■「アイサイトX」ってどんなもの?
今はクルマの安全性に対する関心が高まっており、交通事故の防止が従来以上に重要になりました。
【画像】渋滞中に手放し運転できる!「アイサイトX」ってどんなもの? 画像で見る(14枚)
クルマの安全性能において、国産メーカーでトップを行くメーカーはスバルでしょう。スバルでは、ステレオカメラを使った安全技術の開発を1990年に開始。その後に商品化を経て進化を重ね、2008年にはステレオカメラだけで衝突被害軽減ブレーキや車間距離を自動制御できる「アイサイト」の搭載に至りました。
2010年にアイサイトはバージョン2に進化して機能が向上。価格を10万円(消費税抜)に抑えて「レガシィ」に搭載し、これをきっかけに、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能といった安全メカニズムが注目され、他メーカーの装着車も急増しました。つまりアイサイトは、クルマの安全性を底上げする役割を果たしたのです。
このアイサイトの進化版として、「レヴォーグ」や「WRX S4」「レガシィ アウトバック」には、機能をさらに向上させた「アイサイトX」が採用されています。アイサイトXは、アイサイトコアテクノロジー(アイサイトの基本機能)に、アイサイトXテクノロジーを加えたものですが、一体どのような機能があるのでしょうか。
まず基本的な機能とされるアイサイトコアテクノロジーには、安全装備の衝突被害軽減ブレーキ、後退時ブレーキアシスト、AT誤発進抑制機能、さらに運転支援機能とされる全車速追従機能付きクルーズコントロールなどが含まれます。これらのアイサイトコアテクノロジーだけでも安全性は十分に確保され、ドライバーの疲労も軽減され、疲れにくいということは運転ミスも抑えられ、安全性をさらに引き上げられます。
そしてアイサイトXテクノロジーは高度運転支援システムに位置付けられ、技術力が一層向上。アイサイトXでは、GPS通信衛星や準天頂衛星の「みちびき」から受信した情報と、3D高精度地図データを組み合わせて、高速道路における自車の位置をさらに正確に把握します。例えば目的地に到着するまで、高速道路上の車線を頻繁に変更するような状況でも、正確な運転支援が可能になりました。
アイサイトXテクノロジーが運転支援中に作動する具体的な機能としては、まず渋滞時ハンズオフアシストが注目されます。高速道路上で渋滞が発生した場合、一定の条件が整うとハンズオフ機能が作動してステアリングホイールから手を離しても運転支援が続きます。ペダル操作も含めて、渋滞によるドライバーの疲労が大幅に軽減されるため、快適性と併せて安全性をさらに向上できます。
渋滞時発進アシストも備わり、渋滞で停車した後にドライバーの操作なしで先行車に続いて再発進することも可能。再発進時の操作が不要なため、ドライバーの疲労も軽減されるというわけです。
さらに、車線変更を支援するアクティブレーンチェンジアシストも採用しました。ドライバーが方向指示機を操作して、車両側が安全を確認すると、ハンドルを制御して車線変更を支援します。
加えてカーブ前速度制御も注目の技術です。カーブに入る前から、曲がり具合に合わせて減速し、曲がり終えたら再び設定されている速度まで加速します。カーブに入るときの速度が高すぎて、急いでブレーキペダルを踏むような心配が解消されます。
このほか料金所前速度制御も採用しました。ETCゲートなどが近付くと、安全に通過できる速度まで自動的に減速します。通過した後は、再び設定速度まで加速します。
■2030年死亡交通事故ゼロを目指す
このようにアイサイトXは、高速道路上のさまざまな状況に合わせて、キメ細かな運転支援をおこない、そのおかげでドライバーの疲労はさらに抑えられ、安全運転に集中できるよう支援するのですが、ドライバーの健康に問題が生じたときは、ドライバー異常時対応システムが作動します。
ハンズオフアシスト中の前方不注意や、ツーリングアシスト中の手離し運転を検知すると、車両側が音と表示でドライバーのステアリング操作を催促。このときにドライバーの反応がないと、走行している車線を維持しながら、少しずつ速度を下げて停止。ハザードランプやホーンも作動させ、周囲の車両や歩行者にも注意を促す機能も備えました。
アイサイトXテクノロジーには、高速道路を中心に、安全性を高めて疲労を抑える数々の機能が盛り込まれており、この機能を搭載するレヴォーグやWRX S4、レガシィアウトバックは、いずれも走行性能が優れているため、長距離を移動するユーザーも多いでしょう。
そうなると高速道路を通行する機会も増えますから、アイサイトXテクノロジーは、安全性を高めるうえで効果的なメカニズムだといえます。
しかも価格が割安であることもポイントで、アイサイトXテクノロジーを標準装着した「レヴォーグGT EX」の価格(消費税込)は348万7000円です。アイサイトX非搭載の「GT」に比べて38万5000円高いのですが、デジタルマルチビューモニターなどの視界拡張テクノロジーや、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムも含まれます。これらのメーカーオプション価格が27万5000円ですから、アイサイトXテクノロジーは、実質11万円程度で装着されていることになります。
2010年にアイサイトバージョン2を10万円に設定したときと同じく、スバルは優れた安全装備を低価格で装着しています。その理由は、安全性の向上には、実際に走行している装着車の台数も大切になるからです。
仮に極めて高度な安全装備を開発しても、価格が高いために搭載車の販売台数が増えなければ、現実の事故件数を減らす効果も薄れます。
アイサイト搭載車の場合、追突事故の発生率が1万台当たり6台と極めて低く、現在ほとんどのスバル車に標準装着されるようになりました。
これに加えてより高度な運転支援をおこなうアイサイトXを割安に提供して搭載車を増やすことによって事故を防ぎ、スバルは2030年の死亡交通事故ゼロを目指しているのです。
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みんなのコメント
見とってみー、「そう思わない」を貧坊がいっぱい押しよるでーw
自動運転を高額装備するより廉価でアシスト機能を充実して欲しい。