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知ってるor知らないで[オジ判定]できる! クルマ常識の今と昔

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知ってるor知らないで[オジ判定]できる! クルマ常識の今と昔

 「車検証っていつからあんなに小さいの?」、「普通免許が勝手に中型8t!?」。イマドキのドライバーが絶句する、かつてのクルマにまつわる常識と非常識、どこまで知ってる?

文/藤井順一、写真/写真AC、国土交通省

知ってるor知らないで[オジ判定]できる! クルマ常識の今と昔

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■車検証が1/4サイズのハイテク仕様に

車検証の定位置といえばグローブボックス。車検証は日本独自のルールということで、輸入車のグローブボックスには収まらない場合もあったが……

 日本独自の制度である車検。その車検制度の根幹をなすのが、車両が公道を走行するために必要な保安基準に適合しているかを“確認”する重要な書類、車検証(自動車検査証)だ。

 車名や車台番号、サイズや重量、登録年月日が記載され、車両の運行時には自賠責保険証とともに常に携行が義務づけられている。

 そんな車検証が2023年1月4日に電子車検証へと変貌を遂げた。電子と聞くといわゆるデジタル化され、スマホのアプリのようになったかと想像してしまうがさらにあらず、完全なデジタル版ではなく、従来通り紙の車検証だ。

 だが、そのサイズは以前までのA4サイズ(210×297mm)からA6(105×177.8mm)と、約1/4のコンパクトなものになり、内蔵したICタグやQRコードをカードリーダーやスマートフォンの専用アプリ(車検証閲覧アプリ)で車検証記載の内容が読み取れるなどパワーアップを果たした。

 閲覧アプリではさらにリコール情報の確認や車検証有効期間の満了をメッセージで伝えるサービスなど、以前に比べて利便性は格段に向上している。

 正直、デジタルで閲覧可能ならカードサイズ程度でもよいのではと思わないでもないが、それでも運転歴の長いドライバーであれば、随分とコンパクトになったと感じるだろう。

 ただ、巷にあるクルマの車検証ホルダーは、いまだこのサイズに対応しておらず、車検証のペラ1枚だけが小さくなっても、整備手帳やマニュアルのサイズは以前のままなので、コンパクトさが生かせていない。

 やがては車検証や整備記録もペーパーレスの時代が来るのだろうか。

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■昭和生まれのドライバー確定!? な中型自動車・中型免許

 私事で恐縮だが、先日、新たに運転免許を取得したため免許証を書き換えた際、更新した免許証に気になる表記を見つけた。「中型車は中型車(8t)に限る」。「中型免許? 8tはて?」。

 ゴールド免許で更新の期間が長く、貧相なオヤジの証明写真付き免許証など、更新期限以外の項目から目を背けてしまいたい筆者にとっては「こんな免許俺は知らん! 人違いだ」と思った次第。

 結論からいえば、これ2007年(平成19年)に施行された道路交通法の一部改正により設けられた中型免許制度のことで、普通自動車と大型自動車の間に車両総重量5t以上11t未満の自動車を中型自動車として定義し、これに対応する免許として規定されたものだ。

 これ以降、中型自動車を運転するには当然、中型免許が必要となったのだが、この法律が施行される平成19年6月1日以前に普通免許を取得していたドライバーのなかには、中型に該当する車種を業務で使用している者もいたことなどから、特別な手続きなしに自動的に中型免許を取得しているとみなされることになった。

 ただし、すべての中型車(車両重量7.5t以上、11t未満、最大積載量4.5t以上 、6.5t未満、乗車定員11人以上 29人以下)ではなく、車両重量8t未満、最大積載量5t未満、乗車定員10人以下という一部の中型自動車に限定したものとなった。

 そのため、通常の中型免許にはない8t限定中型免許を所持しているということは、平成19年以前に普通免許を取ったドライバーである証であり、いうなれば”オジ認定”ともいえる。

 とはいえ、普通免許のドライバーが中型免許で可能な5tトラックで、いきなりハンドルを握って走行するのは無謀だと思うのは自分だけでなないだろう。

■コンプラアンスの概念なき時代の個人売買の個人情報さらし

インターネットのオークションやフリマが普及するまでは、直接の取り引き相手以外にも個人情報をさらす方法が一般的だった

 筆者はかつて某自動車系出版社(もはやそういう属性も絶滅しつつあるが……)に編集ライター見習いとして出入りしていたのだが、当時担当していた自動車チューニング雑誌の企画に「売ります・買います」的な個人売買のコーナーがあった。

 モノクロページの文字情報のみで売りたい読者と買いたい読者同士が150文字弱の文字情報を元にお互いでやり取りして売り買いするもので、今でいうマッチングサイトのようなものだ。

 誌面から切り取り線で切り出した応募用紙に手書きで情報を記載し、封筒かFAXで編集部へと届いた読者の投稿を、ワープロ(死語だが……)でタイピング。起こしたテキストデータを3.5インチフロッピーディスク(これも死語だが……)に記録し入稿していた日々が懐かしい。

 当時の誌面を引っ張り出してみると、そこには「MR2 S/C(AW11)価格20万応相談」、「180SX(RPS13)用触媒以降マフラー1万円以下」など、ネオクラシックなクルマからマフラーやスポイラーなどのチューニングパーツなどが読者同士の自己責任で活発に取り引されていた。

 驚くべきは、お互いの連絡方法だ。売りたい者も買いたい者も、読者は本名はもちろん、自宅の電話番号や住所をそのまま誌面に記載。電話番号の後には「(22時以降)」など連絡を希望する時間帯まで記載するストロングスタイル。

 その後、個人情報保護が法律で規定される以前までは、雑誌での個人売買はおおむねこのような形で行われていた。なんともおおらかな時代だった。

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■進化した現代のクルマに時速100kmは遅すぎる!?

 某走り屋漫画の金字塔で、主人公が駆るマシンが高速セクションを走る際、背後に聞こえる”キン・コン”という音、当時を知らない若い世代には気になった方もいるだろう。

 1970~80年代の国産車は時速100km以上で走行する際、このような速度警告の警報音が鳴り、ドライバーに注意を促していた。当時のクルマにとってこの速度域が大きな負荷をかけるものであったためだ。

 翻って現代。高速道路においての制限速度は、乗用車で時速100km、大型貨物自動車(車両総重量11t以上)や中型貨物自動車(同8t以上)が時速80kmと定めれている。

 昭和の時代からクルマは劇的な進化を遂げ、今や時速100kmに到達するのはものの数秒、キン・コンでドライバーに警鐘を鳴らす必要もなくなったのだ。

 さらに、乗用車について言えば、2016年に都道府県の公安委員会が指定した路線について指定速度の決定が下され、新東名や東北道、東関東道の一部区間では上限速度が時速110km、120kmとなっている。

 特に新東名の「御殿場JCT~浜松いなさJCT」間の145kmにおける最高速度「時速120km」区間は、最高速引き上げの効果が体感できる区間だ。

 交通量も多すぎず、走行車両の平均速度も比較的速い。昭和の“キン・コン”を知る世代には感慨深いものがある。

 一方で、首都圏在住のドライバーに馴染み深いのは東関東自動車道の四街道IC付近~成田JCTの時速120km区間だろう。上りで約20km、下りで約18.5kmという限られた区間は主に渋滞緩和がその目的だという。

 一方、大型貨物自動車の高速道路での速度制限も、2024年4月1日から従来の時速80kmから時速90kmへと引き上げられた。

 これはインターネット通販の普及などトラックドライバーの人手不足をはじめとする物流問題の対策とのこと。いずれにしても安全面での不安など、解決すべき問題はあるが、自動運転をはじめクルマの性能が飛躍的に向上した現代では、制限速度のあり方も時代に合ったに改める必要があるだろう。

■クルマ好きオジには理解不能!? 激増するクルマのサブスク利用者

以前に比べ、イマドキの若者は車両のチューニングへの興味がなくノーマル派が主流。カスタムがご法度のサブスクと相性が良い

 今やクルマはローンで買って所有する財産ではなく、定額のサブスクリクションや残価設定ローンで、借りて使うスタイルが幅を利かせている。

 自動車の販売価格が各種安全装備の義務化や原材料費などの高騰を受けて、年々上り続けいる一方で、購入せずに高級ミニバンを残価設定ローンで乗るスタイルが巷に溢れているのだ。それをサポートするように、自動車メーカー各社が自社でクルマを売らずに乗ってもらうサービスに注力している。

 サブスク適用外となるクルマのチューニングに興味がなく、年間の走行距離も長くなく、頻繁に新車に乗り換えたい、何より故障や車検など、急な出費で家計が圧迫されずに、定額の負担で計画的にクルマに乗れるサブスクは、合理的だ。

 半面、仕事や家庭環境の変化、趣味嗜好の移り変わりがあっても、応用がきかず、傷や事故など自分の所有物ではないことで生じる気遣いに、途中解約での違約金の発生など、スマホ感覚で乗るクルマのデメリットも見逃してはいけないだろう。

 一期一会の中古車で“アタリ、ハズれ”と一喜一憂したり、旧いクルマを自分でDIYでメンテナンスしたり、サブスクが魅力的である一方、それだけでは味わえない濃密なクルマとの関係もあると老婆心ながら思う。

■カラフルな謎ビーズを敷き詰めた灰皿とシガーソケット

 昭和や平成の中頃まで、クルマにはドリンクホルダーはなくとも必須の装備だったシガーライターと灰皿。アラフォー世代以上のドライバーなら、シガーライターの赤熱したコイル状の電熱線や、立ち寄ったガソリンスタンドでクルマの灰皿の吸い殻を捨ててもらい、消臭芳香用の灰皿ビーズを入れてもらった経験があるだろう。

 あれから四半世紀超、1966年の最盛期には成人男性の8割強が喫煙者(※JT、日本たばこ産業調べ)だった時代から、2018年には同喫煙率は27.8%にまで減少。もはや車内は“喫煙所”ではなくなりつつある。

 それに伴いセンターコンソールやドア内側の絶好のポジションを占拠していた灰皿は姿を消し、シガーライターは後付け12V用社内アクセサリー電源へと役割を変えた。その電源ソケットさえ今やUSBポート(USB-Cのみなんてクルマも)が役割を代替し始めているのが現実だ。

 喫煙歴ゼロの筆者ではあるが、取り外しの有無や蓋の形状、底が深いものや内部に照明がつくものなどユーザビリティに対するメーカー各社の思いが反映された灰皿が姿を消し、ドリンクホルダーに差し込むタンブラー形状のものだけになってしまったのはどこかさみしく感じてしまう。

■昭和オヤジも令和の若者も

 サブスクやカーシェアでクルマを買わずに乗るのが当たり前となった昨今。クルマは以前に比べて圧倒的に便利で燃費が良くなり安全性も向上した。

 一方で中古車は、現代では味わえない魅力により10万kmはおろか、20万km近い過走行の平成初期のクルマが新車価格よりも高い値で取り引きされている。

 クルマとの接し方に正解はない、どちらが常識か非常識かと線引きするのではなく、全世代がそれぞれのクルマ文化を認められる世の中であってほしい。

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