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ファミリーカーなのにココまでやっちゃうあたりがホンダの真骨頂! 圧巻の走りを見せた「低床ミニバン」5台

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ファミリーカーなのにココまでやっちゃうあたりがホンダの真骨頂! 圧巻の走りを見せた「低床ミニバン」5台

スポーツカーばりの走りが自慢だったホンダのミニバン

 ホンダのオデッセイがついに(一旦?)消滅してしまうのは、筆者にとって悪夢と言える。何故なら、筆者は2代目オデッセイ・アブソルートを10年に渡り乗り続けたほどの、オデッセイファンなのである。当時、CARトップ本誌などでミニバンマイスターと呼ばれ、ミニバンの魅力を広く伝えてきたのだが、2代目オデッセイ・アブソルートV6の欧州車に迫る走行性能に、当時ぞっこん。その気持ちは10年乗り続けても変わることはなかったと、記憶している。

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 さて、ここではそんなホンダのミニバンのなかでも、走り自慢だった低床ミニバンの魅力に迫りたいと思う。ただし、多人数乗用車として果たして低床、低全高のミニバンが正解だったかは、また別の話ではあるのだが……。

ホンダ自慢の低床ミニバン01:3代目オデッセイ・アブソルート

 ホンダが走りにこだわり続ける自動車メーカーであることは、今も昔も変わるところがない。まず取り上げたいのは3代目オデッセイ・アブソルート。このモデルは、まさにホンダスピリッツが込められたミニバンであり、走りを最優先するためにあえて1550mmの低全高・低フロア、そしてリヤヒンジ式ドアを採用したモデルだった。

 走りの質感を決定付けるボディ剛性は、2代目アブソルートを大きく上まわる。2.4L直4のK24A型エンジンは、最高出力200ps/最大トルク23.7kg-mを誇り、さらに当時のアコード用とはいえ別物のチューニングが施されたことで、4気筒ならではのトルクの厚みを発揮。5速ATとのマッチングも素晴らしく、シーンによっては2代目アブソルートV6をリードするほどの速さを持ち合わせていた。

 装着タイヤは215/55R17サイズで、スポーツサスペンションを奢るフットワークはもはやスポーティカーのよう。当時の試乗記では、走りの資質/切れ味/動力性能/操縦性は、オデッセイ版ユーロRと呼びたくなるほど!! と記している。しかも最終型オデッセイと比べて、低重心ゆえに足まわりを硬めずに済んだため、乗り心地もフラットで快適であった。

 たしかに室内空間の頭上方向の余裕は少なく、ミニバンらしい高い見晴らし視界も得られなかったものの、世界で類のない走りに特化したミニバンとしての完成度は極めて高いものであった。数年前、ホンダのオデッセイ開発陣に聞いたところ、3代目オデッセイは現存率が極めて高いということだった。それほど、多くのオデッセイファンに愛され、長きに渡って乗り続けているということだ。

 加えて、ペッタペッタのドレスアップカー比率が多いのも、この3代目オデッセイである。ちなみに2代目オデッセイ・アブソルートユーザーだった筆者が3代目アブソルートに買い替えなかった理由は、全高、室内空間、スポーティな走りを両立する魅力が、2代目を上まわらなかったからだ。

ホンダ自慢の低床ミニバン02:エリシオン・プレステージ

 300psを誇るプレステージグレードが存在したホンダのエリシオンも、記憶に残る名作ミニバンと言っていい。国内向けの初代は2004年に登場し、2013年まで販売されていたのだが、2007年に追加された上級グレードのプレステージには、3.5L V6エンジンを搭載。

 内外装の豪華さはもちろん、走行性能においても特別な1台だった。とにかく走りは豪快で、アクセルペダルを床まで踏みつければ、血の気が引くほどの怒濤の加速力を見せつける。そのパワフルさは運転する側が、途中でアクセルを緩めてしまうほどだった。全高は1810mmもあったのだが、もちろんホンダのミニバンならではの低床パッケージで、見た目からは想像もできない低重心感のある走りと俊敏なフットワークさえ見せつけてくれた!

ホンダ自慢の低床ミニバン03:ジェイド

 ステーションワゴンのような低い全高&低床とヒンジドアを持つミニバンがホンダのジェイドだ。2015年から2020年までひっそり(?)と売られていたモデルで、全高はもっとも低いグレードで1530mm。この数値は3代目オデッセイ・アブソルートの1550mmよりさらに低いのだ。

 見た目も室内空間もほぼ3列6シーターのステーションワゴンという感じで、2~3列目席のV字レイアウトが新鮮であったが、ミニバンとしては使いにくかった。しかし、その理由は何かと言えば、6人座れるスポーツワゴンととらえれば、室内空間のミニバンらしからぬ世界もどうということはない。とくに2015年に加わった、専用パワートレーン、シャーシセッティングを持ち、225/45R18サイズのスポーツタイヤが奢られるRSの走りは、とびっきりのスポーツ度はないものの、適度にスポーティ感あるワゴン的な低重心感覚にあふれた乗り味はなかなかのものだった。

 もっとも、基本的には中国向けのクルマであったので、ホンダのスポーツスピリットの注入度はそれほど高くなかったようだ。ミニバンと見ると中途半端過ぎたのか、後期には2列シートモデルまで登場。これがオシャレなワゴンとしてなかなか良かったのである。

ホンダ自慢の低床ミニバン04:2代目ストリーム

 そうそうホンダには、ストリームという全高1545mm(2WD)のトヨタのウィッシュと激戦を繰り広げたコンパクト低全高ミニバンもあった。とくに2代目のスポーティグレードとなるRSZは、エンジンこそ標準車の2Lモデルとの違いはなかったものの、足まわりやタイヤサイズ、パドルシフトの有無といった違いがあり、スポーツ度はそれなりにあった。

 純粋なミニバンではないものの、2009年7月に加わったRSTを名乗る2列シートモデルは、直前までアメリカホンダにいた開発担当者が引き継ぎ、乗り心地などかなり洗練されたスポーティワゴンに変身。筆者としては、これをベスト・オブ・ストリームと推したい。

ホンダ自慢の低床ミニバン05:5代目オデッセイ

 そして、ついにオデッセイの歴史に幕を閉じることになった5代目オデッセイである。2013年に発売され、2022年まで販売された、両側スライドドアをオデッセイとして初めて備えたミニバンだが、スライドドアを成立させるために全高が1700mm前後になっても、ホンダ自慢の低重心パッケージは健在。ライバルの自動車メーカーのミニバン担当者に「ミニバンの皮を被ったスポーティカー」と言わしめるほど、スポーティな走りが自慢だった。

 そのため全高に対処し、初期型アブソルートの足まわりはガチガチで失礼にもスポーティ過ぎた。前席はともかく、2~3列目シートの乗り心地は硬過ぎた。知り合いが初期型の中古車を家族のために買ったのはいいが、後席に座らされた家族からは大ブーイングの嵐だったそうだ。

 最終型では多少マイルドになったが、ホンダがこだわる操縦安定性を担保するため、低重心パッケージの足まわりはやはりスポーティ。「家族のためにミニバンを買うけど、走りの良さ、運転する楽しさは譲れない」、そんなユーザーにとってはライバル無き孤高の存在と言っていい。すでに生産は終了しているものの、もしかすると今なら新車の在庫を購入できるかもしれないし、乗り心地を重視した後期型の中古車を狙う手もある。無い物ねだりで中古車価格が高騰する可能性もあるから、決断はお早めに!

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