わが家で愛犬のジャックラッセルのララとドライブするときに使っているのが、ベビーカートやペットカートで有名なコムペットから発売されているFikaGO FLYTTA PLUS(フィカゴーフリッタプラス)というペットカート。
普段のお散歩やドライブ先での移動に便利なペットカートだが、たった1秒で自動かつコンパクトに収納できる”自動折り畳み機能付きの技アリ”なペットカートで、なおかつ、犬が収まるキャビンを外せ、そのメッシュ窓を備えたキャビンを後席に付属のベルトと後席用シートベルトを使って、しっかり確実に固定できるマルチな使い勝手を備えているのである。
前輪はサスペンション付きで、実際に乗っているわが家のジャックラッセルのララによれば、乗り心地もなかなかとのこと。
通常サイズがFikaGO FLYTTAで、キャビンがロング仕様になっているのがFikaGO FLYTTA PLUS。キャビンと車体本体が分離できるため、キャビンを後席に設置すれば、トランクやラゲッジルームへは、コンパクトに畳んだ車体本体だけを積めばよく、そのほかの荷物を含む積載性にも優れているというわけだ。
下の写真は新型クロストレックのラゲッジルームにFikaGO FLYTTA PLUSの車体本体を縦、横に置いたところ。ラゲッジルームの実測寸法は奥行810×ホイールハウス間の最小幅1085mm。
ぜひ、こうしたアイテムを使って、愛犬との安全で快適なドライブを楽しんでほしい。少なくとも、ペットの危険な乗車が原因で、道路交通法違反で取り締まられ、免許にキズがつくことはなくなるわけだ。
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みんなのコメント
犬が喜んでいたら虐待ではないかと。
ただし、道交法違反ではあります。
但し違反な為、捕まっても知らんけど。