■1時間でもレトルトカレーを置けば食べられるようになるのでは?
2023年7月12日、東京・八王子市で最高気温39.1℃を記録するなど、7月にも関わらず全国各地で40度にも迫る危険な暑さとなっています。車内も少しでもエアコンを止めれば一気に高温となります。
特に、エアコンの風も当たらず直射日光にさらされるダッシュボードの上は、車内でも極めて高温となる場所ですが、ここに市販の“レトルトカレー”を置いたら美味しく食べられるようになるのでしょうか。くるまのニュース編集部では実験を行い、確かめてみました。
【画像】何もかもドロドロ!? “70度超え”の車内に放置した「モノ」の末路を画像で見る(19枚)
実験は埼玉県内某所の駐車場で実施。検証地の当日の天気は快晴で、最高気温は37.8℃を観測。うだるような暑さのもとで行いました。
実験方法は温度上昇が最も高いダッシュボードの上に温度計とレトルトカレーを置き、エンジンを切って1時間放置。テストを行った車両は、トヨタのラージセダン「クラウン」(15代目)です。
実験は午後0時ちょうど(正午)にスタート。温度計は、スマートフォンを用いて遠隔で温度を測定できる市販の機器を使用しました。
開始時、ダッシュボード周辺の温度は40℃を記録。ダッシュボードの上にはレトルトカレーをパックに入れたまま放置します。
すると開始5分後、早速ダッシュボード周辺の温度は51.3℃に上昇。そして、開始10分後は55.7℃、15分後は58.7℃、30分後は65.9℃、45分後は67.5℃とどんどん暑くなっていき、実験終了となる開始1時間後では72.5℃と、温度70℃を突破する結果となりました。
さて、気になるレトルトカレーのパックに触れてみると、ダッシュボードにより加熱され程よい温かさを感じることができ、出来上がりが期待できそうです。
パックを開封し、カレーの温度を測ると63℃を記録。カレーをおいしく食べられる適温は諸説ありますが、75度~80度などともいわれており、これには達していません。
実際食べてみた感想としては十分な温度で、あとは白飯さえあれば美味しいランチになりそうでした。
※ ※ ※
例えば、クルマで外回り営業をする際など、打ち合わせの間にレトルトカレーを放置して戻ってくるときには食べられる状態に…なんてことが不可能ではなさそうに思えるほど、危険なレベルまで暑くなることが明らかになりました。
一方、車内の気温が70℃まで上昇するということは、例えばアメやグミなどの飲食物はもちろん、石けんやろうそくなども溶けてしまうほどの温度であり、人が室内に居続けることは不可能な状態です。
今回の実験では1時間程放置しましたが、JAF(日本自動車連盟)が行った実験では、外気温35℃で午後0時から4時間放置した際、車内の最高気温は57℃、ダッシュボードの最高温度は79℃にも上り、80℃近い温度になったと公表しています。
80℃となると一般的な電子温度計でさえも故障をまねき、測定すらできなくなってくる危険な暑さです。
人間だけでなく、暑い日に車内に大事なものや危険なものを放置することは、思わぬトラブルを招くことになりかねませんので。注意しましょう。
※なお、カレーは適温まで加熱されないことでおいしく食べられない可能性があるほか、車内を汚すなどの事態にもなりかねないので、実際にこの方法を用いて食することは推奨されません。
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