まだまだ暑さが続いているが、9月の声を聞くとタイヤ業界は早くも冬支度の季節。今シーズンも各社が話題のスタッドレスタイヤをラインナップしているが、中でも注目なのがヨコハマタイヤのアイスガード。いっそう性能を磨き上げ、SUVからEVに至るまで幅広い車種にも対応したからだ。詳しくお伝えしよう!
文:ベストカーWeb編集部(角田伸幸)/写真:横浜ゴム、ベストカーWeb編集部
暑くったって冬は来る! 早くもスタッドレス商戦開幕! 重いクルマにも対応したヨコハマのアイスガードなら雪も氷もマカせなさい!!!
【画像ギャラリー】アイスガードのガチな走りを見れば涼しくなる! スタッドレス選びは早めが吉!(41枚)
■スポーツカーから重量級SUVまで対応するアイスガード
Zからハイエースまでワイドバリエーションのヨコハマ アイスガードを試してみた
個人的に吉岡里帆推しなので、それだけでもスタッドレスはヨコハマのアイスガードが気になるのだが、吉岡さんがいなかったとしても今年のアイスガードはすごい。そのすごさを、一足先に体験してきたのでお伝えしたい。
今シーズンのアイスガードの魅力をひと言でいうと、SUVやミニバン、EVと多様化してきたクルマの車型に対応し、それぞれにジャストフィットする製品を用意したこと。
こうしたクルマたちは、各々に走り味やパワー、車重などが異なるわけだが、ヨコハマタイヤは主に2つのモデルで各車型の特性に応える。それがアイスガードセブンとアイスガードSUV G075だ。
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■氷も雪もまかせとけ! のアイスガードセブン
ヨコハマの最新スタッドレス、アイスガードセブン。氷上でも雪上でも頼れるオールマイティモデル
まずアイスガードセブンだが、現時点におけるアイスガードの最新・最強モデル。アイスガードはもともと氷上性能、雪上性能、耐久性と3拍子揃ったスタッドレスだが、セブンではそれぞれがいっそう研ぎ澄まされたといえる。
始めに氷上性能。新開発のウルトラ吸水ゴムが接地面の水を瞬時に吸収し、タイヤと氷面をしっかりくっつける。さらにトレッド面を改良し、アイスガード史上最大の接地面積とブロック剛性を確保したから、先代のアイスガード6に比べて氷上ブレーキで14%、氷上旋回で7%も性能が高まっている。
氷上だけじゃない。ブロック面のエッジ量を大幅に増やし、雪を噛む力がアップしたから、雪上性能も高まっている。またオレンジオイルSを配合したことにより、ウルトラ吸水ゴムの柔らかさが長続きし、使用後4年経っても履き始めの氷上摩擦力が維持されるというからすごい。
■ライトトラック規格もあるアイスガードSUV
こちらはアイスガードSUV G075。雪上性能を重視する人向け。LT規格もラインナップする
もうひとつのアイスガードSUVはどうか。こちらはSUVの車重やタイヤサイズなども考慮しながら氷上や雪上での性能や耐久性を追求したスタッドレスで、従来のジオランダーI/T-Sの後継モデルといえる。
もちろんこちらにもアイスガードの最新技術が使われている。組成を刷新したスーパー吸水ゴムや新設計トレッドパターンの採用で氷上性能がI/T-Sに比べて23%向上したほか、経時劣化を抑えた長持ち設計、さらにはエコタイヤのブルーアースの技術で転がり抵抗を抑え、燃費向上も実現させている。
よりタフな使用に耐えるLT(ライトトラック)規格が設定されている点もアイスガードSUVの魅力だ。
たとえばハイエース向け。標準は15インチだが、ユーザーの間ではインチアップしたいという声が多い。そこでアイスガードSUVには1インチデカい215/65R16CというLTタイヤがラインナップされているのだ。
■氷上性能を重視するならセブン、圧雪路重視ならSUV
低偏平のアイスガードセブンを試す。雪上でもスポーツカーのフィールが味わえて楽しすぎる!
2024年2月に北海道で行われた試乗会では、車種やコース設定を変えてアイスガードの性能が確認できた。
まずは平たんな雪上路で低偏平サイズのアイスガードセブンを試す。アイスガードセブンは幅広いサイズバリエーションをそろえるが、実は幅235以上のモデルはセンターリブが1本追加され、ブロック剛性が最適化されている。
そんな工夫もあって、フロント255/40R19、リア275/35R19というサイズを履くフェアレディZは雪上でもスポーツカーそのもの。制動時やターンイン時の動きもリニアで……と書きたいところだが、雪のFRは楽しすぎる。我を忘れてテールが流れるのを楽しんでしまった。
気を引き締め直して屋内の氷盤試験場へ。ここではアイスガードセブンとG075の氷上性能が比較できた。クルマはどちらもRAV4で、タイヤサイズは225/65R17だ。
複数回走ったが、ブレーキではおよそ1m弱アイスガードセブンのほうが短く停まれる。定常円旋回時もアイスガードセブンのほうがアンダーが出にくく、タイヤ1本分くらい内側がトレースできる感覚だ。とはいえ乗り比べなければG075も十分優秀、無茶しなければヒヤっとすることなどまるでない。
それにしても、RAV4ではアイスガードセブンもG075も選べるわけだが、こういう場合はどっちを選ぶのがいいのだろう。
ヨコハマタイヤのスタッフに尋ねてみると、「氷上性能を重視するならセブン、圧雪路重視ならG075をオススメする」とのこと。G075は価格面でも若干安いから、コスパを考える上でもG075はいいチョイスだろう。
■スタッドレスは在庫が豊富な秋に決断するべし!
車重が重くなりがちなEVにもアイスガードは対応する
後半は重量級の電動SUVとアイスガードセブンの相性を試してみた。クルマはBMWのiX1。1.9トン近いヘビー級だが、ボディが同じでほぼ150kg軽い2LディーゼルのX1と乗り比べてみた。どちらも4WDでタイヤサイズは245/45R19。
結論からいえばぜんぜんOK。重いからと言ってタイヤが腰砕けすることもないし、ターンインがもっさりする印象もない。EVは発進時のトルク変動も大きいが食い付きが負けるようなこともなく、iX1のキビキビ感がいい感じで残されていた。
最後にパワフルなSUVにも乗ってみた。265psのポルシェ・マカンだ。
アイスガードセブンのサイズはフロントが235/60R18でリアが255/55R18。4WDということもあってこいつがまた痛快だった。スラロームでは結構な横Gが出るのだが、アイスガードセブンはブロックがしっかりしていてヨレる感じがしない。
定常円への進入部分にはミラーバーンがあり、自分の腕ではアンダーが出てしまうのだが、滑り出しがよく分かって怖くない。アクセルを戻した際のグリップの復帰も自然で、挙動が乱れずに走りやすさを感じた。
というわけで、最新スタッドレス「アイスガードセブン」と「アイスガードSUV G075」の威力をまざまざと思い知った1日だった。
今年、スタッドレスタイヤを買い換えなきゃという人は秋口がいい。サイズの在庫も豊富だし、ショップの交換作業も空いているからだ。そしてヨコハマのアイスガードは、コンパクトカーからSUV、ミニバン、EVに至るまで、あらゆるタイプのクルマに効く、オススメのスタッドレスタイヤだといえる。
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