スティーブ・マックイーンの映画に登場した幻のマスタングGTがワシントンD.C.に展示

かつてスティーブ・マックイーン主演の映画『ブリット』で活躍した1968年式「マスタングGT」の実車が、ワシントンD.Cに展示されることとなった。

米国が誇る名優スティーブ・マックイーンが派手なカーチェイスを繰り広げる往年の名作『ブリット』。このなかで、主演のマックイーンに勝るとも劣らない注目を浴びたのが1968年式のマスタングGTだ。

映画の撮影に使われた2台のうち、スタントに使用された1台はスクラップヤード送りとなった後、2017年にカリフォルニアで再発見されたが、マックイーンがステアリングを握ったもう1台は撮影後ながらく行方不明となっていた。歴史に埋もれたかに思えたこの１台は、実は人知れず愛好家に売却されており、オーナーとメーカーの調整の結果、本年1月のデトロイトモーターショーにサプライズ出展されたことは既報（https://carview.yahoo.co.jp/news/newmodel/20180119-10282636-carview/）のとおり。

そしてこのたびその実車が、マスタング生誕54年および映画『ブリット』公開50年を記念し、ワシントンD.C.のナショナルモールに展示されることとなった。スミソニアン博物館やリンカーン記念堂のほど近くの歴史の核心ともいえる場所で、ガラスケースに収められた姿は、このクルマがアメリカ文化を体現した存在であることの証であるようにも見える。さらにそのディテールには、撮影用のカメラマウントが溶接された跡や、マックイーンの希望で取り払われたリアのバックアップランプなど、その来歴を表す数々の特徴がそのまま残っており、貴重な文化遺産としての価値を高めている。

マスタングファンはもちろんマックイーンファンからも熱い視線を浴びるマスタングGT。すでにオリジナルは入手不可能だが、デトロイトショーでは最新型のマスタングクーペをベースにしたオマージュモデル「マスタング・ブリット（写真9～13枚目）」が出展された。475馬力を叩き出すこちらはアメリカで3月から注文を受け付けており、好評を持って迎えられているようだ。