デリカミニにタントファンクロスなど、スーパーハイトワゴンにもSUV人気の波がハンパなく押し寄せている。となれば新型N-BOXにも当然設定されるかと思いきや、まさかのなし。王者の余裕なのか!? それとも……????
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部
デリカミニになんで続かないのよ!! 新型N-BOXにSUV風モデルを設定しなかったワケ
■スーパーハイト軽もSUVの波到来!! 追加すればバカ売れ必須状態に
スペーシアギアからはじまり、タントファンクロス。そしてデリカミニとこの市場は今超アツいのだ!!!!!
ホンダ 新型N-BOXが公開され、販売店では、2023年8月4日から価格を明らかにして先行予約受注を開始した。
その概要を見て、疑問を感じた人もおられると思う。新型N-BOXには、ライバル車と違って、SUV風のモデルが追加されていないからだ。
N-BOXのライバル車となるスズキ スペーシアは、現行型を2017年12月に発売して、SUV風のスペーシアギアを2018年12月に加えた。これによりスペーシアは売れ行きを増やした。
現行型にフルモデルチェンジされた直後の2018年は、1か月平均販売台数が1万2675台だったが、2019年は1万3866台となっている。
フルモデルチェンジを行うと、通常はその翌年が最も多く販売され、次第に売れ行きを下げるが、スペーシアはギアの追加で9%増加。
そのため2020年と21年の販売台数は、2019年に登場した設計の新しい現行ダイハツタントを上まわり、軽自動車の販売ランキングもN-BOXに続く2位になった。ギアはスペーシアの売れ行きを底上げする効果を発揮したのだ。
一方のタントは、2019年に発売されながら、前述の通り20年と21年の販売台数がスペーシアを下まわって問題に。
そこでタントは、2022年10月にマイナーチェンジを行って、SUV風のタントファンクロスを加えた。この効果も大きく、2022年のタントの販売台数は、スペーシアを抜いて軽自動車ではN-BOXに次ぐ2位になった。2023年の1~7月も同じ順位だ。
このように全高が1700mmを超えるスライドドアを装着したスーパーハイトワゴンでは、SUVの設定が売れ行きと販売ランキングに大きな影響を与える。
今は小型/普通乗用車の分野でもSUVの人気が高く、ミニバンを抜いたから、軽自動車でも注目度は高いのだ。
特にスーパーハイトワゴンは売れ行きが絶好調だから、SUV風のモデルを加えると相乗効果で車種全体の売れ行きを大きく増やせる。タントファンクロスとスペーシアギアは、それを証明したカタチに。
■ただでさえ来年アタマ納車!! 追加すれば納期さらに延長……
6年ぶりのフルモデルチェンジとあって注目度もバツグン!! そう今注文が殺到しているのだ
この流れを考えると、新型N-BOXにもSUV風のモデルが用意されて当然と思えるが、実際には用意されていない。この背景には複数の理由がある。
まずは納期の問題。N-BOXはフルモデルチェンジを直前に控えた2023年1~7月でも、国内のベストセラーだった。
従来型からの乗り替え需要も多く、バリエーションを増やすと、納期が大幅に延びることが心配される。
2023年8月下旬にホンダの販売店に尋ねると、「新型N-BOXは現在の先行予約受注でも、多くの注文をいただいている。そのために8月下旬に契約されても、納車は年末から年明けになりそうだ。10月には販売店に試乗車が入って販売促進も本格化するから、納期がさらに延びることも考えられる」。
このような状態だから、仮に新型N-BOXにSUV風のモデルが予定されていても、発売時点では用意しないのだった。
要するに納期を長引かせる原因になってしまうのだ。投入するとしても、売れ行きと納期が落ち着いた頃になる。
ちなみに新型アルファード&ヴェルファイアも、上級グレードに限定して発売された。それでも納期が1年以上に遅延して、受注を停止させた販売会社が多い。
■SUV追加すると目的達成せず!? コスト削減が新型N-BOXの目的だった
フル液晶メーターは一見高価と思えるが、じつは物理メーターよりもコストを抑えられるというメリットも!!
新型N-BOXがSUV風のモデルを用意しない2つ目の理由はコストの低減だ。
ホンダの社内からは「先代N-BOXは開発と製造関連のコストが高く、大量に売られる割に利益が少ない」という話が聞かれる。2023年上半期(1~6月)の売れ行きを見ると、国内で新車として売られたホンダ車の40%がN-BOXであった。
膨大に売られるN-BOXの利益が少ないと、国内の業績にも良くない影響を与える。つまり新型N-BOXを投入する目的には、1台当たりの利益を高めることも含まれる。
そのために新型N-BOXは、エンジンからプラットフォームまで、先代型を踏襲して開発された。前後席の間隔など、シートの基本的な配置も先代型と同じだ。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)の数値も、おそらく変更されない。
メカニズムについても、マイルドタイプを含めてハイブリッドは用意されず、安全装備も、近距離衝突軽減ブレーキや急アクセル抑制機能が加わる程度だ。
新たに採用されたデジタルメーターは、開発と製造の仕方によっては、従来のアナログメーターよりもコストを安く抑えられる。
ボディパネルやインパネの形状は刷新して、後席の座り心地なども改善したが、そのほかはコストを低減できる内容になっている。
新型N-BOXの開発テーマに、コスト低減があったとすれば、SUV風のモデルの設定は逆行するから見送られたというワケ。
またホンダは、既にSUV風のモデルとしてフリードクロスターとフィットクロスターを用意するが、この2タイプは販売面であまり成功していない。
そのためにステップワゴンに、クロスターに準じたグレードはなく、新型N-BOXもSUV風のモデルを設定しなかったと考えられる。
■ライバルに続かず!? 新型N-BOX独自の派生モデル検討中か
このほか開発者は「新型N-BOXでは、威圧感の伴うフロントマスクは採用したくなかった」と述べている。
そのために標準ボディのフロントマスクは、シンプルな家電製品をモチーフに、細かな穴の空いたデザインとした。
カスタムも含めてメッキパーツの使用を抑えている。SUV風のフロントマスクは、このデザインコンセプトに合わないと判断された可能性もある。
そしてホンダは、以前からライバル車の後追いを嫌う。仮に標準ボディとカスタムに続く3つ目のモデルを加えるとしても、タントファンクロスやスペーシアギアのようなSUV風とは違うタイプを考えているかも知れない。
以上のように、新型N-BOXがSUV風のモデルを用意しなかった背景には、昨今の納期問題から新型に課せられるコスト低減、新型のデザインコンセプトまで、いろいろな事柄な影響を与えている。
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みんなのコメント
多分クロスターはたいして売れてはいないのだろう。だったら、わざわざ「売れるN-BOX」に余計なグレードを設定する必要もない。