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狙い目は4座モデル! ギラつかない枯淡の境地のフェラーリとは?

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狙い目は4座モデル! ギラつかない枯淡の境地のフェラーリとは?

■オトナの男が選ぶフェラーリは、4座フェラーリ(渋色)でキマリ!

 2020年のRMサザビーズによる「オープンロード・ヨーロピアン・サマー・オークション」が、オンライン開催になったことは、これまでもお伝えしているとおりだ。

セクシー「フェラーリの女豹」の愛車「308」は、GTSなら1000万円以下で手に入る!?

 実際にそのロットを見ていくと、出品されたアイテムはとても魅力的なものばかりなのだが、やはり実物を自分自身の目で見なければ判断がつかないというのが現実なのであろう。

 参考までにこのオークションでのトータルの売上高は、823万4605ユーロ(邦貨換算約10億2109万円)。トップレースは1966年のフェラーリ「275GTB」(アロイボディ)で価格は143万ユーロ(同1億7732万円)に達したにすぎなかった。

●フェラーリ「330GT 2+2」:1965年

 それではオート・オークションの主役ともいえる、ほかのフェラーリにはどのような評価が下されたのだろうか。ここで注目するのは、近年オークション・マーケットでも注目度が高まりつつある2+2の4シーターフェラーリだ。

 スーパースポーツというわけではなく、快適でもちろん高速走行を可能にするGT=グランツーリスモとして誕生した2+2フェラーリの元祖は、1960年に誕生した「250GTE」である。その人気は高く、マイナーチェンジを繰り返しながら、1963年まで1000台以上が生産された。

 今回のオークションに出品された1965年式の「330GT 2+2」は、この250GTEの後継車となったモデルだ。

 エクステリア・デザインは、おもな市場となるだろう北米を強く意識したのか、4灯式のヘッドランプと薄く横長なデザインのグリルで構成される力強いグリルに始まり、テールエンドまでダイナミックなラインがピニンファリーナによって描かれている。

 エクステリアからでも、キャビンの機能性の高さはうかがい知れるが、リアには十分に実用に耐える左右独立型のシートが、新車からの時間の流れを感じさせるコンディションを保っている。

 圧巻なのはチーク材を使用したインパネの美しさであろう。パワーウインドウは標準装備となり、オプションのエアコンも装備している。また、出品車に装着されているボラーニ製のワイヤーホイールもオプションで設定されていた装備だ。

 搭載エンジンは最高出力340psの4リッターV型12気筒である。車内での会話を楽しみつつ、240km/hの最高速を実現することが可能だったという。

 12万-15万ユーロ(邦貨換算約1488万円-1860万円)での予想落札価格が明らかにされていたこのオークション。結果は12万6500ユーロ(邦貨換算約1600万円)での落札となった。

 約600台しか存在しないという希少性も、このオークションでは大きな後押しとなったのは確かなようだ。

■通好みの狙い目、ベルトーネ製フェラーリとは

 続いて1975年式の「208GT4」を紹介しよう。208GT4もここ数年で注目が集まりつつある1台である。

●フェラーリ「208GT4」:1975年

 一瞬「308GT4」の間違いではないのかと思うかもしれないが、1975年のジュネーブ・ショーで発表された、リアミッドのV型8気筒エンジンの排気量を2リッターにまで縮小したモデルが208GT4である。

 当時のイタリアでは2リッターというラインで付加価値税が大きく増税されたので、フェラーリとはいえ2リッターモデルは必要にして不可欠な存在だったのだ。

 308GT4は、「ディーノ246GT」のシャシを延長し、新型のV型8気筒エンジンを搭載。ボディーデザインをピンファリーナからベルトーネへと変更するという、まさにドラスティックな変化とともに誕生した。

 そのシリーズ最小版たる208GT4には今回、4万-5万ユーロ(邦貨換算約496万円-620万)の予想落札価格が示されたが、最終的には3万800ユーロ(同382万円)での落札となった。

●フェラーリ「365GT4 2+2」:1976年

 1976年式の「365GT4 2+2」は、新車時からのオリジナルのシルバー・ペイントをそのまま残した素晴らしい1台。

 ブラックレザーとウッドパネルで魅力的なコンビネーションを見せるキャビンも、5万5000kmあまりを走行しているにもかかわらず使用感は少なく、すべての装備はもちろん正確に機能する。

 新車当時からの整備記録や、フェラーリ・クラシケによる認定書等々のドキュメントもきちんと揃っているのだが、それを見るとまず、フェラーリのファンは大きな驚きを感じるに違いない。

 実はこのS:N19709の365GT4 2+2は、フェラーリが生産した最後のモデルだったのだ。

 ちなみにその後継車は「400オートマチックGT&400GTi」。エンジン排気量は365の4.4リッターから4.8リッターに増加し、最高出力も30psほどアップするが、最高速は365の245km/hから5km/hほどダウンしてしまう。残念ながらオークションでは売買は成立しなかったが、RMサザビーズでは9万ユーロ(邦貨換算約1116万円)で現在も買い手を探している。

 現行モデルにかなり近くなる2台の2+2、1996年式の「456GT」と、2008年式の「612スカリエッティ」に関しては、多くの説明は不要だろう。

●フェラーリ「456GT」:1996年

 456GTについては、何といってもそのエレガントなグリーンのボディカラーが大きな魅力。タン系の内装色とのコンビネーションも、GTとしては、とても魅力的なものに思える。

 現在の走行距離は2万1000km未満。サービス記録はすべて残されており、最新のものは2020年3月の整備記録で、エンジンオイルとブレーキオイル、タイミングベルトの交換などがおこなわれている。

 ただしこちらもオークションは成立せず、販売が継続されている。価格は提示されていないが、オークション時の予想落札価格は、7万5000-9万5000ユーロ(邦貨換算約930万円-1178万円)だった。

●フェラーリ「612スカリエッティ」:2008年

 456GT(正確には456M GT)までのスタイルから一転、優雅なクーペスタイルを採用した612スカリエッティは、こちらもアダルトなフェラーリ・ファンには人気の高いモデルだ。

 今回は2008年式のHGT2パッケージ(ハンドリング・GT2・パッケージ)付きのモデルが出品されている。スポーツエグゾースト、スポーティなセッティングのアンチロールバーや電子制御バンパー、20インチ径のチャレンジヒールなどが、このパッケージ・オプションには含まれていた。

 そのような珍しさ、そして約4万8000kmという走行距離も理由としてあったのだろうか、この612スカリエッティは6万8200ユーロ(邦貨換算約845万円)で落札された。

 安すぎるという声ももちろんあるだろう。それには実はきちんとした理由がある。この612スカリエッティは、EUで支払われるべき税金を払っておらず、さらに輸入手数料、管理手数料、またその他すべての必要な支払いからクルマを開放する必要があるというのだ。オークションの世界には、さまざまな事情が渦巻いているのである。

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みんなのコメント

1件
  • 4座のフェラーリは割安で買えるが、手放す時は格安にしかならない。
    456や612なんかババ抜き状態。次に欲しい人が限られるので相当に足元を見られるぞ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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