もくじ
ー 次期型GTとプラットフォーム共有
ー よりスポーツカーらしいルックスに
ー ソフトトップ化 クーペ版も視野に
ー ISG付き直6およびV8を設定
次期型GTとプラットフォーム共有
メルセデス・ベンツはAMGの手により次期型SLをさらに軽量かつ速いドライバー志向モデルに仕上げるとのことだ。
AUTOCARが確認したところによれば、過去2世代が採用したフォールディング・ハードトップをやめ、トラディショナルなソフトトップを採用するようだ。2020年に発売される次期型は新設計のプラットフォームを使用し、AMG GTの後継車とも共有部分が多数あると見られている。
アルミニウムを多用するMSAプラットフォームをSLと次期型GTに使用することにより、これら上位モデルの利益率をさらに引き上げることが狙いだ。
これらの2車種はプラットフォームの共有だけでなく、組み立て、サスペンション、ステアリング、48Vハイブリッドシステムなど多くの共通点を持つ。弟分であるSLCにもこのプラットフォームを使う計画があった。しかし最近の売り上げの落ち込みにより、次期型の開発計画自体が中止されたようだ。
よりスポーツカーらしいルックスに
次期型SLの新プラットフォームにSクラス・クーペを短縮したボディを被せた初期プロトタイプが目撃されている。DCTをトランスアクスルに配置したセットアップとなることがうわさされているが、このテストカーからはそれを確認することはできない。
しかし、このテストカーを見る限りでは、現行SLの全長4630mm、全幅1870mm、全高1310mmよりは若干拡大されるようだ。
MSAプラットフォームの採用はSLのスタイリングに良い影響を与えるという。現在のC、E、CLS、Sなどのサルーンと共有するプラットフォームよりも、古典的スポーツカーらしいデザインが可能になることが理由だ。
メルセデスの内部筋によれば、次期型SLは今以上に長いボンネットが与えられ、そのキャビンは後方よりになるとのことだ。「新たなプラットフォームがわれわれに自由を与えてくれました」と語った。
「フロントアクスルとバルクヘッドの距離が十分に確保されています。これにより伝統的なプロポーションを実現できます」
ソフトトップ化 クーペ版も視野に
現行SLのフォールディング・ハードトップをやめ、よりコンパクトなファブリックルーフを採用したこともリアのデザインの自由度を高めているようだ。「ハードトップのパッケージングのための高さと幅の制約がなくなったため、特にリアが均整の取れたルックスになりました」と付け加えた。
ロードスター版の他に、メルセデスはSLにクーペ仕様を追加することを検討しているようだ。これは1974年から1981年に販売されたSLCハードトップの復活となる。
さらに、現在のラインナップからは離れ2プラス2のレイアウトを採用したバージョンを投入する可能性もある。われわれが掴んだ情報によれば、AMGはSLにポルシェ911なみの実用性を与えるつもりのようだ。
このレイアウトにより、短距離移動時に後席に大人を乗せるほか、追加の荷物置き場として使用することができるようになる。
メルセデスの計画ではハイブリッドの直6に加え、V8ガソリンが搭載され、スタンダード版とAMG版が登場する見込みだ。
ISG付き直6およびV8を設定
エントリーグレードとなるSL450 EQブーストは370psのターボ付き3.0ℓ直列6気筒を搭載し、ISGにより22psの補助を得る。それをチューンし435psとしたSL53も設定されるだろう。
V8を搭載するモデルとしては、SL500 EQブーストが挙げられる。これは4.0ℓV8にISGシステムを搭載し、SL53と同等のパワーかつ若干トルクが向上すると見られている。
最上位のSL63には2種類のチューンが設定される。上位版では600ps超となり、電動ブーストも30psを超えるものになるだろう。V12仕様が設定されるかどうかは不明だが、SL63の性能を考えるとその可能性は低いと見られている。
すべてのエンジンにメルセデス製の9速オートマティックが組み合わされる。AMG仕様ではシフトタイム向上のため、スピードシフトプログラムが搭載されるだろう。FR版に加え、4マティックも用意されるとのうわさもあるが、確認は取れていない。
SLのマーケットポジションは変更されるものの、そのラグジュアリー志向に変更はない。したがって、メルセデスのハイエンドモデルらしいインテリアとなる。ただし、Sクラス・クーペなどよりもドライバー志向となる一方で、メルセデスの運転支援装備も満載されるだろう。
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