2021年9月7日、角田裕毅が来季2022年シーズンもスクーデリア・アルファタウリからF1に参戦することが正式に発表された。同時に、チームはピエール・ガスリーとのコンビを継続することも明らかにしている。角田裕毅はホンダの育成ドライバーとして知られているが、レッドブルプログラムの一員でもあり、そのポテンシャルが高く評価されているということだろう。ホンダのワークスとしてのパワーユニット供給は今季で終了となることから、角田裕毅の動向が注目されていた。
ルーキーで最高位のランキング14位
角田裕毅が希望に満ちた、しかし厳しいシーズンを送っている。ここまでを振り返ってみれば、プレシーズンテストで好タイムを連発し、開幕戦バーレーンGPでいきなりの9位入賞を果たし、その後も、自分のドライビングスタイルを貫いた、ルーキーらしい攻める走りを披露。たしかに、いくつかのミスはあったものの、前半戦だけで、アゼルバイジャンGPで7位、シュタイアGPで10位、イギリスGPで10位、ハンガリーGPで6位と5度の入賞を記録、ルーキーとして最高位のランキング14位につけている。
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2021年F1ドライバーズランキング(第14戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 226.5
2位 L.ハミルトン(メルセデス)221.5
3位 V.ボッタス(メルセデス) 141
4位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス) 132
5位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)118
6位 C.ルクレール(フェラーリ) 104
7位 C.サインツ(フェラーリ) 97.5
8位 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)83
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)66
10位 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)50
11位 E.オコン (アルピーヌ・ルノー)45
12位 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)35
13位 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)24
14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)18
15位 G.ラッセル(ウイリアムズ・メルセデス)15
16位 N.ラティフィ(ウイリアムズ・メルセデス)7
17位 K.ライコネン(アルファロメオ・フェラーリ)2
18位 A.ジョビナッティ(アルファロメオ・フェラーリ)1
ただ、チームメイトのガスリーと成績を比較してみると、予選で角田は14戦全敗。ガスリーは開幕戦バーレーンGPこそ入賞を逃したものの、その後はコンスタントに入賞を重ね、第6戦アゼルバイジャンGPでは3位表彰台を獲得、予選、決勝でトップ10の常連となっている。
この比較をみれば、角田の成績には少し不満も残るが、ガスリーがポイントを失ったレースで角田はそれをフォローするかのように入賞しており、前戦イタリアGPで両者リタイアとなるまで、スクーデリア・アルファタウリは開幕からの連続入賞を続けていた。むしろ、ガスリーがいまやトップドライバーの仲間入りを果たすところまで来ていると見るべきでだろう。
もっとも、欧州での角田に対する評価は微妙だ。シーズン後半戦のスタートとなった3連戦ではいいところがなく、強烈な印象を与えられていない。不運なトラブルやアクシデントで思い切った走りができていない状況だ。前半戦の勢いがやや陰を潜めている感は否めない。
イタリアGPでも、予選でトラックリミットによる記録抹消でQ1敗退、スプリント予選ではロバート・クビサ(アルファロメオ)と接触、決勝レースはブレーキトラブルで出走できずに終わるなどいいところがなかった。
そんな中での、来季のシート決定は今後に向けて転機のきっかけになりそうだ。シーズン開幕前のインタビューでは「シーズン初めは自分のドライビングスタイルを貫いて、ミスをしてもいいから限界を探りながら理解を深め、今の自分のドライビングがどこまで通用するのかを探りながら、シーズン中盤、終盤に結果を出して行ければと思っています」と語っているが、来季のシートが決定して、ここから思い切った走りが見られそうだ。また「自分の特徴は攻めるドライビングにあると思うし、迫力のあるドライビングには自信があります。これからF1をご覧になる方には、F1にしかない速さ、見たことのないコーナリングの速さとかを堪能してもらえれば嬉しいです」とも語っている。
なお、来季のシート決定発表に際して、角田は「スクーデリア・アルファタウリで2年目のシーズンを迎えられることにとても興奮しています。 来年も続けられることは素晴らしいチャンスであり、F1での経験を与え続けてくれたチームとマルコ博士にとても感謝しています。私はピエールと非常に良い関係を築いており、彼の経験から多くのことを学びました。自分のスキルを向上させるのに大変役に立ったので、来年もピエールと一緒にF1の旅を続けられるのはとてもうれしいです。最近ファエンツァに引っ越してきたのでチーム内でもとても落ち着いていますし、次のシーズンを本当に楽しみにしています」とコメントしている。
2021年シーズンも残り8戦という見通し(まだ流動的)となっており、ここからの「大暴れ」に期待したい。
2021年F1シーズン 今後の予定
第15戦 9月26日 ロシアGP
第16戦 10月10日 トルコGP
第17戦 10月24日 USA GP
第18戦 11月7日 メキシコGP
第19戦 11月15日 ブラジルGP
第20戦 11月21日 未定
第21戦 12月5日 サウジアラビアGP
第22戦 12月12日 アブダビGP
2021年F1第14戦イタリアGP決勝 結果
1位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)53周
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+1.747s
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)+4.921
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+7.309s
5位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+8.723s
6位 55 C.サインツ(フェラーリ)+10.535s
7位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス) 53周 +15.804s
8位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+17.201s
9位 63 G.ラッセル(ウイリアムズ・メルセデス)+19.742s
10位 31 E.オコン (アルピーヌ・ルノー) +20.868s
・・・・・・・・・・・・・
リタイア 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
リタイア 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
[ アルバム : 角田裕毅アルファタウリ残留 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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