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プリンススカイライン1900デラックス(SLSID型・昭和36年/1961年5月)【昭和の名車・完全版ダイジェスト003】

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プリンススカイライン1900デラックス(SLSID型・昭和36年/1961年5月)【昭和の名車・完全版ダイジェスト003】

この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。第3回目は、1961年に発売されて先進の技術を誇ったプリンス自動車の「スカイライン・1900デラックス」だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

初代スカイラインの進化形として登場
昭和35(1960)年9月、5ナンバー規格の排気量上限が1500ccから2000ccに引き上げられた。これを受けて翌36年5月、スカイライン1900デラックス(BLSID-3)が登場することになった。ちなみに昭和36年2月に富士精密工業はプリンス自動車工業に社名変更している年だ。

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スカイライン1900デラックスは、従来型シャシにグロリアと同じ1862ccのGB4型直4OHVエンジン
を搭載したものだが、もともとグロリアはスカイラインに1.9Lエンジンを搭載したものだから、両車の立場は微妙を通り越して社内にライバルがいる状況となってしまうのは皮肉なことだった。

グロリアと差別化するため、スカイラインはエンジンの圧縮比を8.0に下げ、レギュラーガソリンが使えるようにした(グロリアは圧縮比8.5でハイオク仕様)。価格も室内の艤装もシンプルにして、グロリアより13万円安い102万円としている。同年10月には1900スタンダード(BLSIS-3)も追加された。

決してハイパワーではなかったが、ハイウェイクルージングではゆったり
スカイライン1900デラックスの美点は、1340kgの重量を生かした乗り心地の良さにある。バックボーントレーフレームと結合されたボディの剛性はきわめて高く、荒れた路面でも捩れや振動がよく抑えられているし、前:ダブルウイッシュボーン/後:ド・ディオンアクスルのサスペンションは、高い接地性を発揮すると同時に路面からのショックやノイズをよく吸収して直接車内に伝えない。

乗り心地自体はかなり柔らかく、「この重量感は4 ~ 5年前の堅牢な米車のセダンに似ている。前後席の乗り心地に差がないのも特徴的である(モーターマガジン誌・昭和36年10月号)」と、当時の国産車とはひと味違う乗り味が評された。

一方、走行性能では、重い車重と最高出力91ps/4800rpmに対して15.0kgmの最大トルクを3600rpmで発生する高回転型エンジン特性に加え、ステアリングホイール/クラッチ/ブレーキなど「すべてのコントロール類が最近の標準からすると非常に重く、シフトレバーも操作が硬くぎこちない(モーターマガジン誌・同上)」ために、変速操作の多い市街地走行は苦手とした。発進加速も2名乗車で0→80km/hが14.6秒と、当時の セドリック・カスタム(1900cc/11.3秒)に大差をつけられた。

しかし、ひとたび広く空いたハイウエイに入ると、「スカイライン1900は水を得た魚のように生彩を取り戻す(モーターマガジン誌・昭和36年10月号)」。明らかに「高速車」を目指した設計であり、グランドツアラー的性格がライバルと一線を画すスカイラインの持ち味でもあった。

昭和37(1962)年10月、スカイラインは大規模なマイナーチェンジを受ける。価格はスーパー(従来のデラックス)が96万円、スタンダードは79万円まで値下げされたが、販売力の差もあってクラウンやセドリックの牙城は崩せず、ナンバー3の地位のまま翌昭和38(1963)年9月のフルモデルチェンジで1.5Lクラスの小型ファミリーカー・S50型として生まれ変わることになる。

プリンス・スカイライン1900デラックス主要諸元
●全長×全幅×全高:4380×1675×1535mm
●ホイールベース:2535mm
●重量:1340kg
●エンジン型式・種類:GB4型・直4 OHV
●排気量:1862cc
●最高出力:91ps/4800rpm
●最大トルク:15.0kgm/3600rpm
●トランスミッション:4速コラムMT
●タイヤサイズ:7.00-14 4PR
●新車価格:102万円

[ アルバム : プリンス・スカイライン1900 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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