■かつては「セダン」が基本だった時代も
2024年4月13日、北米市場で2025年モデルが発表となり話題となったスバル「レガシィ」。北米市場ではクロスオーバーテイストを備えたステーションワゴン「アウトバック(レガシィ アウトバック)」のほか4ドアセダンモデルも継続販売され、7代目となる現行型は2019年から販売されています。
国内のスバルではアウトバックのみのラインナップとなって久しいですが、このようになぜ日本で「セダン」はここまで減ってしまったのでしょうか。
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日本市場では「レガシィB4」と呼ばれたセダンモデルが2020年をもって終売となっています。
また昨年2023年にフルモデルチェンジを果たした「インプレッサ」もセダンは廃止(こちらは北米市場でも廃止)となっています。
このセダン廃止の流れはスバルだけでなく、トヨタのミドルクラスセダンとして高い知名度を誇る「カムリ」も日本向けの販売を昨年末で終了し、北米市場をメインとしたモデルに生まれ変わるなど、日本向けのセダン市場は急速に縮小しているのです。
セダンはクルマの基本形として、過去にはさまざまな車種がリリースされていた時代が続いていました。
そしてトヨタでいえば、「カローラ」→「コロナ」→「マークII」→「クラウン」というように、所得や役職に応じてクラスアップすることが当たり前で「いつかはクラウン」というキャッチコピーが生まれるほどでした。
そんなセダンの人気が凋落してしまった理由は複数あると考えられていますが、最も大きい理由と考えられるのが、セダン以外のボディタイプが豊富になってきたということが挙げられるでしょう。
80年代前半くらいまでは、前述した通りクルマの基本形はセダンとなっており、3列シート車はトヨタ「ハイエース」や日産「キャラバン」といった商用車派生のものが中心。
あくまで人員輸送を主としたものが多く、今でいうSUVのようなクロスカントリー型四輪駆動車も「ジープ」のように無骨で実用車寄りなモデルが多く、どちらも乗用車というイメージは高くありませんでした。
しかし90年代に入ると、ホンダ「ステップワゴン」に代表される前輪駆動レイアウトで広い室内と乗用車らしい快適な乗り味のモデルが登場。SUVもトヨタ「RAV4」やスズキ「エスクード」、ホンダ「CR-V」といった“ライトクロカン”が台頭し、こちらも乗用車感覚で乗れるようになってきます。
そうするとセダン以外のボディタイプのクルマが市民権を得るようになり、フォーマルな場にミニバンやSUVで乗り付けても不自然ではない時代に。多くのユーザーがセダン以外を選ぶようになったと言えるのです。
またセダンは独立したトランクを持つため、ボディ剛性や静粛性には有利であるものの、室内空間の広さやシートアレンジの豊富さ、荷室の使い勝手などはミニバンやSUVの方が明らかに有利であるため、一度それらのボディタイプに乗ってしまうとセダンにはなかなか戻れないという側面もあるでしょう。
※ ※ ※
一方、冒頭にご紹介した北米市場では、そもそもクルマは一家に1台ではなく、複数台所有も当たり前となっています。
セダンがあってミニバンがあってピックアップトラックがある、というようなケースも多く、今でもスタンダードなボディタイプのひとつとしてセダンが受け入れられているというお国柄の違いもあるようです。
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