現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【V8マツダ ロードスター物語】「ブレット ロードスター」オーストラリアに420馬力を超えるV8搭載の初代マツダ ロードスターが存在した!

ここから本文です

【V8マツダ ロードスター物語】「ブレット ロードスター」オーストラリアに420馬力を超えるV8搭載の初代マツダ ロードスターが存在した!

掲載 4
【V8マツダ ロードスター物語】「ブレット ロードスター」オーストラリアに420馬力を超えるV8搭載の初代マツダ ロードスターが存在した!

ブレット ロードスター:少量生産されたV8搭載のマツダ ロードスター。冗談抜きで、オーストラリアには420馬力を超えるV8搭載のマツダMX-5 NAがあった。

「マツダMX-5」はロードスターの真髄であり、小さくて軽く、運転するのが信じられないほど楽しい。現在4代目となる「MX-5」は、30年以上にわたって絶対的なベストセラーであり続け、累計販売台数は100万台をはるかに超えている。

え、これですか? ジェレミー クラークソンが何度もスピンしたW12搭載のゴルフ GTIです!「VWゴルフGTI W12-650」

「MX-5」の全世代に共通するのは、基本コンセプトを除けばエンジンである!「NA」、「NB」、「NC」、「ND」を問わず、すべてに自然吸気4気筒エンジンが採用されている。排気量や定格出力の異なるさまざまなエンジンが使われたが、「MX-5」は1989年以来、自然吸気4気筒エンジンだ。唯一の例外は「マツダスピードMX-5 NB(ロードスター ターボとも呼ばれた)」だったが、これはアメリカと日本でのみ提供された。そしてオーストラリアからは、MX-5にV8を搭載した「ブレット ロードスター」が登場したのだった!

「ブレット ロードスター」をご存知ない?ご心配なく。「ブレット」はファクトリーコンバージョンではなく、約10年かけて手作業でそれなりの台数を生産した小さなシリーズなのだ。そのアイデアは1996年まで遡る。オーストラリアの小さなチューニングショップが、NAの4気筒をよりパワフルなエンジンに換装することを思いついたのだ。

ロータリーエンジンを搭載した最初のプロトタイプ

その選択は、一風変わったドライブに行き着いた。「ブレット ロードスター」の最初のプロトタイプは、「マツダRX-7 FC3S」の13B型ヴァンケル式ロータリーターボエンジンを搭載していた。小型の「MX-5」がより大きなパワーを得ることになったが、「ブレット カーズ」の最大の目標は、重量配分を維持すること、つまり優れたハンドリングを維持することだった。というのも、その説明から想像されるのとは異なり、エンジンは単に標準の「MX-5」に移植されたのではなく、トレリスフレームが開発され、エンジンが搭載され、その上にオリジナルのボディワークがはめ込まれたからだ。その結果、300馬力のヴァンケル式ロータリーエンジンを搭載したロードスターだが、見かけは普通の「MX-5」のようだった。

チューナーのブレットカーズは、よりパワフルな「MX-5」を「ブレット ロードスター」の名で少量生産することを決定した。自社開発のシャシーとボルグワーナーのマニュアルギアボックスはそのままに、エンジンが変更された。

最終的に、ロータリーエンジンの代わりに、ブレットカーズは4.6リッターのローバー製V型8気筒エンジンを選択した。理由は明白で、V8はエキゾチックなロータリーエンジンよりもはるかに頑丈で、比較的大量に入手できるとブレットカーズは考えたからだ。

通常のMX-5の3倍の価格

「ブレット ロードスター」の誕生: ビジュアル的には、小ぶりのヘッドライトを備えたフェンダー一体型のボンネットが特徴で、フロントが開いてエンジンとシャシーが見えるようになっていた。1999年に発売された「ブレット ロードスター」の価格は7万オーストラリアドル(約670万円)で、標準的な「MX-5 NA」の約3倍だった。

2000年代初頭には、ブレットカーズのワイルドな作品は評判を呼び、V8エンジンを搭載した「MX-5」への需要が高まっていた。しかし、ローバーV8のサプライチェーンが崩壊し、需要に見合うだけのエンジンが供給されないという問題が発生した。

「ブレット ロードスター」の終わりは、むしろ新たなスタートのようなものだった。オーストラリア人は、これ以上説明することなく、エンジンを再び変更することを決めた。今度は供給不足にならないようなパワーユニットに。しかし、もちろんV8でなければならなかった。それが「ブレット ロードスター」の一番のセールスポイントだったからだ。

2002年からトヨタV8

調査の結果、トヨタ製エンジンに決定した。「レクサスLS400」や「トヨタ ソアラ」にも採用されている「1UZ-FE」エンジンである。このVVT-i付き4リッターV型8気筒エンジンは、「レクサスGS 400」で最高305馬力を発揮し、十分に大量に入手可能であっただけでなく、非常に安定したエンジンとしても知られていた。

2002年にブレットカーズがスーパーチャージャーキットを装着して極限まで高めたのも、このためだったのかもしれない。この新しいトップモデルは「ブレット ロードスターSS」と名付けられ、420馬力、575馬力という驚異的なパワーを発揮したと言われている! この小さなロードスターは、0から時速100kmまで4.7秒で駆け抜け、速いと思われていた他のスポーツカーを置き去りにしたと言われている。

「ブレット ロードスターSS」では、外観も大幅に変更され、主にワイドボディキットが採用された。2003年の新車価格は12万オーストラリアドル(約1,150万円)だった。

2010年、ついに「ブレット ロードスター」の生産は終了し、オーストラリアのチューニングカンパニーが同年に新型スポーツカーを発表したにもかかわらず、近年のブレットカー周辺は非常に静かなものとなっている。

1,000台弱が製造されたと言われるとはいえ、「ブレット ロードスター」の歴史には目を見張るものがある。「MX-5」のプロトタイプをさらにパワーアップして作るというアイデアから、10年間で1,000台弱が手作業で作られた小さなシリーズまで。この偉業には脱帽である!

※ YouTube動画(英語)はこちらをどうぞ。

https://youtu.be/DXNvsTq0paIText: Jan Götze

こんな記事も読まれています

フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
AUTOSPORT web
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
ベストカーWeb
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
AUTOSPORT web
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
AUTOCAR JAPAN
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
Auto Messe Web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
AUTOCAR JAPAN
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
レスポンス
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

4件
  • goo********
    オーストラリアは昔から精工なスーパーカーのレプリカも作っていたのでイギリス同様にこういった小規模な工房がたくさんあるのだろう。
  • dgc********
    V6のはフロントヘビーでタイム悪かった、コレも直線はそこそこだろうけどサーキットはどうなんだろ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村