2019年8月31日、F1第13戦ベルギーGP予選がスパ・フランコルシャンサーキットで行われ、フェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得、2位にもセバスチャン・ヴェッテルが入り、フェラーリがフロントロウを独占した。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは2番手のヴェッテルと0.4秒差で、メルセデスAMG勢に続く予選5番手となった。2番手以降のタイム差はわずかで、決勝は接戦となりそうだ。スペック4のパワーユニットを搭載しグリッド降格が決まっているレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンとトロロッソ・ホンダのダニール・クビアトは、14位、18位だった。(タイトル写真はポールポジションを獲得したフェラーリのシャルル・ルクレール。フェラーリのフロントロウ独占はバーレーンGP以来)
上位勢のタイム差はわずか、決勝では波乱もあるか
予選が行われた土曜日、天候は晴れ、気温31度。路面温度40度と、この時期のスパ・フランコルシャンとしては高温となった。
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今回はこのサーキットを得意とするフェラーリが好調で、予選ではルクレールが圧巻の走りでポールポジションを獲得した。ただ、2番手以降は大接戦で、2番手ヴェッテルから、3番手ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)、4番手バルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)、5番手フェルスタッペンまで、わずか0.423秒差となっている。
悔しい結果となったのは、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとダニール・クビアト。予選Q1終了間際のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)のエンジンブローのためセッションが赤旗終了、最後のアタックに入っていたガスリーとクビアトのタイムは計測されず、Q1敗退となってしまった。
一方、レッドブル・ホンダへの移籍で注目を集めるアレクサンダー・アルボンは問題なくQ1を突破したが、パワーユニット交換でグリッド降格が決まっているため、Q2はアタックラップ1周のみで切り上げ、予選を14番手で通過した。
タイヤを供給するピレリは「予選ではソフトタイヤが使われました。Q3に進出した10名はソフトタイヤでスタートすることになります。追い越しが可能なスパでは、ピットストップのタイミングは重要で、さまざまな戦略が見られるかもしれません。ただ、決勝が路面がドライのままであれば、ワンストップが最善となるでしょう。理論的にはソフトタイヤで18~22周走行してミディアムに切り替えるのが理想です。2ストッパーであれば、ソフトタイヤで15周、もう一度ソフトで15周走行し、ミディアムで最後の14周を走り切るのがいいと考えられます。レース序盤でセーフティカーが導入された場合は、12から14周でハードタイヤに交換するという戦略もあるでしょう」と分析している。
ホンダの田辺豊治 F1テクニカルディレクターは「予選では、レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手が5番手とまずまずのポジションを確保してくれました。Q1では一時的なパワーダウンが発生しましたが、セッティングを変更しQ3まで走りきること ができました。一方でトロロッソ・ホンダのガスリー選手とクビアト選手は他車のトラブルによる赤旗の影響でアタックできず、Q1敗退と残念な結果になりました。このレースから新しくスペック4を投入したレッドブル・ホンダのアルボン選手、クビアト選手については、ペナルティにより後方からのスタートが決定しているため、今日のセッションはレースに向けたセッティングの最適化に時間を費やしました。決勝はスペック4のパワーユニットを使用した初のレースになります」と語る。
マックス・フェルスタッペン
「マシンの感触はよく、セカンドセクターでとくに速さをみせることができました。このサーキットは、 フェラーリ勢にとって(僕たちに比べると)合っているコースのようで、とてつもない速さをみせているので、彼らに勝つことは難しいかもしれません。いかにメルセデス勢に近づけるか、改善をしていきたいと思います。まだやるべきことはありますが、総合的にマシンの仕上がりには満足しています」
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「まだマシンについて学んでいる途中ですし、なるべく長い走行距離を走りながら、焦らずに進めていこうと思っています。パワーユニット交換によるペナルティがあるため、ショートランというより日曜の決勝中のレースペースを重要視しています。チームの皆が温かく迎えてくれているおかげで、居心地がよく過ごさせてもらっています。まずは新しいチームとマシンでの初戦でいいレースがしたいと思っています」
ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
「夏休みが終わり、マシンに戻ってくることができてうれしいですし、スパは夏休み後の初戦にはぴったりのサーキットではないかと思います。まだ僕たちはマシンをこのサーキットに合わせきれなかったようでした。何人かの選手は今週末グリッド降格のペナルティがありますし、レースは一層おもしろくなるのではないでしょうか。明日のためになにができるか検討し、ベストを尽くしたいと思います」
ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
「まずはマシンに慣れること、そして新しい手順や挙動を学ぶことです。この週末にとてもいいプランを準備していて、一周ごとにマシンにも慣れてきているように感じています。ペースの面では少し苦戦していますが、明日はさらにいい走りができるように方向性を見定めなければなりません。何人かの選手はペナルティを受けることが決まっているので、競争力のあるマシンを準備して日曜の決勝に挑みたいと思います」
好調フェラーリをホンダ勢、メルセデスAMGがどう攻略するか。F1第13戦ベルギーGP決勝は9月1日15時10分(日本時間22時10分)にスタートする。
F1第13戦ベルギーGP予選結果
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:42.519
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:43.267
3位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:43.282
4位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:43.415
5位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:43.690
6位 3 D.リカルド(ルノー) 1:44.257
7位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー) 1:44.542
8位 7 K.ライコネン(アルファロメオ・フェラーリ) 1:44.557
9位 11 S.ペレス(レーシングポイント・メルセデス) 1:44.706
10位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ) 1:45.086
※グリッド降格のため、 3 D.リカルドは10番手、27 N.ヒュルケンベルグは12番手から決勝スタート。
14位 23 A.アルボン(レッドブル・ホンダ)
16位 10 P.ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
18位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)
※決勝スタート順は、 10 P.ガスリーが14番手、23 A.アルボンは18番手、 26 D.クビアトは19番手。
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