現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「三橋淳のアフリカツイン 北駆南走」第14回「くもり空の向こう」

ここから本文です

「三橋淳のアフリカツイン 北駆南走」第14回「くもり空の向こう」

掲載
「三橋淳のアフリカツイン 北駆南走」第14回「くもり空の向こう」

ダカールラリーを知り尽くした男・三橋 淳が新型アフリカツインを満喫するこの連載企画。礼文島にフェリーで上陸、絶景を楽しむという、羨ましいばかりの道中ですが、今回はその続き。前夜にエビカニの誘惑に負けて行かなかったスコトン岬からスタートして、気付けば強行軍に…。今回も怒涛の絶景写真満載でお届けいたします!

※最近、各地で二輪車の事故が多発しています。運転の際は余裕をもって、交通ルールとマナーを守った運転を心がけましょう。また、長期間運転しなかったバイクの点検も忘れずに行うようにしてください。

原付二種の最高速度を徹底調査!

※本編でご紹介している写真の撮影は全て車両通行可能な場所で行っております。

さいはて感はあるけれど…またしても曇天
礼文島で一泊した翌朝。天気予報では風は強いが晴れると言っていた。朝ごはんを食べて、昨日行きそこねたスコトン岬に向かう。礼文島最北端の岬だ。そこからドーンときれいな海が見えると言う。

曇りじゃん・・・。
しかもかなりの強風。完全な吹きっさらしで、とてもじゃないが居られない。で、岬に1軒お土産屋さんを発見したので、そこでお茶でもしようかと入ってみたのだが…。

「すみません、カフェはまだ営業してないんです…」

残念!

ということで、とりあえず、岬の先端に行って写真を撮って撤退することに。

せっかくの絶景ポイントなのに残念だ。でも、さすがにこれだけ雲と風が出ていると、ある意味「最果て感」は強調されて、それはそれでいいかもしれないが(笑)。

次に、スコトン岬の手前にある「江戸屋山道」に行ってみることに。

なんで江戸屋?

と不思議に思うかもしれないが、なんでも「江戸屋」というきんつば焼屋があったので、それが名前の由来なんだそうだ。

面白いのはその屋号よりも、その店を営んでいた銭屋五兵衛と言う男。加賀の商人なんだそうだが、ロシアなどと密貿易をして富を築いたそうで、この礼文島がその拠点になっていたと言うわけ。

時は鎖国真っ只中の時代。どう考えてもアウトなんだが、金沢藩への献上金の見返りとして黙認されていたと言うわけ。要するにワイロです。

そう聞くと聞こえは悪いが、その当時の加賀藩は経済状況は芳しくなかったそうなので、彼の献上金の存在は大きかったに違いない。と考えれば、地元では英雄なのだろう。それに、彼の富を築いたのは基本的に北海道の地で獲れる海産物や木材で「海の百万石」と言われたほど。その規模は相当なものだったはずだ。

歴史というのはひとつの情報だけでなく、さまざまな側面から見ると、また面白いものだ。

待てばいつかは晴れる。ということで再び絶景モードに
そんな江戸屋山道だが、行ってみるとこれまた絶景! 突端ある山の上を走るので、両側が海、しかも周りは切り立った山! これはすごい。北海道とはまた違う、壮大な景色だ。

この景色をしばし堪能していると、奇跡が起きた! そう、晴れてきたのだ!

いったん陽の光が入ればこの景色ですよ! すごいよね!

雲があるので青空は望めないが、緑に光が当たるだけで全然印象が変わる! 日本ってすごいなぁと改めて思う。

西側の海岸線に降りてみると、これまた断崖絶壁が美しい!

この横では礼文昆布を干しているおじいさんがいて、あたりには昆布の匂いがあふれている。

ここで、またしても監察員のおじさんに出くわした。でもおじさん、車に乗らずに歩いている。

なんで車で巡回しないんですか?

素朴に尋ねてみた。

「クルマで回るとね、見落とすんだ。花を。ほら、あそこにもここにも咲いてるだろ? そういうのをみてチェックしてるんだ」

花! 確かに花がいっぱい咲いているが、そういうのも観察しているのかと妙に感心したのであった。

礼文は晴れれば絶景の宝庫! しばしお楽しみください
じわじわ南下しようとバイクを走らせると、気になる脇道があったので入ってみる。きれいに舗装された道路で、しばらく行くと公園っぽい景色になった後は、その先は砂利道になっている。

いやー、オレってこういう道見つけるの、なんてうまいんでしょ!

と思いながら進んでみると、

なかなかワイルドな林道になりました…。

こういう林道の場合、大抵最後は行き止まりだったりするのだが、しばらく進むと舗装路になるではないか。しかもなんか書いてある看板がある。

そのまま進んでいくと道は丘を上がり、気がつけばまた見晴らしのいいところに出た。

気がつけば青空も出てきた!

風は一向に強いままだ。

…そう、実はこの風のおかげで、礼文ウニを食べ損なっているのだ。海が荒れて漁に出ていないので、ウニが食べられなかったのだ。

礼文と言えばウニなのに!!
ウニのこともあるし、礼文はもう一回来よう、と、この時思った。

だったら、今から利尻島にいこう!

確か昼の便に乗って利尻島に寄れば、利尻から稚内の最終便まで2時間あったはず。2時間もあれば利尻島一周できるでしょう!

ということで、急遽利尻島に渡ることにした。

思い立ったが吉日、で突然利尻島に突撃
40分ほどの船旅。しかしというべきか、渡って正解だったというべきか。利尻島もどんより曇り空だった。

「白い恋人」のパッケージにもなった利尻富士は雲の中。残念すぎる。

利尻島は一周約60キロというから、1時間もあれば十分回れる距離だ。次の船までの滞在時間は2時間。余裕である。

そして、適当に島を一周していたら、またして林道を見つけてしまった。

1キロもない林道なんだけど、偶然見つけてしまうという偶然。

林道センサーでもあるのか? そういう「匂い」を嗅ぎつける何かを、私は持っているのかもしれない。だって利尻島行きは突発的に決めたし、何にも調べてなかったんだから。

そんなこんなで、1時間半ほどかけてのんびり島を一周してきたら、最後の最後で利尻富士が全開でお出迎え!

スバラシー! しかしこの天気の変わりようったら…。さっきまでの雲は何処へやらだ。

余裕を持って港に帰ってくると、16時発だと思っていたフェリーが、実は16時40分だった! あと50分もあるじゃん…待つのは長いなー。

♨そうだ! お風呂入っちゃおう!♨
隣にある観光センターに飛び込み、お姉さんに「一番近いお風呂どこですか?」と尋ねる。

「ば、バイクなら5分くらいのところにありますけど、今からですか? フェリー乗られるんですよね?」

はい、カラスの行水で間に合わせます! と荷物を抱えて温泉へ。

慌ただしく駐車場に止めて必要な着替えを持ってあたふたとお金を払い、怒涛の勢いで体を洗って湯船に飛び込む。

♨極楽じゃー♨

とマッタリすること1分。今度は素早くあがって髪の毛乾かして、いざバイクへ。この間ざっと20分。楽勝だぜ!

しかし、バイクに戻ると、カラスがシートの上に立っているではないか…。

ナンダァ? カラスのやつ? なんでアフリカツインの上に?
と思って近づいて初めてわかった。

「こいつ! バッグを荒らしてる!」
急いでいたのでしっかり閉まってなかったサイドバッグをこじ開け、中を物色していたのだ。荷物散乱である…。食べ物が入っていなかったので被害こそなかったが、北海道のカラスは手強い。油断も隙もあったものじゃない。

予想外のトラブルはあったものの、無事に時間通りにフェリーターミナルに戻り、そのままフェリーに乗船。

これにて、今回の上陸作戦はコンプリートだ。

なんだか慌ただしかったが、利尻島や礼文島にそうそう行くチャンスもないだろうから、とてもいい経験になった。でも、次はもっと天気が安定した日に行きたいな…。

稚内に戻って終了…ではなく、今度はドコへ?
無事に稚内に戻ってきた。夕日が綺麗だったので、早速防波堤ドームで記念撮影。

果たして夕日である必要があるのか? よくわからないけど、一応観光名所ということで。

稚内には何度も来ているけど、実は防波堤ドームで写真を撮るのは今回が初めて。撮り方がよくわかりませんでしたが、こんなんでいいのでしょうか?

さて、これで離島編は終わりなのだが、この日の三橋くんは終わらない。

というのも、天気予報では次の日も天気がいいというではないか。これだけ天気予報があてにならない毎日ではあるけれど「晴れる」と言われたら動かざるをえまい。

というわけで、間髪入れずに次のポイントまで移動することにした。

なぜかって?

そこは有名な道路で、早朝に行かないとライダーでいっぱいになっちゃうのだ。

撮影するなら、朝起きてすぐ撮らなければいけない。日の出は4時ごろなので、その辺りから始めれば、さすがにライダーもいなかろう。

というわけで、バイクと荷物をtboxに放り込み、スーパーで夕飯を買い込み、燃料も満タンにして、いざ出発!

次に目指すはオホーツク海だ!
協力:ホンダモーターサイクルジャパン、野口装美、ダートフリーク、サイン・ハウス
写真:三橋 淳

【次回予告】 突然の増ページでお届けした礼文&利尻編、いかがでしたでしょうか? さて次回は北海道ツーリングをするライダーには超有名なスポットへ! 超有名なスポットってドコ? 次回「あの道へと」をお楽しみに!

アフリカツインについてもっと知りたい人はコチラ!
「アフリカツイン 北駆南走」前回の模様はコチラ!
三橋 淳 公式サイト、SNSアカウント

こんな記事も読まれています

フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
AUTOSPORT web
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
ベストカーWeb
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
AUTOSPORT web
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
AUTOCAR JAPAN
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
Auto Messe Web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
AUTOCAR JAPAN
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
レスポンス
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村