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オラオラ新型スペーシアに戦々恐々!? いやいや王者は譲らん!! 新型N-BOXは先代以上に売れるのか!?!?

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オラオラ新型スペーシアに戦々恐々!? いやいや王者は譲らん!! 新型N-BOXは先代以上に売れるのか!?!?

 2023年10月、ホンダ新型N-BOXが登場した。フルモデルチェンジ後も先代モデルと同じように国内販売ランキングトップに君臨することができるのか、考察していく。

文/渡辺陽一郎、写真/HONDA

オラオラ新型スペーシアに戦々恐々!? いやいや王者は譲らん!! 新型N-BOXは先代以上に売れるのか!?!?

■初代モデル成功がカギ? ホンダN-BOXが大ヒット作になったワケ

初代N-BOX(販売期間:2011年~2017年/全長3395×全幅1475×全高1780mm)

 2023年10月5日に、ホンダN-BOXが3代目にフルモデルチェンジされた。

 先代型は、モデル末期でも、1カ月平均の届け出台数が約1万9000台に達していた。国内販売ランキングの総合1位だ。

 軽自動車の2位はダイハツタントで、1カ月平均が約1万3000台。N-BOXの売れ行きは突出していた。そのために国内で新車として売られるホンダ車の40%がN-BOXで占められた。

 N-BOXの販売が好調な背景には複数の理由がある。最も大きな影響を与えたのは、2011年に発売された初代モデルの成功だ。

 全高は1700mmを上まわり、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は前輪駆動の軽自動車で最長の2520mmだから、車内がとても広い。後席の足元空間は、軽自動車では最大で、大人4名が快適に乗車できた。

 後席側のドアはスライド式で、開口幅は640mmだから、当時のライバル車よりもワイドに開いた。子供を抱えて、荷物を持った状態でも乗り降りしやすい。

 後席の背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がり、ワンタッチで大容量の荷室に変わる。

 燃料タンクは前席の下に搭載されて荷室の床は低い。路面から荷室床面までの高さを480mmに抑えたから、自転車を積む時も前輪を大きく持ち上げる必要はない。さまざまな使い勝手が優れていた。

 これらの特徴は、すべて今日のN-BOXに受け継がれている。つまり12年前に初代N-BOXが発売された時点で、今日と同じ機能を備えていたからヒット作になった。

■2代目も大ヒットモデルに!どのように進化したのか

2代目N-BOX(販売期間:2017年~2023年/全長3395×全幅1475×全高1780mm)

 そして2017年に発売された先代型は、初代の売れ行きをさらに伸ばすべく、高い開発/生産コストを費やした。エンジンとプラットフォームを刷新して、高張力鋼板や遮音材もタップリと使った。

 そのために乗り心地は快適で、ノイズも小さく、内装は上質だ。運転していると軽自動車とは思えないほどだった。

 そのために先代N-BOXは、初代のユーザーが見ても魅力的に感じた。初代N-BOXが中古車市場で人気を高め、高値で売却できた事情もあり、初代から先代型への乗り替えも積極的に行われた。

 同時に「背の高い軽自動車はN-BOX」という評価も定着して、ホンダ以外のメーカーからN-BOXに乗り替えるユーザーも増えた。その結果、先代型の売れ行きは初代を上まわった。

 先代N-BOXの売れ行きを振り返ると、2021年以外は国内販売の総合1位になっている。

 2021年の1位はトヨタヤリスだが、これはコンパクトカーのヤリス、SUVのヤリスクロス、スポーツモデルのGRヤリスを合計した台数だ。

 クルマを選ぶ時の視点でボディタイプ別に算出すると、2017年以降はN-BOXが常に国内販売の1位であった。

 問題は3代目の新型N-BOXが、今までの売れ行きを保てるかだ。不安な要素はいくつかある。

■走行性能と乗り心地は向上!! 新型N-BOXが抱える悩みとは何か

新型(3代目)N-BOXファッションスタイル(販売期間:2023年~/全長3395×全幅1475×全高1780mm)

 まずは新型N-BOXの外観だ。ボディパネルの造形が巧みでボリューム感を持たせたが、フロントマスクのデザインは先代型に比べて大人しい。

 標準ボディはフロントグリルに細かな穴の開いたデザインだ。カスタムはブラックの光沢のあるグリルでN-WGNに似ている。
 
 両タイプともに、先代型に比べると、輝きのあるメッキパーツの使用を控えた。開発者は「外観を誇示するオラオラ系の顔立ちにしたくなかった」と言う。

 狙いは分かるが、現行型のホンダステップワゴンやフィットも、控え目な表情にして売れ行きが伸び悩んでいる。

 内装ではインパネ周辺にも同様のことが当てはまる。先代型はメーターパネルをインパネ上の高い奥まった位置に装着したが、小柄なドライバーからは「圧迫感が生じて前方が見にくい」という批判があった。

 そこで新型は、メーターをステアリングホイールの奥側に移して一般的な配置とした。インパネの上面は平らに仕上げ、前方視界を向上させている。これもフィットやステップワゴンと同様だ。

 安全運転には、車両の周囲に潜む危険を早期に発見することが重要だ。従って視界は大切なのに、最近は側方や後方を中心に、周囲の見にくいクルマが増えた。

 その意味でN-BOXの開発姿勢は好ましいが、クルマの売れ行きに限ると、マイナスに作用することもある。

 新型のインパネ周辺が先代型に比べて少し貧弱に見えることも不安な要素だ。メーターは先代型はアナログだったが、新型は液晶を使ったデジタルに変わった。

 デジタルには先進的なイメージもあるが、リアルな針を使うメーターに比べて上質感を表現しにくい。

 このほかスポークが2本になったステアリングホイール、エアコンの吹き出し口、ドアのインナーハンドル付近、パワーウインドースイッチの周辺なども、先代型が上質な印象もある。

 収納設備も、新型ではグローブボックスの容量を2倍にするなど改善されたが、細かなトレイやボックスの数は減った。

 バリエーションも変わった。先代型では標準ボディにもターボが用意され、助手席を570mm前後にスライドできる機能も採用していた。これらは新型では廃止されている。このあたりに新型N-BOXのコスト低減を感じる。

 そのいっぽうで走行性能は向上した。エンジンやプラットフォームは先代型を踏襲したから、解析が進んで熟成されたためだ。

 先代型はステアリングの操舵感が少し曖昧だったが、新型では小さな操舵角から車両の進行方向が正確に変わる。

 車線変更では、先代型は変更後に直進状態へ戻る最終段階で、若干の揺り返しが生じた。

 新型ではこの収まりが良くなっている。乗り心地も、細かなデコボコの吸収性が向上して、段差を乗り越えた時の突き上げ感も抑えた。

 エンジンではノーマルタイプの進化が大きい。例えばアクセルペダルを戻してエンジン回転が下がった後、再び踏み込んだ時など、先代型では加速を再開するまでに若干の時間差が生じた。

 加速の仕方も唐突だったが、新型では速度変化の繋がり方が滑らかになった。

 以上のように新型N-BOXは、先代型に比べて運転感覚や乗り心地が洗練された。

 この良さは、いずれも街中を短時間運転しただけで実感できる。走りに敏感なユーザーは、新型に魅力を感じるだろう。

■先代モデルよりも価格アップ! 機能と装備内容で見ればお買い得なモデルに

新型N-BOXからメーターがデジタルに変わり、さらにインテリアは、先代よりも上質感のある印象となった。前方視界は、先代より向上させた

 つまり先代N-BOXから新型に乗り替えるユーザーには、長所と欠点が両方とも生じる。

 質感を重視する人は「車検を取って乗り続けようか」と考えるかも知れない。視界と走りの良さを大切にする人は、乗り替える可能性が高い。

 価格は装備の違いを補正して、実質的に約4万円値上げされた。それでも機能や装備内容を考えると買い得だ。

 最も買い得なグレードは標準ボディ(164万8900円)で、上級指向のユーザーにはカスタムターボ(204万9300円)を推奨する。

 カスタムターボはノーマルエンジンのカスタムに比べて約20万円高いが、右側スライドドアの電動機能など11万円相当の装備も加わる。

 従ってターボの正味価格は実質9万円だ。ターボの高機能を考えると、実質9万円であれば安い。

 N-BOXには先代型からの膨大な乗り替え需要もあり、新型は不安を抱えながらも好調に販売される。

 軽自動車は日常生活のツールだから、新型が登場して売れ行きが急増することはないが、車検期間の満了に合わせて着実に新型へ乗り替えられる。長い期間で見ると、結局はN-BOXが国内販売の1位を守るだろう。

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みんなのコメント

46件
  • ともく
    渡辺陽一郎大先生が推す車はなぜか低迷するんだよな。
    フィット、ヴェゼル、ステップワゴン、、、、、、
  • マツダさん
    売れてる車を駄目にするのはホンダのお家芸
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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