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「やっぱり気持ちいいのは“手コギ”だよね」ピュアスポーツカー以外でも3ペダルのMT設定が残る日本車3選

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「やっぱり気持ちいいのは“手コギ”だよね」ピュアスポーツカー以外でも3ペダルのMT設定が残る日本車3選

快適性とエコとの引き換えにMTの設定が激減

 1990年代~2000年代初頭はマニュアルトランスミッション(MT)車は当たり前のように存在していました。

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 基準車がオートマチックトランスミッション(AT)を装備していても、オプション扱いでMTが選べたりもしました。

 しかし、メジャーなクルマがセダン・クーペからミニバンなどのファミリーカーに移るにつれ、快適性の枷となるMTは設定が削減されていきます。

 それと同時に、ATも従来のトルクコンバーター式から無段変速機(CVT)、デュアルクラッチ式トランスミッション(DCT)といった機構が増えていきました。

 また、車にエコ性能が求められるようになると、ハイブリッドシステムと相性の良いATが完全に主流となります。

 AT限定の運転免許が作られたことも影響が大きいでしょう。

 やがてMTはスポーツ車や業務用車にのみ設定が残されるマニアックなトランスミッションとなりました。

 しかし、純粋なスポーツ車以外にもMTをあえて採用したマニアックなモデルが若干数ですが現在もみられます。

 大きな話題となったのがレクサス「LBX “MORIZO RR”」です。

 2024年1月に開催された「東京オートサロン」で国内仕様を発表し、8月下旬に発売となりました。

 レクサス最小のSUVとして登場したLBXを、レーシングドライバー“MORIZO”、そしてトヨタ自動車テストドライバーの最高位“マスタードライバー”の顔を持つ豊田章男代表取締役会長自身がチューニングしたのが“MORIZO RR”です。

 レクサスらしい上質さはそのままに、ハイパフォーマンススポーツモデル「GRカローラ」に搭載されるエンジンを移植。

 その1618ccの直列3気筒DOHCインタークーラーターボエンジンは、最高出力224kW(304PS)/6500rpm・最大トルク400Nm(40.8kgm)/3250~4600rpmを発生します。純粋なガソリンエンジン車で、駆動方式はAWDです。

 そして何より注目すべきは3ペダルの6速MTが採用されたことでしょう。自動ブリッピング(変速時に回転数を合わせる機能)も備わる最新型のものです。

 LBX “MORIZO RR”はサーキット走行もできるようデザインされています。ただ、コンパクトSUVであることには変わりありません。

 SUVらしい利便性はそのまま、日常利用にスパイスを与えてくれるでしょう。

“命を守る”ために残るMT

 ホンダの現在のラインアップの中で最高峰のスポーツモデルは「シビック タイプR」です。

 ボディこそ現行型のシビックですが、中身はレーシングカー並みのセッティングと専用装備で固められており、トランスミッションはもちろん6速MTとなっています。

 ではシビックに乗るためにはタイプRしか選択肢がないかと思えばそうではありません。

 タイプRを別にして、シビックには合計5つのグレードが存在しています。そのうちのスポーティグレード「RS」は6速MTを搭載しています。

 エンジンは1496ccの直列4気筒DOHCターボターボで、最高出力134kW(182PS)/6000rpm・最大トルク240Nm(24.5kgm)となっています。

 そこそこのパワーがあり、日常のドライブもスポーツの楽しさを味わえるのではないでしょうか。

 初代から現代までMTの設定を途切れることなく残しているモデルもあります。

 それがスズキ「ジムニー」シリーズ。軽自動車版と登録車版の「シエラ」にもMTの設定が残っています。

 シエラのエンジンは1460ccの直列4気筒で、最高出力75kW(102PS)/6000rpm・最大トルク130Nm(13.3kgm)/4000rpmのスペック値となっています。

 トランスミッションは4速ATと5速MTを用意しています。本格的なクロスカントリーモデルなので駆動方式はもちろんAWD。悪路走破性を高めるために、パートタイム式AWD(二駆と四駆を手動で切り替える)であることに加えて、駆動力を高める副変速機も搭載。こちらも手動で切り替えます。

 つまり、シエラは駆動系統を全てドライバーが操作する必要があります。

 しかし全てを自分で操作するクロスカントリー車は、スポーツ車とはまた違った運転の楽しさがありそうです。

※ ※ ※

 現代にMT車を残す意味は、ファンの面と信頼性との2つの面があるでしょう。

 前者に分類されるのがLBXとシビックで、後者はジムニーシエラとなります。

 シエラにおいては、実際に山の中に入る作業車として使用されることもあり、信頼性は何より大事です。山の中で故障したら生命に関わってしまいます。それを防ぐためにあえてMTを設定しているといえます。

 現代でもMTが必要なシーンがあるというのは、なんだか嬉しくなります。

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