心臓部はSR改2.1L+GTX3076タービンで420馬力を発揮!
倉野尾・父のマシンをベースにリセッティング
「1200馬力の4ローターエンジン搭載!」リバティーウォーク作の魔改造S15シルビアがドリフトシーンを席巻!!
今回ピックアップするのは、D1ライツシリーズ第3戦(名阪)でヴィトー博貴選手の連覇を阻止し、逆転優勝を決めた九州地区を代表するドリフターの野々英喜選手だ。
野々選手は昨シーズンまでS13シルビアで戦っていたが、トラブルが続いたことからマシンチェンジを決意。今シーズンは車両製作に専念する予定だったが、同じく九州地区からD1ライツシリーズに参戦している倉野尾太一選手の父・雄一さんから「それなら俺のクルマを使って出場しなよ」という提案を受け、急きょS15シルビアで参戦することになったという。
開幕戦の奥伊吹では、ナプレックのハイレスポンスレースキットを組んだ2.1Lのフルチューン仕様だったが、ロッカーアーム飛びに起因するトラブルでヘッドが全損してしまったため、名阪戦ではノーマルヘッドにHKSのハイカムを組んだ仕様へとチェンジ。制御はパワーFCが担う。
タービンはGCGのGTX3076 Gen2で、ブースト1.3キロ時におよそ420psを発揮させている。
クラッシュ時の被害拡大を防ぐために、インタークーラーはコアサポートの下部に配置。その前後にオイルクーラーとラジエターをマウントし、いわゆる“中置き”仕様を構築している。
車高調はDG-5(F8kg/mm R5kg/mm)を軸に構築。20mm延長のロアアームや切れ角アップナックルは、野々選手のショップ“ヴィグラス”のオリジナルだ。テンションロッドはスキッドレーシング製を使う。
リヤメンバーはS15純正をベースに補強を入れてリジットマウント化。ミッションは元々HKSのシーケンシャルドグが搭載されていたものの「Hパターンの方が慣れている」との理由で、HKSのHパターン5速ドグに乗せ換えた。
タイヤは決勝戦がサイルンタイヤのジーンRポディウムD(FR265/35-18)、それ以外は同社のアトレッツォR01スポーツ(リヤ)というチョイス。「R01は履き慣れていて乗りやすいんですが、決勝はそう言ってられる相手ではないので」と、慣れないながらもグリップ力の高いポディウムDを投入したそうだ。
室内はシンプルなメイキングだ。シートは運転席がブリッドのジータIIIで、助手席がブリックス。ステアリングはナルディを愛用する。
第3戦名阪の決勝戦。1本目の先行時に、通過指定ゾーンを外してヴィトー選手に1ポイントのアドバンテージを取られたものの、2本目に圧巻の追走劇を披露して見事に逆転勝利を決めた。
「今年くらいはシリーズを狙いたい」と意気込む野々選手。元々、車両スペックのハンデをテクニックで補ってきた選手なだけに、新戦力を手に入れた男がどこまで戦果を稼げるのか、今後の戦いには注目だ。
TEXT&PHOTO:Daisuke YAMAMOTO
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