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選び方ひとつで「家計」へのダメージが変わる! 生活スタイルから考えるクルマの「パワートレイン」6つ

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選び方ひとつで「家計」へのダメージが変わる! 生活スタイルから考えるクルマの「パワートレイン」6つ

 身近でスタンダードとされながらも進化し続けている

 クルマを選ぶ時に、あなたは何を優先するでしょうか? デザインやインテリア、価格や安全装備など、いろんな要素があって悩ましいですよね。どれもこれも全てが理想通りというクルマはなかなか見つからないかもしれませんが、そんなとき、今だからこそ悩める要素にもぜひ注目してみて欲しいのです。それは、100年に一度の大変革期と言われるこの時代に、多様にそろったパワートレインの種類です。それぞれ特徴が異なり、ライフスタイルによって合うかどうかも変わってきますので、この機会に一挙ご紹介したいと思います。

同じクルマとは思えないほどの違和感! ハイブリッド車に初めて乗る人が知っておくべき注意点5つ

 1)ガソリンエンジン

 まずは、私たちにいちばん身近で扱いにも慣れている、ガソリンエンジン。近頃はダウンサイジングが進み、昔は2.5リッターくらいの排気量があったクルマも、今では1.5リッターや1.8リッターくらいの排気量で昔と同じかそれ以上のパワーを引き出し、燃費もこの15年ほどで飛躍的に低燃費化がすすみました。コンパクトカーなら1.0リッターエンジンが当たり前になって、燃費は例えばトヨタのパッソなら従来のJC08モードなら28.0km/L、より実用燃費に近い測定値に今後統一されていくWLTCモードでも、21.0km/Lという実力です。

 ガソリンエンジンには自然吸気エンジンとターボエンジンがありますが、大きくわければ燃費優先なら自然吸気エンジン、パワー優先ならターボエンジンがオススメ。ただ、山道など上り坂が多い場所や、高速道路を頻繁に走るようなライフスタイルだと、自然吸気エンジンで高回転を多用して走るよりも、ターボエンジンの方が結果的に燃費がよくなる場合もあります。

 注意点としては、近頃はガソリンスタンドが激減している地域もあり、普段の行動範囲にないと嘆く人も多くなっていますね。燃費の進化とともに、とくにコンパクトカーの燃料タンク容量が小さくなっており、パッソの場合は36リットル。いくら燃費がいいとはいえ、遠くのガソリンスタンドまで頻繁に給油に行かなければならないことを考えると、ハイブリッドやEVなどほかのパワートレインを検討してみるのもいいのかなと思います。

 2)クリーンディーゼル

 次に、ガソリンエンジンと同じようにガソリンスタンドで給油をしますが、油種が「軽油」になるのがクリーンディーゼルエンジンです。昔はトラックやバスなど働くクルマに搭載されていて、うるさい、振動が大きい、黒煙を吐くなどネガティブなイメージがあったかもしれませんが、今ではたくさんの乗用車に搭載されて、排ガス処理技術が上がって黒煙を吐くどころか、ほとんど匂いもない排ガスに進化し、CO2排出量ではガソリン車よりも少ないモデルもあるほど。

 大きなメリットはエンジンの低回転から強大なトルクが得られるので、踏み出した直後からモリモリと力強い加速フィールが味わえることです。そのため上り坂の多い場所を得意とし、高速域でも低回転で走り続けられるので、結果として燃費も優秀ということになります。軽油の価格も国内ではレギュラーガソリンより安価なので、燃料費も抑えられますね。

 ただ、デメリットとしては排ガス処理に尿素SCRシステムを使用するクルマだと、「アドブルー」という専用の尿素水を一定の走行距離ごとに補充する手間がかかることです。輸入車はこのシステムを使用していることが多いのですが、アドブルーがなくなるとエンジンがかからなくなるなど、注意が必要です。マツダなど独自の排ガス処理システムを採用しているクリーンディーゼル車では、このような手間はかからないので、購入時に確認したいところですね。

 3)ハイブリッド

 さて、この20年でラインアップが大幅に増え、どんなカテゴリーからも選べるようになったのがハイブリッドです。メーカーによってさまざまな仕組みがありますが、ざっくりと言えば、ガソリンエンジンに発電機とモーター、バッテリーを組み合わせて、シーンによってエンジンとモーターでそれぞれが得意なところを担当しながら効率よく走ってくれるのがハイブリッド。ガソリン車と同じ感覚、扱い方で乗れるので、誰でも違和感なく乗り換えられます。

 大きなメリットはガソリン車に比べてさらに燃費がよくなることと、発進直後や追い越し加速など、パワーが必要な場面で電気の力がアシストしてくれたり、モーターのみで駆動してくれることで、なめらかかつ静かな走りが得られることです。電気を使いますが、外部から充電はできず、ガソリンの給油のみで走ります。1回の満タン給油で走れる距離が長いので、よくロングドライブをする人や、頻繁にガソリンスタンドに行けない人にもオススメ。

 ただ、ハイブリッドは減速する際にエネルギーを回収して、加速や電飾品に再利用する仕組みもメリットのひとつなので、渋滞や信号待ちの多い街なかのほうがそのメリットが活用しやすいともいえます。なので、郊外でほとんど信号のない道しか走らない、ほぼ高速道路しか走らない、という人はもしかするとクリーンディーゼルやEVのほうが合っているかもしれないですね。

 環境に配慮したパワートレインは発展途上な部分もある

 4)プラグインハイブリッド

 続いて、ハイブリッドの進化系とも言えるプラグインハイブリッド。PHVやPHEVと呼ばれています。三菱アウトランダーPHEVや、トヨタ・プリウスPHVが代表的な国産モデルですが、じつは輸入車にもたくさんのPHVがラインアップされています。大きなメリットはハイブリッドとほぼ同じですが、それに加えて外部からの充電ができるということ。自宅のコンセントや、外出先にある充電設備を使って充電すると、ガソリンを使わずに電気のみで走れる距離が増え、アウトランダーやプリウスなら最大で60kmほど電気のみで走行可能です。

 ご近所の買い物くらいなら、こまめに充電すればずっと電気のみで済み、休日に遠出をする時にはガソリンを使って心置きなくロングドライブができるので、現在ハイブリッドに乗っていてもう少しステップアップしたい人や、EVに興味があるけどまだ航続距離に不安が残る人など、EVに移行する手前のチョイスとしてぴったりだと思います。デメリットは使用面ではとくにありませんが、車両価格がまだ割高に感じられるかもしれません。自宅に充電設備を設置する工事費などもかかるので、初期費用は多く見積もっておくと良さそうです。

 5)電気自動車

 次に、Honda eの登場などでますます選択肢が増えたEV。すべてを電気で賄って走る100%電気自動車です。国内では日産リーフ、三菱アイミーブが量産EVの先駆けとなっていますね。輸入車ではテスラやBMWのi3、フォルクスワーゲン・eゴルフなどが認知度が高いでしょうか。

 メリットはやはり、ガソリンを使わないということです。日本では、発電所で電気を作る際にCO2を排出してしまうので、完全にCO2を出さないかと問われると疑問は残りますが、少なくとも走行中に出すCO2はゼロ。うるさい音も振動もなく、オイルなどの油脂も使わないのでメンテナンスも簡単だと言えます。エンジンがないことで、デザインの自由度が上がり、これからますます個性的なクルマが出てくると予想されます。自動運転などの制御技術との相性もいいので、将来的に今では想像もつかない技術が実現するかもしれません。また、電気代はガソリン代に比べてリーズナブルなので、夜間電力などうまく低価格な電気を利用すると、維持費も抑えられるというメリットもあります。

 デメリットとしては、この10年ほどで1回の満充電で走れる距離は飛躍的に延びていますが、まだまだガソリン車やハイブリッドと比べると、航続可能距離は半分以下。たとえば東京から箱根まで、やっと途中の充電なしで到着できるようになりましたが、まだ往復することは厳しいことも多い、というイメージです。データとしての航続距離は長くても、エアコンを使うと電力をかなり消費してしまうことなど、使用状況で大きく変わるので注意が必要です。

 また、ガソリンなら給油するのに1回5分もあれば済むところ、電気の充電は最低でも急速充電器で30分くらいかかります。200Wのコンセントなら、12時間以上かかることも。やはり、近所のチョイ乗りがメインという人や、ロングドライブをするにしても時間的な余裕のある人にオススメなのがEVです。

 ただ、厳密なパワートレイン種別としてはハイブリッドに分類されるのですが、日産がノートやキックスに搭載している「e-POWER」というパワートレインは、発電専用の小型エンジンを搭載して、そこで作った電気によってモーターのみで走るクルマです。時おりエンジンが作動してブーンという音は聞こえてくるものの、それ以外の時間はとても静かで、モーター走行はEVと同じ感覚。しかも充電ではなく給油をして使えるので、これまでの使い勝手を変えずにEV気分が味わえるクルマとなっています。

 6)燃料電池車

 さて、最後はまだあまり馴染みがないかもしれませんが、水素で走るクルマ、FCVです。燃料電池車とも言われています。トヨタ・ミライやホンダ・クラリティが代表的なクルマですね。もうすぐ、ミライは新型が登場する予定となっています。FCVも水素を使って燃料電池で発電し、電気の力でモーターを回して走るので、EVに近いクルマといえるでしょう。

 でも大きな違いは、航続可能距離がかなり長いということです。EVは最大でも400km~500kmほどですが、FCVは現行のミライで650km、新型では800kmオーバーになると言われています。また、水素ステーションでの水素充填にかかる時間は、1回あたり3分程度。電気を充電するより時間ロスが圧倒的に少ないというメリットもありますね。

 ただし、全国の水素ステーションはまだ少なく、130カ所ほど(2020年10月4日現在)。約2万カ所ある充電スポットと比べて、まだまだインフラ整備には時間がかかりそうです。自宅やよく行く場所の近くに水素ステーションがあればいいですが、営業時間が短い場合もありますので、確認が必要ですね。

 というわけで、多彩なパワートレインのそれぞれの特徴と、メリット・デメリットをご紹介しました。これだけの種類から選べる時代というのは、19世紀にスタートした自動車史上、初めてのことではないでしょうか。ものすごい速さで技術が進化しているので、この先5年、10年でまた変わっていくのかもしれませんが、こうした多彩なクルマたちから、今現在の自分にベストなものを選ぶ悩ましさ。そんな時間をぜひ、せっかくなら楽しんでほしいと思います。

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みんなのコメント

6件
  • 単純なコスト安を求めるなら小型のガソリン車一択。
  • ガソリンエンジン、クリーンディーゼル、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車、燃料電池車。
    ○○○○車ってのはパワートレインと言えるのですか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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