■派手なのに覆面パトカー!? 新たに導入されたカムリとは
コロナ禍のステイホームで静まり返っていた2020年5月の東京。そんな状況でひっそりと導入され、話題になっているパトカーが存在します。それがトヨタ「カムリ」をベースとした覆面パトカーですが、なぜ注目を集めているのでしょうか。
【画像】覆面カムリのベースはコレ! WSをささっと見る!(20枚)
ひとくちに覆面パトカーといっても、大きく2つのタイプに分けることができます。事件捜査などで使われるタイプと、交通パトロールや交通取り締まりに使われるタイプです。今回投入されたカムリのパトカーは後者に属します。
交通違反の取り締まりをおこなう覆面パトカーといえばトヨタ「クラウン」や「マークX」、日産「スカイライン(V36型)」などが有名です。
珍しい車種としては、日産「スカイラインGT-R(BNR34型)」、2ドアクーペのトヨタ「ソアラ」、そして昨今はスバル「WRX S4」なども活躍。いずれもパトカーとは思えない覆面性の高い車種[k1]が存在。
また、覆面ではなく白黒パトカーですが、この手の珍しさでいえば栃木県警の「GT-R(R35型)」やホンダ初代「NSX」、警視庁の「フェアレディZ NISMO(Z34型)」などもあります。
また、大きな話題となったのが警視庁に十数台が採用されている特別なトヨタ「マークX」。なんとカスタマイズを手掛けるのはトヨタの関連企業のモデリスタ仕様で、3.5リッターV型6気筒エンジンにはスーパーチャージャーを追加。360馬力を誇る“史上最速の覆面パトカー”と呼ばれています。
しかし、このモデリスタ仕様マークXのパトカーが注目された理由はエンジン以外にもありました。それはスタイリングです。
モデリスタ製のエアロパーツを装着するフルエアロ仕様で、見た目が派手なのです。「覆面パトカーは見た目が地味」という常識を逆手に取った手法で、これまでの覆面パトカーの印象を覆すもの。覆面パトカーに詳しい人でも見分けるのは難しいでしょう。
あえていえば、フルエアロなのにホイールがノーマルなことと、ルーフ後部にポールアンテナが備わっているのが一般車両と見分けるポイントです。
そして、今回されたカムリの覆面パトカーも、そんなモデリスタ仕様マークXに通じるオーラを持ち、それが事情通から注目されている理由となっています。
ベース車は、カムリのなかでもエアロ仕様となる派手な「カムリWS」で、さらに競技車両などを担うトヨタ関連組織である「TRD」ブランドのエアロパーツやアルミホイールを装着。まるでクルマ好きの愛車のようなスタイリングとなり、覆面パトカーらしい雰囲気を消しています。
今後はフルエアロ付きだからといって「覆面パトカーではない」と判断するのは早計といえるでしょう。
■ハイブリッド車は初採用!? 珍しさ満点のカムリとは
ところで、このカムリの覆面パトカーはスタイリング以外にも大きな驚きがありました。それは交通違反の取り締まり用パトカーとしては、初めてのハイブリッドカーということです。
これまで交通違反の取り締まり用の覆面パトカーは、クラウンなどハイブリッドがラインナップされる車種であっても、ハイブリッドではなくガソリン車をベースとしていました。
ところカムリはハイブリッド専用車。覆面パトカーのためにガソリン車(海外向けには存在する)を用意するとは思えません。
フロントフェンダーやトランクリッドにハイブリッドを示すエンブレムが備わり、前後のトヨタエンブレムもハイブリッドを意味するブルーが添えられたタイプなので、パワートレインはハイブリッドと考えるのが自然でしょう。
そんな変化からも、このカムリの覆面パトカーは、交通違反の取り締まり用覆面パトカーの歴史に残る車種といえるかもしれません。
ちなみにFFの交通取り締まり用パトカーも珍しいですが、かつて神奈川県警などが採用していた日産「ティアナ」もFFでした。
もちろん交通法規をしっかり守っているドライバーにとって覆面パトカーは、警戒する必要がないどころか、道路上の治安を守り安心を生んでいる頼もしい存在。
しかし参考までにパトカーと見分けるポイントを挙げておくと、ルーフ後端にあるポールアンテナです。これは市販モデルには付いていません。
そして右側にもあるマフラーのテールパイプ用スペースもポイント。ここはオプションで用意される「ドレスアップマフラー」を追加することで左右4本出しとなるのですが、それを装着していないパトカーは塞がっているので不自然さが否めません。そこには、後方へ向けたスピーカーが組み込まれているようです。
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