現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ日産はジュークで勝負せず? 新型SUV「キックス」を日本投入する狙いとは

ここから本文です

なぜ日産はジュークで勝負せず? 新型SUV「キックス」を日本投入する狙いとは

掲載 更新 138
なぜ日産はジュークで勝負せず? 新型SUV「キックス」を日本投入する狙いとは

■日産新型SUV「キックス」とは

 2020年2月以降、軽自動車の「ルークス」をはじめ、今年は日産から多くの新型車がデビューする予定となっています。

日産新型「ムラーノ」発表! 特徴的な顔をスタイリッシュにガラリと一新

 そして、次に登場するのがコンパクトSUVの新型「キックス」。日産には同じサイズ感の「ジューク」も存在しますが、欧州で発売されている新型ジュークではなくニューフェイスのキックスを国内導入する狙いには、どのような事情があるのでしょうか。

 新型SUVキックスは全長4.3mほどのコンパクトなクロスオーバーSUV。2016年にブラジルで発売されたのを皮切りに、中国、アメリカ、カナダ、そして台湾などで販売されているグローバルモデルです。

 タイでは2020年5月15日に大規模マイナーチェンジを受けた新型が発表され、日本以外では初導入となる「e-POWER(イーパワー)」の搭載が話題になっています。

 また、インドでは1.3リッターターボエンジンを積んでひとまわり大きなモデルが用意されていますが、こちらはプラットフォームが異なるインド独自の仕様です。

 興味深いのは北米におけるキックスの位置付けで、「ジュークの後継」とされています。ジュークもキックスと同じくコンパクトクロスオーバーSUVで、欧州ではフルモデルチェンジした新型モデルを販売中です。

 しかし、興味深いことに新型ジュークは欧州だけの販売です。一方のキックスは「ジュークを販売していない地域のみで販売」となり、グローバル展開のキックスに対してジュークは欧州専用車となっています。

 そして、その売り分けは日本にも及ぶ気配で、もうすぐタイで発表されたe-POWERを搭載する新型SUVキックスとして日本への導入がスタートする見込みですが、ジュークは新型にフルモデルチェンジすることなく日本市場から消えてしまう予定なのです。

 ジュークは、モデルライフ前半は大ヒット車種となり一定の認知度を得たモデル。だから惜しまれる声や新型モデルを望む声も多く聞かれます。キックスへのバトンタッチの背景には大きな理由があると考えるのが自然といえるでしょう。

■ジュークから新型SUVキックスにバトンタッチする理由とは

 その理由とはパッケージングです。

 世界で150万台以上を販売するヒット作となった先代ジュークは、後席の居住性は割り切ったクーペのようなコンセプトでした。“新しさ”を求める人々のパーソナルニーズを考え、個性を重視したからです。

 2010年のデビューから数年間のコンパクトSUV黎明期は日本でもそれで受け入れられ大ヒット車種となりました。

 しかし、その後の市場拡大に伴いこのクラスのニーズは変化。SUV市場の広がりと一般化によって、コンパクトSUVでも後席居住性が求められる方向へシフトしたのです。

 その波に乗ったのがホンダ「ヴェゼル」やマツダ「CX-30」、そしてトヨタ「ライズ」など。そして2020年内発売予定の「ヤリスクロス」もその路線です。

 一方のジュークは新型モデルでも(先代よりは大幅アップしたとはいえ)後席居住性ではなく軽快なプロポーションを重視。

 小型車に対する割り切りがある欧州では受け入れられるものの、日本ではそれほど多くの人を振り向かせることができない可能性が高いといえます。

 そこで新型キックスの出番となりました。新型キックスの全長は4295mmで新型ジュークの4210mmに比べると長いうえに、真横からのシルエットを比べると違いが一目瞭然。

 ルーフ後方がどんどん低くなるジュークに対し、新型キックスはジュークよりは傾斜がゆるく、そのぶん後席の天地高を確保できています。

 その結果、後席に座ると開放感でも違いを実感。ジュークより実用的なコンパクトクロスオーバーSUVなのです。

 日本では新型ジュークが導入されず、新型キックスへとバトンタッチする理由。そこにはコンパクトSUVをとりまくマーケットの変化が大きく影響しているといっていいでしょう。クーペのような感覚より、より広い室内が好まれるのです。

 現在、日本で販売しているジュークはファミリーユーザーに推奨できるクルマではありません。しかし、その後継として導入される見込みの新型キックスなら、ファミリーユーザーにもお勧めできるコンパクトSUVといえるでしょう。2020年6月といわれているデビューが楽しみです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

“全長5.3m”超え! トヨタ「最大級ミニバン」生産終了! 「4列8人乗り」や“超豪華インテリア”仕様もあり! アルファードより大きな「グランエース」とは?
“全長5.3m”超え! トヨタ「最大級ミニバン」生産終了! 「4列8人乗り」や“超豪華インテリア”仕様もあり! アルファードより大きな「グランエース」とは?
くるまのニュース
【ブログ】アルパインスターズに突撃取材! その対象は解禁になった「アレ」/カメラマンから見た2024MotoGP日本GP
【ブログ】アルパインスターズに突撃取材! その対象は解禁になった「アレ」/カメラマンから見た2024MotoGP日本GP
AUTOSPORT web
トーヨータイヤ装着のGRスープラが戴冠。ニュルブルクリンク耐久シリーズ第7戦で1-2達成
トーヨータイヤ装着のGRスープラが戴冠。ニュルブルクリンク耐久シリーズ第7戦で1-2達成
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024に向けてABEMAが新チャンネルを開設へ。今季WRCを全戦再放送、直前特番も無料配信
ラリージャパン2024に向けてABEMAが新チャンネルを開設へ。今季WRCを全戦再放送、直前特番も無料配信
AUTOSPORT web
地味系フェラーリがクラシケ認定なしで約2900万円! 30年ワンオーナーの「365GTC/4」は内外装オリジナルの滋味深い跳ね馬でした
地味系フェラーリがクラシケ認定なしで約2900万円! 30年ワンオーナーの「365GTC/4」は内外装オリジナルの滋味深い跳ね馬でした
Auto Messe Web
ランボルギーニSC63、初年度の「結果には満足。来年は表彰台を狙う」。開発ではテメラリオからの影響も
ランボルギーニSC63、初年度の「結果には満足。来年は表彰台を狙う」。開発ではテメラリオからの影響も
AUTOSPORT web
カワサキ「Z1100」か「W230TR」か……!? 何かが登場しそう!
カワサキ「Z1100」か「W230TR」か……!? 何かが登場しそう!
WEBヤングマシン
【ミドシップ化は必然か?】 ブランドの流れからコルベットの歴史を俯瞰する
【ミドシップ化は必然か?】 ブランドの流れからコルベットの歴史を俯瞰する
AUTOCAR JAPAN
“歴代最強”の新型「Gクラス」初公開! “約600馬力”の史上初「画期的システム」搭載! “AMG超え”のスペックを発揮する「G580」発表!
“歴代最強”の新型「Gクラス」初公開! “約600馬力”の史上初「画期的システム」搭載! “AMG超え”のスペックを発揮する「G580」発表!
くるまのニュース
イーデザイン損保、デンソーの運転スコアリング技術を導入…スマホで運転評価
イーデザイン損保、デンソーの運転スコアリング技術を導入…スマホで運転評価
レスポンス
WRCの新ポイントシステム、早くも来季変更へ? FIAが”簡素化”に向けて選択肢を検討中
WRCの新ポイントシステム、早くも来季変更へ? FIAが”簡素化”に向けて選択肢を検討中
motorsport.com 日本版
タクシー配車アプリおすすめの8社を徹底比較
タクシー配車アプリおすすめの8社を徹底比較
くるくら
ホンダ 新型シビックの一番人気は「RS」!?走りを磨いた本格派が全体の約7割弱を占めた理由とは
ホンダ 新型シビックの一番人気は「RS」!?走りを磨いた本格派が全体の約7割弱を占めた理由とは
Webモーターマガジン
“スバルエンジン”搭載の「スーパーカー」!? 「インプレッサの心臓」詰まった「ポルシェ」! ド迫力ボディの「911 GT3 STI」とは
“スバルエンジン”搭載の「スーパーカー」!? 「インプレッサの心臓」詰まった「ポルシェ」! ド迫力ボディの「911 GT3 STI」とは
くるまのニュース
ハスクバーナが「エンデューロ Pro」シリーズのMY2025モデルを発表! パフォーマンスの向上でレースでの戦闘力に自信
ハスクバーナが「エンデューロ Pro」シリーズのMY2025モデルを発表! パフォーマンスの向上でレースでの戦闘力に自信
バイクのニュース
ええええ、輸入車だったんかい!! なんで[ディアマンテワゴン]は海外生産だったの!?
ええええ、輸入車だったんかい!! なんで[ディアマンテワゴン]は海外生産だったの!?
ベストカーWeb
ベントレー新型「コンチネンタルGT」は「サイレントスポーツカー」だった!…「ラグナ・セカ」の「コークスクリュー」を再現したコースで実体験
ベントレー新型「コンチネンタルGT」は「サイレントスポーツカー」だった!…「ラグナ・セカ」の「コークスクリュー」を再現したコースで実体験
Auto Messe Web
「えぇぇぇぇ!」100万円以下で買える「激安新車」あった! 逆に1番高いのは“2500万から”…!? 国産8社の手が届きやすいクルマとは
「えぇぇぇぇ!」100万円以下で買える「激安新車」あった! 逆に1番高いのは“2500万から”…!? 国産8社の手が届きやすいクルマとは
くるまのニュース

みんなのコメント

138件
  • 2016年にデビューしたクルマだろ。昔だったらFMCのタイミングやん。
    そんな古いクルマ今さら日本に入れるなよ。
  • その昔、デュアリスというSUVがあったが、気がついた時にはすでに消えていた。
    キックスもそうなりそうな予感。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

140.5159.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16.0350.0万円

中古車を検索
キックスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

140.5159.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16.0350.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村