8月20日にモビリティリゾートもてぎで行われた2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝は、スタート直後に多重クラッシュが発生し、赤旗中断となった。このうち、ドクターヘリで病院に運ばれた牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、病院での検査を終えて大きな怪我がなかったことが分かった。
スタートでは野尻智紀(TEAM MUGEN)とリアム・ローソン(TEAM MUGEN)が並んで1コーナーに入っていったが、2コーナー立ち上がりで外に膨らんだローソンが縁石でバランスを崩してスピン。コース中央に戻ってきたところに牧野、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が乗り上げてしまい、2台は宙を舞った。さらに後方で行き場を失った松下信治(B-Max Racing Team)もガードレールにマシンをヒットさせ、3台がリタイアした。
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このうち、松下はすぐにマシンを降り、関口も横転したものの自力で脱出し問題なかったが、地面にマシンが叩きつけられた牧野はマーシャルによりシートに固定されたまま救助され、救急車でメディカルセンターへ運ばれた。
容体を心配する声もあったが、レース中の場内アナウンスで発表された情報によると、牧野は意識もあって会話ができる状態で背中の痛みを訴えているとのことで深刻な状態ではないことが明らかとなった。
さらにその後の状況についてレース後チームに聞いたところ、背中の痛みがあることと、時折ぼんやりする感じになるとのことで、念のためドクターヘリで病院へ向かうこととなったという。
病院での精密検査の結果、骨折を含めた外傷や内臓に異常はなかったという。意識もあって受け答えもできているそうだが、念のため経過観察をするということで病院に一晩入院する模様だ。
■「どうすることもできなかった」と関口雄飛
一方、牧野と一緒に宙を舞う形となった関口は自身の身体は問題ないと答え、アクシデントの状況を語った。
「平川(亮)選手と1コーナーで並んでいって、2コーナーで少し前に出た状態でいったら、レッドブルのクルマ(ローソン車)がスピン状態になっていました。3コーナーへのアプローチのために(コースの)右側に寄り始めていったところで、ちょうど真ん中くらいのところまで来たら、ローソン選手が目の前に来ました」
「もちろん、右に避けて減速もしたんですけど……SUGOでジュリアーノ(・アレジ)と接触した時と一緒で、自分が逃げた方向に相手がきてしまったので、どうすることもできなかったです。『ぶつかるな』と思った瞬間に、後ろからぶつかられました。たぶん、それが牧野選手だと思います。完全にもらい事故ですね」
そのさらに後方にいた松下は「僕は山本(尚貴)選手の後ろだったと思います。レッドブルのクルマがスピンしたのは見えたんですけど、どっちに(クルマが)来るか分からなかったので、僕は右にいきました。ダートに避けたんですけど、ガードレールに当たって、目の前に牧野選手が飛んできたという感じです」と状況を説明した。
「(クラッシュは)残念でしたけど、任祐が大丈夫そうなので何よりです。僕も身体は大丈夫です」と、まずは牧野の無事に安堵している様子だった。
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