現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 回転対座シートだけでなく二段ベッドまで導入!「マスターエース・サーフ」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第37回

ここから本文です

回転対座シートだけでなく二段ベッドまで導入!「マスターエース・サーフ」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第37回

掲載 18
回転対座シートだけでなく二段ベッドまで導入!「マスターエース・サーフ」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第37回

タウンエースより高級な兄弟車

当コーナーではこのところ、ワンボックスカーについては救急車仕様のカタログをお目にかけてきたが、ここで久しぶりに、普通のワゴンとしてのワンボックス車のカタログをご覧いただきたい。今回採り上げるのは、トヨタ・マスターエース・サーフである。

祝11連覇! 「チームランドクルーザー・トヨタオートボデー」とコラボした「G-SHOCK」リリース

【画像21枚】それなりにゴージャスなマスターエース・サーフの様子を見る!

マスターエース・サーフは、タウンエースがモデルチェンジして二代目へと生まれ変わるのを機に、その兄弟車として誕生した。1982年11月のことである。タウンエースは元来、パブリカをベースとしたライトエースと、コロナのエンジンなどを利用したハイエースの、その間を埋める車種として、カローラなどのエンジンを流用して生まれたものであるが、マスターエース・サーフはタウンエースよりもちょっと上級のイメージを纏って送り出された。これには、クラウンなど高級車を扱ってきたトヨタ店(当時)扱いのモデルであったことも関係しているのであろう。そういえば、車名の「マスター」はクラウンがベースのマスターラインなども思い起こさせる。

もちろん、タウンエースとは細部のデザイン処理が異なることと、乗用仕様のみのラインナップであることによって違いが持たされているだけであり、自動車としての基本の部分は変わらない。ボディも基本的に同一であり、角型異形2灯ライトのタウンエースに対して、マスターエース・サーフでは角型4灯となり、バンパーも下あごの突き出たような大型タイプが装着されるといったあたりが大きな違いである。

レイアウトはキャブオーバー式FR、サスペンションは前ウィッシュボーン/後ろ4リンク。エンジンは直4 1.8L OHVの2Y(最高出力95ps)を搭載。バリエーションとしては、まずボディにはハイルーフとミドルルーフの2種類を展開、後者はバン(タウンエースのみに存在)の標準ルーフとハイルーフの中間の高さのルーフを持つものである。これにそれぞれサンルーフ(前後にふたつ装備するツインムーンルーフのみ)の有無があって、ボディは計4種類。

さらにグレード構成を詳しく記述すると、ツインムールーフ付きにはツーリングサルーンとスーパーツーリング、無しにはスーパーツーリングとツーリングの2種類がそれぞれあり、ハイルーフのツインムーンルーフ付きのみには、最高グレードのグランドサルーンと、二段ベッドを装着できるカタリナパッケージが設定されている。また、ミドルルーフ・ツインムーンルーフ無しのボディには、最廉価モデルのデラックスが存在した。デラックス以外には回転対座シートが装備されており、グランドサルーンはアームレスト付きとなる。

1983年4月には、直4 2Lディーゼルの2C(72ps)搭載車が、1984年2月には2L EFI仕様の3Y-E(115ps)搭載車がそれぞれラインナップに加わった。このあとも、4WDやターボディーゼルの追加(1985年)などが行なわれたが、タウンエースがライトエースとボディを統合するのに合わせて、1992年1月に生産を終了している。

半宙吊りのベッドにはさすがに無理が…
さて、ここでご覧いただいているのは、このマスターエース・サーフの比較的初期のカタログである。発行年月については、「このカタログの内容は昭和59年4月現在のものです。」の注意書きから、1984年4月と考えられる。2L EFI仕様追加直後という時期である。サイズは295×245mm(縦×横)、ページ数は表紙を合わせて全34ページ。

ワンボックス車の発展を追うと、ライバルである日産のバネットが行なった、回転対座シートの導入が非常に重要なものであるようだ。これは1980年6月、上級グレードのSGLの新設に伴い採用されたもので、非常にインパクトのある装備であり、トヨタはこれに非常な衝撃を受けたと言われている。そのため初代タウンエースで同様のシートを慌てて採用、二代目タウンエース/マスターエース・サーフにも最初から回転対座シートが採用されており、カタログでも大きくアピールされている。

また、トヨタはこのシートギミックの上を行くインテリアを必死に考えたのであろうか、前述のように二段ベッドまでを装備したカタリナ・パッケージというモデルが設定されていた。もちろん、車内に二段ベッドをそのまま固定状態として据え付けたものではなく、前列シート上部を支えにしつつ宙吊りのようなかたちでベッドが取り付けられ、その下のフルフラットシートと合わせて二段ベッドとなる、という内容である。しかしこれはやはり少々無理があったのだろう、回転対座シートとは違って、ワンボックス車定番の装備となるには至らなかった。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アウグスト・フェルナンデス、ヤマハとテストライダー契約を発表。1月末のシェイクダウンで走行予定
アウグスト・フェルナンデス、ヤマハとテストライダー契約を発表。1月末のシェイクダウンで走行予定
AUTOSPORT web
[マニア]向け狙い? [クルマ]は販売台数より継続した需要が大事説
[マニア]向け狙い? [クルマ]は販売台数より継続した需要が大事説
ベストカーWeb
[心臓バクバク]過激なホットハッチが正式に復活へ サンクターボがEVになって帰ってくる!!!!
[心臓バクバク]過激なホットハッチが正式に復活へ サンクターボがEVになって帰ってくる!!!!
ベストカーWeb
EVの車両火災は火葬場よりも温度が高い1200℃…万が一のためにドイツでは「レスキューカード」を車内に積むことを推奨しています【みどり独乙通信】
EVの車両火災は火葬場よりも温度が高い1200℃…万が一のためにドイツでは「レスキューカード」を車内に積むことを推奨しています【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ホンダが「凄い新型プレリュード」を世界初公開! 25年発売決定! 斬新「S+シフト」で俊敏なスポーツカー誕生!? 新たな次世代技術は何が凄いのか
ホンダが「凄い新型プレリュード」を世界初公開! 25年発売決定! 斬新「S+シフト」で俊敏なスポーツカー誕生!? 新たな次世代技術は何が凄いのか
くるまのニュース
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストがスタート。初日は小林利徠斗がトップタイム
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストがスタート。初日は小林利徠斗がトップタイム
AUTOSPORT web
阪口晴南セットベースで「糸口が見えてきた」大湯都史樹。2台データ共有で戦力アップを狙うCERUMO・INGING
阪口晴南セットベースで「糸口が見えてきた」大湯都史樹。2台データ共有で戦力アップを狙うCERUMO・INGING
AUTOSPORT web
マセラティ、GEN4導入予定の2026/27年までフォーミュラE参戦継続へ。スパルコとの提携も発表
マセラティ、GEN4導入予定の2026/27年までフォーミュラE参戦継続へ。スパルコとの提携も発表
AUTOSPORT web
「改造車にガラの悪い人」「暴走族のサーキット場」 苦情殺到の道の駅 市などが対策へ
「改造車にガラの悪い人」「暴走族のサーキット場」 苦情殺到の道の駅 市などが対策へ
乗りものニュース
70万ダウンロード突破のパイオニアナビアプリ「COCCHi」 最新アップデートでスケジュール管理に役立つ「仕事オプション」追加
70万ダウンロード突破のパイオニアナビアプリ「COCCHi」 最新アップデートでスケジュール管理に役立つ「仕事オプション」追加
くるまのニュース
ダッシュボードはラジカセ風! モビライズ・デュオへ試乗 航続160km クラス最有力の選択肢に?
ダッシュボードはラジカセ風! モビライズ・デュオへ試乗 航続160km クラス最有力の選択肢に?
AUTOCAR JAPAN
どうりで“いい道”だ! 実は「もと有料道路」関東甲信の神ルート5選 無料化で地域の動脈に/知る人ぞ知る抜け道に!?
どうりで“いい道”だ! 実は「もと有料道路」関東甲信の神ルート5選 無料化で地域の動脈に/知る人ぞ知る抜け道に!?
乗りものニュース
「鉄道・鉄道・道路」トンネル開通で3層化 なぜ踏切は残されてきた? 川崎市
「鉄道・鉄道・道路」トンネル開通で3層化 なぜ踏切は残されてきた? 川崎市
乗りものニュース
「夢洲‐阪神高速」ルートが快適に 夢舞&此花大橋間のボトルネックに高架橋が開通
「夢洲‐阪神高速」ルートが快適に 夢舞&此花大橋間のボトルネックに高架橋が開通
乗りものニュース
「ドッキドキ」の新体制でニュル24時間に挑むスバル/STI。2025年型は空力向上でコーナリングに好感
「ドッキドキ」の新体制でニュル24時間に挑むスバル/STI。2025年型は空力向上でコーナリングに好感
AUTOSPORT web
ベントレーから世界的タトゥーアーティストとタッグを組んだ“走るアート”が登場
ベントレーから世界的タトゥーアーティストとタッグを組んだ“走るアート”が登場
OPENERS
フェルスタッペンが語る自身の将来。現行契約は満了へ「今に満足している。あまり深くは考えていないけどね!」
フェルスタッペンが語る自身の将来。現行契約は満了へ「今に満足している。あまり深くは考えていないけどね!」
motorsport.com 日本版
【F1第24戦無線レビュー(2)】チームに26年ぶりのタイトルをもたらしたノリス「来年は僕の年だ」とリベンジを宣言
【F1第24戦無線レビュー(2)】チームに26年ぶりのタイトルをもたらしたノリス「来年は僕の年だ」とリベンジを宣言
AUTOSPORT web

みんなのコメント

18件
  • tom********
    懐かしい。
  • sat********
    懐かしです。親がY20系のロイヤルラウンジ乗ってました。この頃もバブル前後で、各メーカーが色んな知恵を出し合って競ってましたね。各社個性的なサンルーフ、豪華コンポ、TEMSや電動カーテン、クールホットボックス、シャンデリアルームランプ、などなど〜マスターエースはやはりあのシャクレたバンパーが異質でしたが結構好きでした。もうなくなっちゃったけどエスクワイヤの先祖ですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.8890.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.8890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村