■走ってナンボのアルファ ロメオではまれなコレクターズアイテム
世界中に根強いファンが数多くいるアルファ ロメオ。アルファ ロメオのファンの特徴は、実際にワインディングロードやサーキットへと持ち出して、積極的に走りを楽しむことにある。
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まさしくスポーツカーを所有することの、本来の楽しみ方といってもいいだろう。
アルファ ロメオはまた、特別なコレクターズアイテムでなければ、その価格も比較的リーズナブルだから、オークション・シーンでも人気が高いのが特徴だ。
だが今回は、マニア羨望の1台ともいえるモデルが姿を現した。希望落札価格は22万4000ユーロ(約2688万円)。1965年式の「ジュリア・スプリント・GTAストラダーレ」だ。
ちなみにこのモデルは、この価格ではさすがに買い手が現れず、現在もフォー・セールのままとなっているが、コンディションはさすがに素晴らしい。
アルファ ロメオは1960年代のからさまざまなモデルが続々と誕生し、それを整理するのはなかなか難しい。
GTAの元祖ともいえるのは1965年に誕生した「ジュリア・スプリントGTA」で、これは当時のスプリントGTをベースにA=Alleggenrita(軽量化)したレース用のモデルだった。
1570ccの搭載エンジンもツインプラグ化などのチューニングを受けたもので、1966年から1969年までヨーロッパ・ツーリングカー選手権を制覇するなど、アルファ ロメオの理想どおりの活躍を見せた。「ストラダーレ」と呼ばれたロード仕様も少数が生産されている。
■希少な右ハンGTAは、普通のジュリアとなにが違う?
1968年になると、1290cc仕様の「GTA1300ジュニア」が発表される。こちらはレースのためにさらにチューニングが徹底されたもので、今回の出品車は諸説あるが447台が生産されたなかで、さらに50台のみが存在する右ハンドル仕様。最初の出荷先はもちろんイギリスだった。
実際のGTA1300ジュニアはストラダーレだが、そのディテールはまさに闘うマシンそのものだ。
ボディパネルは軽量化のためにスチールからアルミニウムへと変更され、サスペンションまわりには当時のアウトデルタが開発したスペシャルパーツが数多く組み合わされている。
1290ccの直列4気筒DSOHCエンジンは、やはり半円球の燃焼室にツインプラグヘッドを組み合わせたもの。ストラダーレでもその瞬発力は激しく、それが実際の走りでは大きな魅力となっている。
今回は、残念ながら入札価格が希望落札価格に届かなかったGTA1300ジュニア。
さすがにそのコンディションや右ハンドルという希少性を考えても、希望落札価格の設定は高すぎたということだろうか。
とはいえこのGTA1300ジュニアは、間違いなく遊べるクルマであることは間違いない。クラシックレースでサーキットをステージにしてもよいし、クラシックカーのラリーイベントに参加するのもいいだろう。
オークションは終了したものの、セールスはまだ継続しているので、興味のある方はぜひコンタクトを取ってみてほしい。ただし主催者のRMサザビーズからは注意点がひとつだけ記されていた。
「このロットの落札者は、車両をスイスのトーフェンまで引き取りにくる必要があります」と。うーん、これだけでかなりハードルが……。
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