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【なぜマツダ、こんなにファンと関係近い?】ロードスターの存在 広島という土地柄 スバルとの違いは?

掲載 更新 17
【なぜマツダ、こんなにファンと関係近い?】ロードスターの存在 広島という土地柄 スバルとの違いは?

あくまでもファンが主役のイベント

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】イタリアにも熱烈なロードスター収集家 45台をあつめる【詳細】 全23枚

良かった。今年も例年通り、まったりとした会ができた。

7月の四連休、JR新子安駅に近いマツダR&D横浜に全国各地から「ロードスター」ファンが顔を見せた。

イベント名称は、2020ロードスター展。当初予定だった7月11日~26日が若干後ろ倒しとなり、7月23日~8月9日の開催とした。

7月四連休以外は、土日の実施だ。

正面玄関には、次のような張り紙がある。

「2020年ロードスター展にようこそ。2009年から毎年夏に、ロードスターファンが集まれる場として開催しています。ごゆっくりお楽しみください。主催:ロードスター・クラブ・オブ・ジャパン 協力:マツダ株式会社」

このように、イベントをやるのも、来るもの、ロードスターファンであり、マツダファンたち。

あくまでも、メーカーであり販売者であるマツダは、ファンをバックアップするという姿勢である。

日頃は次世代車開発や先進デザインの研究をおこなっている、企業機密満載の施設をファン主導の運営目的で提供するというのは、自動車メーカーとしては極めて稀だ。

なぜ、ここまでのことができるのか?

その背景にあるのは、もちろん、メーカーとファンと間の信頼関係があるからだ。

マツダとファンは、距離が近い。

だからこそ、こうしたまったりとした空間が自然と出来上がる。

自筆サインをもう一度見たい

今回、2020年ロードスター展に足を運んだ大きな理由は、あのサインをもう一度見たいと思ったからだ。

横浜R&Dセンターのエントランスの展示スペース。通常はマツダ本社所蔵の古き良き時代のマツダ車が飾られている。

2020年ロードスター展では、そのスペースに3台のロードスターが並んだ。

手前から、ND(4代目)、NC(3代目)、NB(2代目)である。各車のボディ面には、ロードスターを愛する人たちの自筆サインが描かれている。

このロードスターたちは、生誕10周年記念、20周年記念、そして30周年記念としてロードスター・クラブ・オブ・ジャパンが大切に保管しているもの。

それぞれが全国各地のファンイベントを巡って、10年ぶりの記念日を祝った証である。

NDのフロント部分、マツダのエンブレムの右側に、筆者(桃田健史)のサインもある。2019年ロードスター展で書いたものだ。

その後、このNDは「ロードスター30周年ミーティング」(2019年10月13日:広島県三次自動車試験場)に姿を見せた。

ここでもマツダ本社はあくまでもわき役。ファンが作るファンイベントを支えた。

さらにいえば、マツダ社内には数多くのマツダファンがある。マツダファンだから、マツダに就職した人たちだ。

一方、スバルは……。

スバルとマツダ 似ていない?

経済メディアでは、マツダとスバルは企業として似ていると表現されることがある。

理由としては、トヨタなど大手と比べて企業サイズが小ぶりなので、ユーザーに対する目配せがしやすいといった観点を挙げられている。

筆者は長年に渡り、マツダとスバルそれぞれの本社と様々な立場で接してきたが、私見としては、両社の企業体質はあまり似ていないと感じる。

最も大きい要因は、地域性ではないだろうか?

マツダの場合、広島という存在が極めて大きい。社員の多くが、山陰・中国地方、または九州北部の出身で、広島に対する思い入れが強い。

また、広島の人々にとって、マツダは、広島東洋カープに代表されるように「マツダ=広島」という意識がとても強い。

そうした地元愛が、マツダに対するユーザーのロイヤリティ(忠誠心)につながっている。

一方、スバルは群馬県太田市という企業城下町はあるが、本社は長らく東京の新宿駅前にあり、近年は渋谷区恵比寿駅近くに移転。

スバルの従業員の出身は、関東地方各地に分散している。

そのため、地域性での繋がりというより、往年のWRC(世界ラリー選手権)や、近年のニュル24時間など、STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)ブランドを筆頭とする、技術優先のブランドイメージを社員とユーザーが共有している。

メーカーとユーザー これからの関係

このように、マツダとスバルは企業体質や社会背景での違いはあれど、マツダはロードスター、スバルにはSTIという、企業ブランドを象徴する存在があるためファンとの関係が深堀りしやすいし、実際に良き関係を維持できている。

一方で、トヨタ、日産、ホンダには、そうしたファンとの強い絆が弱い印象がある。

その中でトヨタは、GRを強化しながら、量産車「GRヤリス」の初期販売が好調であるが、現時点ではまだ、GRファンは限定的で、そこからトヨタブランド全体への波及効果が現れるにはまだかなり時間がかかりそうだ。

日産やホンダも、ニスモや無限があり、スーパーGTやF1は当面続けていくとしても、ファンやユーザーとの関係性について、新たなる方策を示すべき時期だと感じる。

その中で、日産は横浜本社近くに期間限定の日産パビリオンを開設し、「アリア」を筆頭とする未来の日産像を紹介しているが、こうした機会から、さらにもう一歩踏み込んだような秘策はないものか?

メーカーとユーザーが良き関係を築き、単なるユーザーからファンになる。

手作りイベント、ロードスター展を肌で感じながら、未来のくるまのあり方について様々な可能性を思い浮かべた。

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