2025年にEVトリオ発売
兄弟ブランドのフォルクスワーゲン、スコダ、クプラは、それぞれ2025年に超小型の都市型EVを発売すると発表した。3台ともMEBプラットフォームを採用し、スペインの新しい生産ラインで製造予定であることが明らかになっている。
【画像】次世代の都市型EVトリオ【コンセプトや現行の小型EVを写真で見る】 全95枚
フォルクスワーゲン・グループのヘルベルト・ディースCEOは、3台の新型車のデザインスケッチを公開し、「電動モビリティを親しみやすいものとし、来るべき世代のためにモビリティの未来を後押しする」と述べた。
フォルクスワーゲン・グループは、100億ユーロ(1兆4000億円)の大規模な投資を行い、スペイン・サグント地方にバッテリー工場を新設する構想を明らかにしている。この工場から、同国内のマルトレルとパンプローナのEV工場にバッテリーが供給されるという。
グループは2030年までに欧州に6つのバッテリー工場を建設予定で、サグントはこのうち3番目にあたる。すでにドイツとスウェーデンの2か所が確定しているが、残りの3か所は、チェコ共和国、スロバキア、ポーランド、ハンガリーのいずれかでの建設が予定されている。
今回の大規模投資は「スペインにおける過去最大の産業投資」と表現され、国内で3000人以上の雇用を創出するとしている。
バッテリー工場で使用する電力は、10km以内にある専用の太陽光発電所から供給される。工場は200ヘクタールの敷地を持ち、年間最大40GWhの生産能力を実現する予定だ。2023年の第1四半期に着工し、2026年に稼働予定である。
ブランド独自のデザインで差別化
また、3台の新型車は、「MEBエントリー」と呼ばれる小型EV用のプラットフォームを採用する。それぞれ、フォルクスワーゲンe-Up!、スコダ・シティゴe iV、セアトMiiエレクトリック・アーバンEvsの後継車となる。
フォルクスワーゲンは、昨年のミュンヘン・モーターショーでレトロなデザインの小型クロスオーバー・コンセプト「IDライフ」を発表したが、今年初めに広まった報道では、設計をやり直して未来的なデザインに変わったとされている。
確かに、ヘルベルト・ディースCEOが公開したデザインスケッチでは、フォルクスワーゲンのIDモデルに見られるような曲線的なスタイルに変更されていることが伺える。
一方、クプラのモデルは、2021年の奇抜なコンセプト「アーバンレベル」を発展させたものとなるようだ。ただし、コンセプトのようにモータースポーツを強く意識したものというよりは、実用性とスポーティ性を両立させたようなデザインになると考えられる。
この2台が以前に発表されたコンセプトカーに影響を受けているのに対し、スコダのモデルは「モダン・ソリッド」と呼ばれるまったく新しいデザインを採用する。市販車は2022年後半に公開される予定だが、頑丈さとシンプルさを強調するスコダ独自の次世代デザインの導入は明らかだ。
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