ボディの構成から完全にムーヴキャンバスの後追い企画
スズキの新型軽自動車「ワゴンR スマイル」が9月10日に発売されます。「ワゴンR」という伝統の名前をつけていますが、ワゴンR スマイルは後席ドアがスライドドアで、Aピラーがスーパーハイトワゴンのようなパラレルタイプ(2本の柱で構成されている)になっていたりと、これまでのワゴンRとは完全に異なるモデルになっています。
この商品企画には先達がいて、それは2016年9月に発売された「ダイハツ ムーヴキャンバス」です。やはりハイトワゴンの定番モデルである「ムーヴ」の名前を冠していますが、ムーヴキャンバスのボディは別物でAピラーはパラレルタイプ、後席はスライドドアになっています。つまり、ワゴンR スマイルは完全にムーヴキャンバスの後追い企画と捉えるのが妥当です。
業界はもっと早く対抗モデルを出すと思っていた!?
さて、ムーヴキャンバスの商品企画が生まれた理由は「スライドドア世代が1人で使用するのに刺さるハイトワゴン」というものでした。子どもの頃からスライドドアのミニバンに乗ってきた世代にとっては、運転席からそのまま後席ドアを開けられるスライドドアは当たり前であり、たとえば買い物したときにはスライドドアを開けて後席足元に荷物を積むというのが当然という使い方をしているのだそうです。
スライドドアに慣れた世代が運転免許を取得して最初に乗るクルマとして、どのようなカタチが求められるだろう? そんな風に考えてムーヴキャンバスは生まれたわけです。ダイハツの目論見通りスライドドア世代は十分な市場を形成、ムーヴキャンバスはスマッシュヒットしました。デビューから5年の経ったいまでも月販5000台のペースで売れ続けています。
そんなスライドドア世代をがっちり掴んだオンリーワンの存在であるムーヴキャンバスの独走を、指をくわえて眺めていたのがスズキですから、もっと早くキャンバス対抗モデルを出してくると業界的には見ていたのですが、意外にも時間がかかってしまいました。
後発モデルのスマイルは燃費や先進安全にアドバンテージ
後出しモデルだけにワゴンR スマイルはムーヴキャンバスに対して、いくつかの面でアドバンテージをもっています。まずは、129万6900円~の廉価グレードを用意。ムーヴキャンバスの標準グレードは143万円ですから、ずいぶんと安い印象を受けます。ただし、最上級グレードの4WDで比べるとワゴンR スマイルは171万6000円、ムーヴキャンバスは171万500円ですから、わずかにワゴンR スマイルが高くなっています。
燃費面ではワゴンR スマイルが上級グレードをマイルドハイブリッド仕様として、WLTCモード燃費はFFで25.1km/Lをマーク。ムーヴキャンバスは20.6km/Lですから、かなり燃費性能ではリードしている印象です。
ステレオカメラを使った衝突被害軽減ブレーキの性能は似たようなものですが、ワゴンR スマイルはオプションでACC(追従クルーズコントロール)を選べます。4万6200円を足すことでACCのほか、標識認識機能、カラーヘッドアップディスプレイが備わるのはムーヴキャンバスにはない先進安全機能となります。
さらにオプションの全方位モニターを装着すると、すれ違い時に自動でナビゲーション画面に助手席側&前方の映像を表示する「すれ違い支援機能」をスズキで初採用したのも、ターゲットユーザーからするとうれしい機能でしょう。
モデル末期になったムーヴキャンバスの顧客奪還も視野に
そんなワゴンR スマイルの販売目標は月販5000台。ムーヴキャンバスの実績から考えれば、妥当な目標ですが、市場が急に大きくなるわけではありませんから、どこから5000台分のマーケットを生み出すのかは気になるところです。
市場サイズがさほど変わらないとすれば、ワゴンRユーザーのシフト、スペーシアなどスーパーハイトワゴンから移行などが考えられますが、ムーヴキャンバスのデビューから5年目にライバルを登場させた狙いは、2度目の車検を前にしたムーヴキャンバスのオーナーを奪うことにあるのかもしれません。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
※写真
1、2枚目:スズキ ワゴンR スマイル
3、4枚目:ダイハツ ムーヴキャンバス
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みんなのコメント
後出しなんだからもっとどうにかならんかったかね。