現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > コンパクトSUVセグメントをリードするのは「iX1」かもしれない [BMW iX1試乗記]

ここから本文です

コンパクトSUVセグメントをリードするのは「iX1」かもしれない [BMW iX1試乗記]

掲載
コンパクトSUVセグメントをリードするのは「iX1」かもしれない [BMW iX1試乗記]

強豪揃いのコンパクトSUVセグメントに戦いを挑む「BMW iX1」。走らせてわかったのは、その高い完成度。このセグメントのベンチマークといえる出来映えである。

車重を感じさせない軽快な走り

BMWから待望のコンパクトSUVスタイルの電気自動車が登場! [BMW iX1試乗記]

エンジン車の「X1」とEVの「iX1」は、いずれも前:ストラット式、後:マルチリンク式のサスペンションが採用されている。このうち、X1のM Sportと、iX1の全グレードに「アダプティブMサスペンション」が搭載されている。標準に対して車高が20mm下がるとともに、長距離ドライブでの快適性やスポーティなハンドリングに貢献するという。

iX1のアダプティブMサスペンションは、電子制御ではなく、機械的にダンピングを変化させるため、走行モードを切り替えてもその特性は変わらない。標準サイズの18インチアルミホイールと225/55R18タイヤが装着される試乗車は、やや硬めの乗り心地に躾けられるぶん、高速走行時の姿勢変化は少なく、安定感はバッチリ。一方、一般道を比較的低い速度で走行する場面では軽いショックを伝えてきたり、目地段差を通過した際のハーシュネスをいなしきれなかったりすることも。それでも、街乗りで十分許容できるレベルの快適さを確保している。

前1,030kg、後1,000kgとほぼ均等な前後重量バランスと、床下にバッテリーを積む低重心の設計のiX1は、車両重量や背の高さを感じさせない軽快感あるハンドリングを示す。このあたりのスポーティな味付けは、さすがBMWと感心させられるところだ。

電費も優秀。けど充電には多少の不安も

気になる電費は、コンパクトSUVとして優秀な数字をマークした。iX1のカタログ値は、WLTCモードで155Wh/km、WLTC-Hモード(高速道路モード)で162Wh/km。1kWhあたりの距離で表すと、それぞれ6.5km/kWh、6.2km/kWhになる。これに対して、比較的空いた郊外の一般道では7.6km/kWh、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)を用いて高速道路を100km/hで巡航したときには6.7km/kWhとカタログ値を上回り、コンパクトSUVセグメントのEVとしてもまずまずの低電費といえる。

一方、最高130kWに対応するという急速充電については不安な部分も。90kW級と150kW級の急速充電器を何度か利用したが、いずれの場合も出力は60kW前後にとどまり、期待をやや下回る結果になった。それでも、最近、高速道路に増えている「マルチタイプ急速充電器」などに対応しているのは心強い。

室内の広さにも触れておこう。EV専用設計の「日産アリア」や「フォルクスワーゲンID.4」などと比べると、iX1はホイールベースがやや短く、そのぶん、後席のレッグルームは狭いが、それでも大人がギリギリ脚が組める広さを確保しており、窮屈さとは無縁だった。ラゲッジスペースも奥行きは通常でも90cm、後席を倒せば150cm以上に広がる。X1と比べて10~50L狭いといえ、ボディサイズ相応のスペースを確保している。

こうして見ると、iX1は性能、装備、パッケージングなどすべて高いレベルにあり、加えて4WDでありながら700万円を切る価格を実現するなど、コンパクトSUVセグメントでは一二を争う魅力的なクルマに仕上がっている。それだけに、今後はiX1がこのクラスのベンチマークとして注目を集めそうだ。

BMW iX1 xDrive30 M Sport

全長:4,500mm 全幅:1,835mm 全高:1,620mm ホイールベース:2,690mm 車両重量:2,030kg 前後重量配分:前1,030kg、後1,000kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:155Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:465km システム最高出力:200kW(272ps) システム最大トルク:494Nm(50.4kgm) フロントモーター最高出力:140kW(190ps)/8,000rpm フロントモーター最大トルク:247Nm(25.2kgm)/0-4,900rpm リアモーター最高出力:140kW(190ps)/8,000rpm リアモーター最大トルク:247Nm(25.2kgm)/0-4,900rpm バッテリー電力量:66.5kWh モーター数:前1基 後1基 トランスミッション:1速固定 駆動方式:4WD フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式 リアサスペンション:マルチリンク式 フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ:225/55R18 最小回転半径:5.6m 荷室容量:490L 車体本体価格:6,980,000円

関連タグ

こんな記事も読まれています

2024年5月の欧州メーカー別新車販売台数レポート
2024年5月の欧州メーカー別新車販売台数レポート
カー・アンド・ドライバー
ホンダ「新型スポーティコンパクト」26年に登場へ! まさかの「シティターボ」復活なるか!? 期待の「小型モデル」に反響
ホンダ「新型スポーティコンパクト」26年に登場へ! まさかの「シティターボ」復活なるか!? 期待の「小型モデル」に反響
くるまのニュース
ホンダGL400/CX500[名車バイクレビュー] 1970年代終盤、ホンダが大攻勢に出た切り札は意外にもOHVエンジンだった!
ホンダGL400/CX500[名車バイクレビュー] 1970年代終盤、ホンダが大攻勢に出た切り札は意外にもOHVエンジンだった!
WEBヤングマシン
雨の日の死傷事故は晴れの日の4倍!? いま濡れた路面でもきちんと止まる「低燃費タイヤ」が増えている理由とは
雨の日の死傷事故は晴れの日の4倍!? いま濡れた路面でもきちんと止まる「低燃費タイヤ」が増えている理由とは
VAGUE
日産「新型2ドアクーペ」発表! 「匠の手組みエンジン」搭載&迫力フェンダー採用! 深夜な“紫”も超カッコイイ「Takumi Edition」米に登場
日産「新型2ドアクーペ」発表! 「匠の手組みエンジン」搭載&迫力フェンダー採用! 深夜な“紫”も超カッコイイ「Takumi Edition」米に登場
くるまのニュース
これは便利だ! サイズ調整できる傘型サンシェード
これは便利だ! サイズ調整できる傘型サンシェード
月刊自家用車WEB
いざ冒険の旅へ。スバルで巡る八丈島ドライブ【フォレスター・クロストレック】
いざ冒険の旅へ。スバルで巡る八丈島ドライブ【フォレスター・クロストレック】
グーネット
ハンドメイド「タイレルP34」とF3000「レイナード93D」を7月14日開催「サンブレフェスタ(道の駅おおた)」に展示決定!
ハンドメイド「タイレルP34」とF3000「レイナード93D」を7月14日開催「サンブレフェスタ(道の駅おおた)」に展示決定!
外車王SOKEN
待たせたな!! [新型フォレスター]は燃費大幅アップ間違いなし! スバルの次世代[e-BOXER]はトヨタのTHSをついに搭載へ
待たせたな!! [新型フォレスター]は燃費大幅アップ間違いなし! スバルの次世代[e-BOXER]はトヨタのTHSをついに搭載へ
ベストカーWeb
「高速のコース特性」が原因か。ルクレールとサインツがスペインGPの苦戦は上海に似ていると分析
「高速のコース特性」が原因か。ルクレールとサインツがスペインGPの苦戦は上海に似ていると分析
AUTOSPORT web
ベスパ「LX 125 ABS」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
ベスパ「LX 125 ABS」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
一人でくつろぐには最高の空間! スズキ エブリイがベースの軽キャンパー
一人でくつろぐには最高の空間! スズキ エブリイがベースの軽キャンパー
月刊自家用車WEB
受注停止で待てないから即納中古は!? [ヤリスクロス]の中古がとんでもないことになっていた
受注停止で待てないから即納中古は!? [ヤリスクロス]の中古がとんでもないことになっていた
ベストカーWeb
HRC USが2025年からメイヤー・シャンクと提携しIMSAでの役割を拡大。2台のARX-06を投入へ
HRC USが2025年からメイヤー・シャンクと提携しIMSAでの役割を拡大。2台のARX-06を投入へ
AUTOSPORT web
WTRアンドレッティ、2024年限りでアキュラ/HRC USとの提携を終了「別の方向に進む必要がある」
WTRアンドレッティ、2024年限りでアキュラ/HRC USとの提携を終了「別の方向に進む必要がある」
AUTOSPORT web
なんで!? バカ売れ[ヤリスクロス]も樹脂パーツだらけ!! 最近の新車に多いワケ
なんで!? バカ売れ[ヤリスクロス]も樹脂パーツだらけ!! 最近の新車に多いワケ
ベストカーWeb
井戸田潤、メルセデス・ベンツ絶版「Gクラス 320」ショートボディに一目惚れで購入決断!?
井戸田潤、メルセデス・ベンツ絶版「Gクラス 320」ショートボディに一目惚れで購入決断!?
グーネット
履き替えた古いタイヤってどこいくの!?!? 廃タイヤの99%がキチンとリサイクルされている衝撃!! じつは超絶エコだった
履き替えた古いタイヤってどこいくの!?!? 廃タイヤの99%がキチンとリサイクルされている衝撃!! じつは超絶エコだった
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

BMW iX

3.8 6件

新車価格(税込)

1075.01740.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

588.01269.0万円

中古車を検索
iXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1075.01740.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

588.01269.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村