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フェラーリ新型「F80」 F1技術融合、1200馬力のV6ハイブリッド搭載 史上最強ロードカーに

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フェラーリ新型「F80」 F1技術融合、1200馬力のV6ハイブリッド搭載 史上最強ロードカーに

フェラーリ最新作

待望のラ フェラーリの後継車は、ル・マンで優勝経験のある499PとF1マシンの技術を融合させた電動V6パワートレインから1200psのパワーを引き出す、史上最もパワフルなロードカーだ。

【画像】宇宙船にインスピレーションを得たフェラーリ最新ハイパーカー【フェラーリF80を写真で見る】 全14枚

「F80」と名付けられたこの新型ハイパーカーは、マクラーレンやポルシェとの長年のライバル関係を再燃させ、2010年代初頭の「ハイパーカーの三位一体」を蘇らえることになりそうだ。

新型F80の英国価格は300万ポンド(約5億8000万円)からで、799台限定(全数販売済み)となる。F40、F50、エンツォ、ラ フェラーリに続き、フェラーリのロードカーのルールブックを書き換えると同時に、「革新の新たなベンチマーク」となる数々の技術を搭載している。

パワートレイン

F80のパワートレインの中核をなすのは、フェラーリの3.0L V6ツインターボの新バージョンだ。このエンジンの最大回転数は9200rpmで、296 GTBを駆動するユニットと比べると完全に作り変えられている。

ル・マンカーの499Pの部品が追加され、エンジン単体での最高出力は900psと、フェラーリがこれまで生産した中で最もパワフルなエンジンとなったが、296のエンジンと比較しても重くはない。

V6エンジンと連動するのは、フロントアクスルに2基、リアに1基の計3基の電気モーターだ。フロントモーターは142psを発生し、リアモーターは「MGU-K」と呼ばれるエネルギー回生ユニットの形をとっている。

後者はフェラーリのF1マシンに搭載されているものと同様の設計で、ブレーキングによって最大95psで回生し、自動的にパワーギャップを埋めることができる。

フェラーリで初めて、F80には「Eターボ(電動ターボ)」が搭載された。F1由来の熱回収装置「MGU-H」に接続され、タービンとコンプレッサーの間に電気モーターを備えており、ターボラグを減らしてスロットルレスポンスを向上させる。

パワートレインの合計出力1200psは四輪に供給され、0-100km/h加速は2.15秒、0-200km/h加速はわずか5.75秒と謳われている。これはマクラーレンW1やメルセデスAMGワンを凌ぐものだ。

ステアリングホイールの「eManettino(eマネッティーノ)」スイッチでは、ハイブリッド、パフォーマンス、クオリファイの各モードを選択できる。

F80はプラグインハイブリッド(PHEV)ではないため、296のようなEVモードはない。容量2.3kWhのバッテリーがパワーブーストを実現し、低速・短距離のエンジンオフ走行を可能にする。

デフォルトのハイブリッド・モードはパワートレインの効率性を最適化するが、パフォーマンス・モードとクオリファイ・モードでは、F80のブースト最適化機能が利用できる。この機能は、サイティングラップ中にコースを記録し、次の走行時に必要に応じて(例えばストレートや上り坂などで)パワーブーストを行うものだ。

エアロダイナミクス

F80は、フェラーリのトップクラスのモータースポーツチームが培ってきたエアロダイナミクスの専門知識を駆使し、ダウンフォースを最大化している。

フェラーリの製品開発責任者であるジャンマリア・フルゲンツィ氏が説明するように、新型F80のアンダーボディは同社のF1マシンに大きくインスパイアされたもので、大きなバージボードが車体の下に空気を流すために使われている。

アグレッシブなスタイルのノーズには、499Pからインスピレーションを得た巨大な 「Sダクト」が備わり、キャビン上とリアに向かって空気を移動させる。

ノーズを横切るブラックのスクリーンは新型12チリンドリと同系統のもので、キャビン上部の空気をリアウィングに流すために、上端に小さなリップを備えている。

視覚的な存在感を与えているのが可変リアウィングで、高さだけでなく角度も調整することで、ダウンフォースの最適化とドラッグの最小化を図る。巨大なリアディフューザーの助けを借りて、リアは最大590kgのダウンフォースを生み出すことができる。

走行中、250km/hで最大1000kgのダウンフォースを発生し、これはマクラーレンW1と比肩するものだ。フェラーリによれば、フロントエンドだけで最大460kgのダウンフォースを発生できるという。参考までに、F1マシンのダウンフォースは同じ車速で約1200kgだ。

シャシー

F80のボディサイズは全長4840mm、全幅2060mm、全高1130mmと、マクラーレンW1よりわずかに大きく、車重も125kg重い1525kg(乾燥重量)である。

しかし、軽量でレース用に改良された素材(カーボンファイバー、チタン、アルミニウム)をミックスした構造により、先代のラ フェラーリより60kg軽くなっている。また、シャシー剛性も先代より50%向上している。

セルとルーフはカーボンファイバー製で、フロントとリアのサブフレームはアルミニウム製だ。

また、フェラーリはフロントサブフレームを熱管理の目的でも使用しており、中空構造はブレーキの冷却ダクトとして機能する。

F80のセットアップで重要なのは、4つの48Vアクチュエーターで駆動する可変サスペンションだ。ダブルウィッシュボーンの部品製作には、3Dプリンターが使用されている。

「プロサングエの可変サスペンションの開発でもお世話になった、マルチマティック社とシステムを開発しました」とフルゲンツィ氏は言う。

「F80のシステムはまったく新しいものです。重心は当然低くなり、車重のほとんどが車体中央にかかります」

「また、エアロダイナミクスの面でも、コーナーでクルマを安定させ、バランスを保つ必要がありますが、可変サスペンションはこれを実現するのに最適なシステムなのです」

デザイン

デザイナーのフラビオ・マンツォーニ氏によると、軽量なカーボンファイバー製シャシーに施されたデザインは「まったく新しい」もので、「ノスタルジックなもの」は一切排除されているという。同氏は外観のインスピレーションの源として宇宙船とSFを挙げている。

フェラーリの歴代モデルからの影響は明らかで、強調されたフロントフェンダーはF40やエンツォを、リアのスタイリングはクラシックな330 P3を彷彿とさせる。

F80をシングルシーターにするという初期のアイデアは実現しなかったが、キャビンは主にドライバー中心で設計されており、フェラーリはこれを「1+」レイアウトと呼んでいる。

キャビン内はドライバーを優先させる非対称レイアウトとなっており、助手席はオフセットされシャシーに固定されている。

新しい卵形のステアリングホイールとスリムなセンターコンソールには物理的なコントロール(操作系)が数多く採用され、フェラーリは走行中も使いやすいと述べている。

「0-100km/h加速2.15秒、0-200km/h加速5.75秒というのは数字に過ぎないが、このようなドライビングを体験すると、人々は日々それを求めるようになります」とフルゲンツィ氏は言う。

「オーナーがクルマを所有するだけでなく、運転することに夢中になるような、そんなクルマを作りたいのです」

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みんなのコメント

4件
  • nwp********
    いや、絶対に買えないんですけどね。
    流石にこのデザインはアカンでしょ。
    誰がこのデザインでOK出したの?
    黒だったら大変に言いにくいですが… ゴキにしか見えないですよ。
  • ryo********
    全てはダウンフォースの為に。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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