現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 世界2大市場でどう戦う? あるのか市販!?? NY&上海ショーで脚光を浴びた日本車勢

ここから本文です

世界2大市場でどう戦う? あるのか市販!?? NY&上海ショーで脚光を浴びた日本車勢

掲載 更新
世界2大市場でどう戦う? あるのか市販!?? NY&上海ショーで脚光を浴びた日本車勢

 4月に行われた上海モーターショーとニューヨークモーターショーに出展された日本車たちから、バラエティに富んだ全9モデルをお見せしよう。

 言うまでもなく、米中どちらも日本車メーカーにとって重要な世界2大市場。そこに向けてどんなクルマを用意しているかは、日本のクルマ好きにとっても興味深いところ。

【あの超名門SUV 新型は2021年??】ファイナルエディション絶好調!! 次期パジェロにPHEV搭載か!?

 もちろん、日本への導入が確実なクルマ、そのまま逆輸入ということはなくても、技術面などのフィードバックが期待されるクルマもあって、そちらも大いに気になるところだ。


※本稿は2019年5月のものです
文:永田恵一/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年6月10日号

■トヨタ ロンバス(上海ショー)

●中国の若者向けEVコンセプト

 上海モーターショーに出展された「RHOMBUS」(ロンバス。英語でひし形の意味)はトヨタの中国の開発部門が手がけた、20代以下の中国の若者をターゲットにしたEVコンセプトカーである。

1990年以降に生まれた中国の若者に向けた都市型EVコンセプトカー。独特の3列4人乗りシートは、停車中には向き合って座ることができるなど、新しい提案が満載

 左右スライドドアで運転席が1席、Bピラー付近に独立したシートが2席、後ろに1席という変則的な4人乗り3列というシート配置となる。

 運転席には180度回転する機能もあり、目的地に着いたら簡単なテーブルでも立てて、食事や談笑するといった楽しみ方もできそうだ。

 このコンセプトは休日などに駐車場で文字どおりクルマを部屋として使う用途にも応用できそうなものなので、断片的にでも市販車へのフィードバックを期待したい。


■スバル アウトバック(NYショー)

●ワイルドさと先進技術をともに強化

 2月のシカゴショーでのB4に続き、NYショーでアウトバックが世界初公開され、新型レガシィが出揃った。

1995年の初代レガシィグランドワゴン以来、これが6代目となるアウトバック。先代よりもさらにSUVテイストを濃くして登場した。日本では今年10月のデビューが予想されており、フラット4、2.5Lのガソリンとハイブリッドのラインナップとなる

 6代目となる新型アウトバックも、ステーションワゴンにSUVの要素をミックスしたクロスオーバーという点や、「ユーザーの生活を豊かにするクルマ」というコンセプトは不変である。

 機能面は新世代のスバルグローバルプラットフォームへの移行、CVTと組み合わされるNAの2.5L直噴フラット4とフラット6の置換エンジンとなる2.4Lフラット4ターボの搭載など、大まかにはB4に準ずる。

 しかし平均的なSUV以上となる220mmという最低地上高の確保や、2.4Lフラット4ターボではトーイング(ボートなどの牽引)性能を約30%高めるなど、キャラクターにふさわしい改良が多数施されている。

11.6インチのフルHD縦型ディスプレイを備えた最新型のインフォテイメントシステムを採用。タブレット感覚で快適に使える新しい装備だ

 B4の日本導入は流動的であるが、アウトバックは今秋の日本導入が確実視されていて、日本では2.5Lのガソリンエンジンとハイブリッドが設定されそうだ。

 日本車唯一のラージクロスオーバーとして、次期アウトバックはさらに存在感を高めそうだ。

■三菱 e-Yi(イーイー)コンセプト(上海ショー)

●アウトランダーをイメージさせるPHEV

 三菱は3月のジュネーブショーでワールドプレミアしたエンゲルベルクツアラーを「e-Yi(イーイー)コンセプト」に名前を変え、上海ショーでアジアプレミアした。

ツインモーター4WDで走るPHEVで、発電用の2.4Lガソリンエンジンを搭載

「e-Yiコンセプト」は専用の2.4Lエンジンを発電用に使い、前後輪それぞれをモーターで駆動する4WDのプラグインハイブリッド。

 EV走行距離は70km以上、満充電+ガソリン満タンからの航続距離は700km以上(それぞれWLTPモード)と公表されている。

 これらの情報を見ると「次期アウトランダーPHEVを示唆するコンセプトカー?」と感じるが、「e-Yiコンセプト」は3列シートとのこと。

三菱自慢の車両統合制御システム「S-AWC」を採用するほか、インテリアには12.3インチの大型ディスプレイを2つ配置している。シートは3列だ

 ボディサイズは公表されておらず、そのため現行アウトランダーPHEVの一車格上に位置するクルマなのか、それとも次期アウトランダーPHEVがバッテリーの進化などにより現行と近いサイズのまま3列シート車となるのか、非常に気になるところだ。


■トヨタ ハイランダー(NYショー)

●米国の量販3列シートSUV

 かつて日本でクルーガーの名で販売されていたハイランダーは、3列目シートを持つラージSUVだ。

4代目となる新型ハイランダーは「TNGA」を採用した全面改良モデル。全長4950×全幅1930×全高1730mmの大型サイズで3列シートを備える

 NYショーで発表された4代目はTNGAを使ったカムリベースのSUV。パワートレーンはV6ガソリンと2.5L直4ハイブリッドで、4WDも最新のものとなる。

 発売はアメリカを皮切りにV6が今年12月、ハイブリッドが来年2月からと公表されているが、残念ながら日本導入はされないようだ。


■ホンダ X-NVコンセプト(上海ショー)

●“ヴェゼル”ベースの中国市場専用EV

 X-NVコンセプトは昨年の広州モーターショーで発表された広州ホンダの理念「VE-1」の東風ホンダ版。

ヴェゼルベースの中国専用ピュアEVで、今年後半に発売の予定。ホンダは「2025年までに中国で20種以上の電動車を投入する」と発表している

 ヴェゼルをEVにした2台の中身は共通で、53.6kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に積み、航続距離360km(欧州のNEDCモード)、最高出力は163psとなる。

 中国では今年後半に市販化される予定で、ホンダは来年以降、中国へのプラグインハイブリッド車の投入も計画している。


■日産 シルフィ(上海ショー)

●一気に若返った人気No.1セダン

 日本での存在感は薄いが、中国では人気車のシルフィがフルモデルチェンジされた。

地味なデザインから一気に若々しいスポー ツセダンに変身したシルフィ。中国で最も売れている日産車だけに渾身のモデルチェンジだ

 上海ショーで発表された新型シルフィは全高が低めな4ドアクーペルックで、インテリアもダッシュボードの形状や明るいインテリアカラーを持つなど、セダンとしては攻めた内外装を持つ。

 機能面は4ドアクーペルックらしくCd値0.26と小さく、CVTと組み合わされる1.6L NAエンジンは改良され、ボディ剛性の強化やサスペンションの見直しなども施されている。

パワートレーンは1.6L NAエンジン+CVTでコネクテッドシステムも充実

 派手さはないものの着実な進化を遂げているようだ。基本がしっかりとしたクルマに見えるだけに、スポーツモデルの登場も期待したい。


■インフィニティQsインスピレーション (上海ショー)

●電動4WDのスポーツセダン

 インフィニティQsインスピレーションは、次世代の日産のスポーツセダンを示唆するコンセプトカーである。

電動4WDシステムを装備するスポーツセダン。次期スカイラインを暗示するコンセプトカーなのか?

「高性能な電動4WD」ということでEVのようだが、アーキテクチャ(基本構造)は電動化に対応したものと発表されており、PHEVやe-POWERへの対応も想定されているのかもしれない。

 またデザインは「日本のDNAを持つもの」と公表され、FRのようなプロポーションをしている点、スポーツセダンということを総合すると、もしかすると、そう遠くない将来のスカイラインに繋がる存在なのかもしれない。

 当然、日本市場も考慮されている。


■インフィニティ Q50シグネチャーエディション(NYショー)

●創業30周年記念 特別仕様モデル

 今年はインフィニティブランドの発足から30年の節目でもあり、NYショーではその記念も兼ね、Q50(日本のスカイライン)の特別仕様であるシグネチャーエディションが発表された。

スポーツデザインの前後デザインと19インチホイールを採用している

 シグネチャーエディションは300psの3L V6ツインターボ車に内外装のドレスアップが施されたモデルで、ボディカラーは5色が用意される。

 日本で今ひとつパッとしないスカイラインのテコ入れ策として、導入を期待したいモデルだ。


■レクサス LM300h(上海ショー)

●スーパー豪華なレクサス初ミニバン

 日本で最も話題となった上海ショーの日本車がレクサスLM300h。レクサス初のミニバンで、ベースはもちろんアル/ヴェルだ。

3列シートも設定されるという

 前後シートを区切るパーティションや大型モニター、豪華なシートなどを持ち、中国の富裕層を惹きつける。ただし、日本での販売予定はない。


◎ベストカーwebの『LINE@』がはじまりました!
(タッチ・クリックすると、スマホの方はLINEアプリが開きます)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

エネオスのEV充電サービスが半額に!EVオーナー必見のおトクなキャンペーン始まります
エネオスのEV充電サービスが半額に!EVオーナー必見のおトクなキャンペーン始まります
グーネット
新型がどんどん出てくるんよ!! ホンダの[現行SUV]の勢いが止まらない
新型がどんどん出てくるんよ!! ホンダの[現行SUV]の勢いが止まらない
ベストカーWeb
信州の老舗旅館「一茶のこみち 美湯の宿」の100%掛け流し温泉【風呂じまんの宿31選】
信州の老舗旅館「一茶のこみち 美湯の宿」の100%掛け流し温泉【風呂じまんの宿31選】
グーネット
ダイハツ 新たな軽スポーツ!?ターボ&MT仕様「ミライース」披露!東京オートサロン2025
ダイハツ 新たな軽スポーツ!?ターボ&MT仕様「ミライース」披露!東京オートサロン2025
グーネット
TGRの原点を辿る…手作りチームで挑んだニュル参戦車両が東京オートサロン2025に集結
TGRの原点を辿る…手作りチームで挑んだニュル参戦車両が東京オートサロン2025に集結
グーネット
お値段1980万円!? 1台限定、名古屋で買える超プレミアムな福袋の正体とは…
お値段1980万円!? 1台限定、名古屋で買える超プレミアムな福袋の正体とは…
グーネット
カッコよすぎるトヨタ[ミニバン]に変貌 [大胆シエンタ]にざわつく!
カッコよすぎるトヨタ[ミニバン]に変貌 [大胆シエンタ]にざわつく!
ベストカーWeb
ポルシェやメルセデスのお膝元「シュトゥットガルト」の交通事情…日本と違う交通標識や罰則にはご注意を【みどり独乙通信】
ポルシェやメルセデスのお膝元「シュトゥットガルト」の交通事情…日本と違う交通標識や罰則にはご注意を【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
視界をクリアに、運転をもっと安全に! 日本精機が後付けヘッドアップディスプレイ「LumieHUD」を新発売
視界をクリアに、運転をもっと安全に! 日本精機が後付けヘッドアップディスプレイ「LumieHUD」を新発売
くるまのニュース
極上エクスプレス・アウディ 新型 S6 e-トロン・スポーツバックへ試乗 見事に調教された「野獣」
極上エクスプレス・アウディ 新型 S6 e-トロン・スポーツバックへ試乗 見事に調教された「野獣」
AUTOCAR JAPAN
TRDの試作パーツを組み込んだトヨタ「86」に試乗!「14R-60」を参考に剛性バランスをアップさせた驚きの走りとは?【デモカー試乗】
TRDの試作パーツを組み込んだトヨタ「86」に試乗!「14R-60」を参考に剛性バランスをアップさせた驚きの走りとは?【デモカー試乗】
Auto Messe Web
沖縄パワーで表彰台へ! 平良響とオキナワドリームレーシングが2025年TGR GR86/BRZ Cupに参戦
沖縄パワーで表彰台へ! 平良響とオキナワドリームレーシングが2025年TGR GR86/BRZ Cupに参戦
AUTOSPORT web
英国で一番忙しい? 日産の巨大工場でクリスマス 休みの日も設備アップグレード
英国で一番忙しい? 日産の巨大工場でクリスマス 休みの日も設備アップグレード
AUTOCAR JAPAN
“EV”の「Gクラス」実際どう? 「Aクラス」4台分のパワー誇る「G 580」が凄すぎ!? メルセデス・ベンツ史上最強の「オフローダー」の実力とは
“EV”の「Gクラス」実際どう? 「Aクラス」4台分のパワー誇る「G 580」が凄すぎ!? メルセデス・ベンツ史上最強の「オフローダー」の実力とは
くるまのニュース
「バック駐車」に勝るものはない! 「前向き駐車」を推奨するメディアに一言 英国記者の視点
「バック駐車」に勝るものはない! 「前向き駐車」を推奨するメディアに一言 英国記者の視点
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニのポリスカー3選…イタリア警察で活躍したファイティングブルの任務は? スピート違反取締ではなく緊急医療対応でした
ランボルギーニのポリスカー3選…イタリア警察で活躍したファイティングブルの任務は? スピート違反取締ではなく緊急医療対応でした
Auto Messe Web
23XIとFRMによるNASCAR独占禁止法訴訟は長期化へ。仮差し止め命令適用でチャーター購入は一部承認か
23XIとFRMによるNASCAR独占禁止法訴訟は長期化へ。仮差し止め命令適用でチャーター購入は一部承認か
AUTOSPORT web
『ホンダNSX GT2(1994年~1996年)』オール日本人クルーで掴んだル・マンの栄冠【忘れがたき銘車たち】
『ホンダNSX GT2(1994年~1996年)』オール日本人クルーで掴んだル・マンの栄冠【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

199.3267.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.8135.0万円

中古車を検索
シルフィの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

199.3267.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.8135.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村