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F1レースディレクター、ターン4の首位対決”お咎めなし”は「レースさせるという原則に従った」

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F1レースディレクター、ターン4の首位対決”お咎めなし”は「レースさせるという原則に従った」

 F1レースディレクターのマイケル・マシは、F1第19戦サンパウロGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とルイス・ハミルトン(メルセデス)がターン4でバトルをし、コースオフした48周目の件について、『ドライバーたちにレースをさせる』という原則を適用し、ペナルティを出さなかったと語った。

 10番グリッドからスタートしながら、首位を走るフェルスタッペンに追いついたハミルトンは、48周目のターン4でアウト側から回り込み、フェルスタッペンをオーバーテイクしようとした。だが2台ともにアウト側に膨らむ形でコースオフしてしまった。

■メルセデス、フェルスタッペンのディフェンスに不満「ペナルティが出ないのは”笑える”」

 スチュワードは、この一件を記録はしたものの、審議を行なわないことを決定。イン側にいたフェルスタッペンがハミルトンをコース外に押し出したようにも見えたため、この判断に驚きを感じた者も多かったようだ。

 マシはその後、両チームのスポーティングディレクターから、無線を受けた。メルセデスのロン・メドウズは、フェルスタッペンがハミルトンをコース外に追いやってアドバンテージを得たと示唆。レッドブルのジョナサン・ウィートリーは、ふたりにレースをさせるべきだと提案していた。

 レース後、最近出された他の裁定と矛盾しているのではないかと訊かれたマシは、今回のケースではスチュワードがふたりにレースをさせるという判断をしたと認めた。

「矛盾しているという意見には同意できない」と彼は言った。

「忘れてはならないのが、我々には全体的に『(ドライバーに)レースをさせる』という原則がある。あらゆる角度から、見ることができる証拠を全てみて、その哲学が採用されたのだ」

 今回のケースで、なぜその原則が適用されたのかと訊かれ、マシは次のように答えた。

「クルマの近さやエイペックスへの進入、コーナーの性質を(スチュワードは)考えたのだと思う」

「2台のマシンがコースオフし、どちらのマシンもポジションを落としていないことから、それが全体的な考え方だったのだろう」

 フェルスタッペンに幅寄せされていなければ、ハミルトンはコーナーを通過していたのではないかと指摘されると、マシは次のように付け加えた。

「だから、全員の利益のために、彼らにレースをさせたんだと思う」

 だが、マシはフェルスタッペンに警告を意味する黒白旗を出すことを検討したと認めた。

「確かに、それ(黒白旗の掲示)は私の頭の中に浮かんだ。それから、何度か見てみたのだが、残酷なまでに正直に言えば、マックスに関してそれには程遠いものだった」

 テレビのライブ映像には、フェルスタッペンのステア操作が確認できる、オンボード映像は使われなかった。

 判定を行なう際に、FIAが映像を見ていたかどうか尋ねると、マシは見ていないとmotorsport.comに認めた。

「以前言ったように、基本的に放送された映像にしかアクセスできないんだ」

 しかしながら、放送で使用されていない映像はF1が記録しており、レース後にクルマからダウンロードすることができる。

「前方カメラ、360°カメラなど、ライブでは見られないカメラアングルの映像はすべてダウンロードされ、レース後に見ることができる」とマシは話した。

「まだ入手していないが、リクエストはされている」

 仮にフェルスタッペンがハミルトンに向かってステアリングを切っている様子が映っていれば、前方を映した映像が決定的な証拠となる可能性があることをマシは認めた。

「可能性はある。しかし、我々はそれにアクセスすることはできなかった。そして言うまでもなく、それはダウンロードされている。商業権保有者がそれを提供してくれれば、それを見ることができるだろう」

 ターン4でのアクシデントに対してフェルスタッペンは警告は受けなかったが、その後、フェルスタッペンはハミルトンに抜かれる前に、ハミルトンがスリップストリームを使うのを嫌い、蛇行したことに対して白黒旗を掲示されている。

 マシはこの件について、「これは完全に明白だ」と話した。

「これは昨年、ドライバーたちの要望を受けて話し合ったことだ。ストレートでのウィービングを取り締まるとね。それはとてもシンプルなことだ」

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